過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。
スカイライン(06.12.4記) |
我が家がシトロエンC5を購入する時に、購入対象として上がったのが先代スカイラインでした。筆者としては大変評価していた先代スカイラインは「スカイラインはこれじゃない」と言う、自動車評論家を含めたいまだにスカイライン伝説にへばりついた人達の想像通り、見事に売れませんでした。むしろ本来の予定通り新型FRGT「XVL」として売っていた方が「スカイラインじゃない」バッシングに遭わずにすんでもう少し台数を稼げたかも知れません。 そんなスカイラインですが、従来のモデルチェンジで繰り返されてきた一世代事のコンセプトチェンジは今回はまるで無く、見事にキープコンセプトでのモデルチェンジとなりました。と言うのも日本では泣かず飛ばずだったこのモデル、アメリカではインフィニティモデルとして見事にヒットしたわけで、アメリカからすれば当たったモデルは当然キープコンセプトな訳なのです。 先代スカイラインの最大の課題は、車としては充分良いモノだったにも関わらず、見た目の品質感にそれが現れず、結局いつもの如く恰好だけのマークX辺りに全部持って行かれると言う失敗をしてしまいました。筆者としては、プラスチッキーだったものの先代の内装デザインには好感を持っていたのですが、結局世の中は「木目調パネル」の方を支持した訳で、今回のスカイラインは、そう言う方面に手抜かりは有りません。上級車種フーガですら木目「調」パネルがメインなのにも関わらず、スカイラインは全車「本木目」「本アルミ」のパネルを採用しています。さらにこの本アルミのスクラッチの付け方が実に繊細で美しいので、これだけでもディーラーに見に行って欲しい感じです。 プラスチック系の質感も今回大幅に上がりました。「チリ」にさえ拘らなければ、トヨタ車と比べても大きく見劣りする事はまず無いでしょう。ただ室内で苦言を呈したいのは、後席の足下空間です。いくらFRで有るとは言え、これだけのサイズの車としてはいささか狭いと言わざるを得ません。ブルーバードであれだけの後席空間を稼ぎ出したのですから、もう少し頭を使って欲しかったところです。 外装デザインはもろキープコンセプトです。と言うか一部で言われているようにフロントデザインがフーガに似すぎなのではないでしょうか?スカイラインはこれでも良いでしょうけど、今でさえそれほど売れているとは言えないフーガが、上記内装品質と併せてますます売れなくなってしまうのではないでしょうか? キープコンセプトなのでデザイン自体は面白味、インパクトには欠けますが、よくよく見るとボリューム感も有りますし綺麗な良いデザインだと思います。特に斜め後方から見た時に、フロントフェンダーホイールアーチから始まったキャラクターラインが一旦上昇してきて、後輪のホイールアーチに添う形で下がって来る。まるで安彦S字を見るかのようなラインはなかなかのモノです。 結論。今回はテールランプが最初から丸いです。でもまたまた「スカイラインはこれじゃない」そう言われそうです。仕方ないと思います(笑)。前回のモデルチェンジ時にも書きましたが、スカイライン伝説と言うモノはコンパクトな車体に凄いエンジンを積んだ事によって出来上がっている訳です。初代GTRにしても、5代目、R32にしても、評判の良かったモデルはみんなそうです。2.5Lのサイズの車に2.5Lのエンジンを積んでいる限り「スカイライン」の復活はあり得ません(だからなのか今回は2.5Lのサイズに3.5L積んじゃってますが・・・)。 でも多分今回のスカラインも良い車です。最初のスカイライン直撃世代は、正直もうおっさんなわけです。そんなおっさん達が今更2.0L、5ナンバーサイズに凄いエンジン積んだランエボみたいな車乗りたがるとは思いません。楽チンで早えー、そんなスカイラインに若い自分を重ねて乗ると言うのは案外有りな選択かも知れません。どうせR32世代のスカイラインファンは家族に振り回されてミニバン買っちゃうんですから、全く無視して最初のスカイラインファン相手とすればと言うのは、案外良い落とし所かも知れません。少なくともレクサスISよりはこっちかと。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |
セルボ(06.11.14記) |
スズキは軽中心メーカーらしく、代々ずーっと軽のスペシャリティーカーと言うモノを諦めずに作ってきた。途中のセルボモードだけは「セダン」でインチキじゃないかとも思うが、フロンテクーペからセルボ、Keiまで時代時代に合わせたスペシャリティーカーを必ずラインナップに残してきたのは本当に偉いと思う。そんな中昨今の軽自動車ブームの追い風を受けて、SUV風のKeiに変わる(実際は変わらないんですが)本格的スペシャリティ軽として登場したのがこの懐かしい名前のセルボなわけだ。 前記したようにセルボモードはインチキだと思うので、実質2年間しか作られなかった3代目セルボ以来16年振りの、本格的スペシャリティカー復活となったわけだけど、残念ながらあんまりスペシャリティを感じさせない。ライバル車はダイハツソニカ、スバルR1辺りだと思うが、その中で一番「只の軽ミニバン臭」を感じさせるあか抜けないプロポーション、デザインだと思う。特にスズキとしては大変自信が有るらしいリア周りのデザインが、実に線が多くて猥雑に見え、なんだか数年前の韓国車に見えて仕方がない。 全高低めのソニカ、リアウィンドーを思い切って寝かしたR1。共に見るからに只の軽自動車とは思わせないモノがそのプロポーションから伺える。だけどセルボのそれはシルエットだけを見たら所詮ワンモーションミニバンでしかない。適当にお面とお尻をいじって派手な姿を装っているが、その実、スズキのいつものコスト優先主義「バカな日本人にはそこそこのモノで充分」主義なやる気の無さが感じられる。 結局スズキは、箱のワゴンR、可愛いMRワゴンそして派手目なセルボと軽ミニバンの作り分けがしたかっただけなのかも知れない。そう言う意味ではSUV方向に振ってはいたが、遙かにKeiの方が「スペシャリティ」だったと思う。目先の変わったミニバンとして売れるかも知れないが、それにスペシャリティ軽の代名詞「セルボ」の名前を付けるのは納得が行かない感じである。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2 |
オーリス(06.11.10記) |
トヨタが言うには、今までアレックス/ランクスと言っていたカローラ系のハッチバック車はモデル消滅し、新規ブランドとして導入されたのがオーリスと言う事です。カローラの項でも書いたように、今回のカローラのモデルチェンジは通常通り2回に1回のスキンチェンジでしかありません。今までだったらそこから派生しているハッチバックモデルもスキンチェンジで終わるところでしたが、今回のオーリスは完全新プラットフォーム。だからトヨタとしては、カローラの派生車種でも無いし、アレックス/ランクスのモデルチェンジでは無いと、声を大にして言いたいらしいです。 ただまぁ正直タイミングが悪い訳で。カローラがモデルチェンジした直後に発表されたら、誰がどう考えてもカローラの兄弟車と思うのは避けられない感じ。せめて1ヶ月だけでもカローラより先に発表出来なかったんでしょうか?トヨタにしては手際が悪く感じられてしまいます。 外装デザインの印象は簡単に言えばデカヴィッツ。でもなんとなく中に(骨格に)カローラが入っているようにも見えるのは、狙っているのか血筋で仕方がないのか?今回欧州市場も考えて幅は3ナンバーサイズになったのですが、それを生かしてリアフェンダー周りはボリューム感のある綺麗なデザインをしています。映像とか写真ではあまり目立ちませんが、これ結構格好良いですよ。マツダのアクセラもそうですが、今まで5ナンバー枠の関係でなんとかフェンダーにボリュームが有るように「見せてた」モノが、実際に膨らましても良いとなると、デザイナー、モデラー共に嬉々として処理しているように感じられます。 内装の品質はカローラ共々手抜き気味。これで質感高いとか書いてる自動車評論家は頭使ってないか、モノ見てないかどっちかでしょう。オーリス内装のキモ、張り出したセンターインパネは見かけ倒しの感が強いです。ボルボのフローティングインパネと同じく、あまり使い勝手は良くありません。正面から見えないと言う事は結局ブラインドタッチでモノを探さなければいけないので、自分がそこに何を置いたか把握していないといけない訳です。また実際座って見ても圧迫感があって、足下が窮屈で仕方有りません。サイドブレーキもいまいち引きにくいですし、この形式のインパネには何のメリットも感じられません。 センターインパネのせいで内装の印象がかなり悪くなってしまいましたが、全体の印象はそんなに悪くありません。若干ライバルに比べて値段が高い気もしますが、なんかしらの形で5ドアHBを作り続けるトヨタの姿勢を評価したいです。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
ムーヴ(06.11.2記) |
スズキがワゴンRをほぼ5年でモデルチェンジして行くのに対して、ダイハツはムーヴをきっちりと4年ごとにモデルチェンジ。そんなサイクルなので初代デビューはワゴンRの方が早かったのに、ムーヴは早4代目となりました。過去3代はワゴンRと真っ向から勝負する為か「ハコガタ」デザインを維持してきましたが、さすがに同じネタで16年戦うのは気が退けたのか今回のムーヴはハコガタでは無くなりました。 ただ気になるのは、全体のフォルムがスズキが失敗した初代MRワゴン調と言う事。個人的にはMRワゴンは良いデザインだったと思うんだけど世間的にはそんなに評価をして貰えず、2代目では日和ったアンパンマンカーに成り下がったわけで。まぁダイハツの主力車種で有るし、買い換え需要を考えてもこのデザインでも大外しと言うことは無いんだろうけど、ワゴンRがあんなに質感低くて鉄板ペラペラでも売れるってのは「ハコガタ」と言うのが大きな理由だと思うので、次のワゴンRの形含めて動向が気になります。 そんなちょぃと心配な外観デザインですが、今回も上手いこと「カスタム」と作り分けています。ボンネット、バンパー、ライトを作り替えるだけで、かなり別の車感が生まれていて、リアもイメージ的には一緒なんですけど、実はカスタムの方がテールランプを細めに長く配置すると言う芸細な対応。通常ムーヴに対して、カスタムはかなりハコガタに見えます。 内装はデザイン的にはかなり凝った感じだけど、メーターパネルを覆う大きな屋根のようなパーツの目立つ位置につなぎ目が来てるのが残念。質感的には安定した感じで、ホンダと同レベル、スズキには圧勝って感じ。後席スライドを利用するとバカみたいに足下広くなるけれど、ここまで来ちゃうと逆に「だから?」って気もする。広いからと言ってくつろげる訳では無いって事に、そろそろハイト軽の開発者は気づくべき何じゃ無いだろうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
カローラ(06.11.1記)-試乗済み- |
カローラという車は代々ほぼキチンと4年ごとのモデルチェンジ、そしてプラットフォームは2世代に渡って使用というのがずーっと守られてきていました。つまり実質8年ごとのフルモデルチェンジで4年ごとにスキンチェンジが行われているというのが実状でした。ところが先代のカローラは6年に渡り作られ、しかも今回は欧米向けに新型プラットフォームも導入と、当初のCMコピーと同じくかなり「変わらなきゃ」な車だった事が解ります。 とまぁここまで書いておいてなんですが、日本向けカローラは結局先代のプラットフォームを使っています。欧米用の幅の広いプラットフォームは兄弟車と思われていたオーリスに採用されていますが、セダンとワゴンは日本国内5ナンバーサイズに収める為に旧型のモノを使用と。つまり世界中で日本のみ旧型プラットフォーム(笑)。日本で一番売れてる車なのに旧型プラットフォーム(笑)。 つまり結局今回のモデルチェンジはスキンチェンジで、実質先代カローラとほぼ変わらない感じです。ブルーバードがあそこまで広げた後席空間を見ていながら、特に何も対処出来ていませんし、外装デザインにしても骨格に先代がにじみ出て新しさを感じません。むしろ先代のデザインの方がすっきりとしていて良いデザインだったと思います。 内装の品質も今回ちょっと手を抜いたか?と感じました。試乗したのが1.5の廉価グレードだったというのも有るでしょうが「トヨタで一番お金を掛けて開発している車」とは思えず、素直にベルタとプレミオの中間だなと納得できる程度の仕上がりです。 試乗した感想は、とにかく静か。最下級の1.5Lエンジンでもアイドリングではエンジンが掛かっているのか確認したくなるほどです。まあ回せばそれなりに1.5Lっぽい音が唸るのですが・・・乗り心地は全体的にしゃきっとしています。ふわついた所は全く無く、ハンドルを切るとすっと頭が入っていく感じがします。既に雑誌などのインプレッションでも語られているように「カローラらしくない乗り味」と言えるかも知れません。 今回1.3Lエンジンは落とされました。営業車としてカローラを使っていた人達はベルタを使えと言う事らしいのですが、これまたカローラらしさが無くなってしまった気がします。上下がぎっちぎっちに詰まっているトヨタラインナップの中で、実は唯一カローラだけはクラスレス。今までのカローラにはそう言う雰囲気がありました。営業車も有りながら、皮内装の高級車も有る。一見矛盾して見えますが、だからこそのクラスレス感でも有ったわけです。現にステップアップせずに、カローラだけを乗り継いでいるユーザーの数は相当数居るはずです。けれども今回のモデルチェンジで、カローラのポジションははっきりとしてしまった気がします。これはトヨタ全体としてみれば正解なのかも知れませんが、カローラ単体としてみればあまり芳しくないことだと思います。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
パジェロ(06.10.25記) |
例のリコール隠し騒動からの復活の基幹車種に三菱はパジェロを選んだ。日本国内市場で既にクロカンブームは去り、過去の栄光とも言えるパジェロを基幹車種に選ぶという発想に、筆者は三菱の復活に不安を覚えたモノだった。その後WRCからは撤退するモノのパリダカには出続けると言う発表がなされ、いよいよ持ってその決意の本気度を痛感させられた。 その後、セダン系モデルの開発は凍結され、ディアマンテ、ギャランが消滅する中、大して売れているとは思えないエアトレックはモデルチェンジがなされ(アウトランダー)、トライトンの導入、そして真打ちパジェロの登場となり、筆者は未だにRV専用メーカー→乗用車市場からの撤退と言ういすゞの悪夢の再現と言う不安から抜け出せないでいる。 そんな筆者の不安とは別に、世のミツビシャー達は三菱を見捨てずに、買う車が無いからと健気にもアウトランダーを購入。iのスマッシュヒットと共に、世の中的には三菱は復活しつつあると言うような評価に変わりつつある(つーか日産とスバルの不信が酷すぎるだけだが)。 んで、そんな良い雰囲気の中で出て来たのがこのパジェロなんですけど・・・あぁ。パジェロですねぇ。つーかこの色の塗り方したら(スリーウェイツートン)みんなパジェロですけど。守りに入ったなぁって印象ですよ。三菱守りに入るにはまだ早いんですけど、明らかに守りに入ってます。もっともこんなうすらデカイ四駆、日本で買う人は元々好きな人だけでしょうから、そう言う人が頭に思い浮かべる形としては正解なんですね。 むしろ目は世界市場に向いている訳で。その世界でこう言う車を買う人は「本気」ですから、ランクルのちょい安い奴って言うポジションをキープ出来れば形なんてどーでも良いんでしょうか。日本人はブーレイデザインを否定する人が多いんですけど、グランディスにしろトライトンにしろ良いデザインだと思うんですよね。特にグランディスの初期型は美しいですよ。なのにブーレイいなくなった途端にガンダムガンダム。いや、ガンダムな三菱デザインも好きなんですけど、あまりにもあまりにもじゃ有りません? 質感は三菱が言うほど上がってない感じ。バブル崩壊後、コストダウンで質感が酷くなって、そこから再び各メーカーは立ち直って来つつあるんだけど、三菱はコルトで一気にレベルが上がって以来そこで止まっちゃってますよ。特に各社の課題でも有るんですけど、黒内装の質感をどうにかして欲しい感じです。 あと気になったのは、背面に背負っているタイヤにカバーが付いていない点。三菱としては「いざという時に適正空気圧になっていないと使えないので、常時状態を確認出来るようにした」と言う考えらしいのですが、日本国内ではスペアタイヤを使うという状況より、いたずらでパンクさせられると言う可能性の方が高そうなので、国内、国外で仕様を替えるべきかと思います(オブション用品でカバーは有るんですけど)。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
CR-V(06.10.17記) |
デカイですね・・・。ライバルのRAV4と同じく、もはや日本国内の事なんか全く考えていない欧米向けサイズな「小型」SUVです。 クロカンブーム→小型SUVブームが去ってしまった日本で、こんな乗用車ベースのSUV買うのはよっぽどの好き者しか居ないでしょう。同時に出たパジェロなんかはまだ道具としては本物な訳ですから、そう言う世界が好きな人が買うのは解るんですけど、こう言う雰囲気モノは時代とずれていると全く誰も買わないような気がします。 特にホンダはMDX、エレメントと、欧米中心のモデルを無理矢理導入してさっさと撤退と言う事を繰り返しているのに、どうしてまた同じような事をするのか不思議でなりません。初代がヒットしたのでその買い換え需要を期待してるのかも知れませんが、初代は「流行りモノ」としてヒットしたわけですから、そう言う流行に乗りたい人が、同じカテゴリーのものを乗り継ぐとは思えないんですけど・・・ デザインは確かに顔にだけはインパクトが有ります。ただどうしてこうも垂れてるんだかは理解できませんが(笑)。そんなインパクトも横に回った途端に無くなります。BMか・・・誰もが頭にX5やX3がちらつくんじゃないでしょうか?いや、写真を横に並べたらそんなに似てないとは思いますよ。でも全体のイメージはBMWそのもの。そもそもこのジャンル(乗用車ベースのSUV)の車を開発したのは日本が最初だったはずなのに、何故人まねこざるになっちゃうんでしょう?この辺りにホンダのデザイン面での弱さを感じずにはいられません。 内装はもう完全にホンダは下り坂に入ってしまいました。宇宙船的デザインも辞め、質感もそこそこで手を打ち、乗っていてあまり所有する喜びは感じさせません。天井のサングラスケースにミラーが貼ってあったり、リアハッチに左右両手用のくぼみがあって三本対策が出来てたり、それなりに小技は効いてるんですけどね。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
トライトン(06.10.14記) |
新車と言うモノは出ない時は全然出ないのだが、出る時は何故だかまとめて出るモノで。三菱もekワゴンに続いてパジェロが出てしまったのだが、取りあえずこのトライトンから。 数百台の限定輸入なのでまさか実写を見れるとは思わなかったのだが、パジェロを見に行ったショールームに偶然置いてあったので、パジェロより興味深く見てきました。印象はもう、写真で見たイメージ通り。いや素直に格好良いですよ。ブーレイ顔の残り香がありつつも、元々の三菱顔でもある。言うなればガンダムで有りながら有機的。近年の三菱デザインで一番良い出来何じゃないでしょうか? ただブーレイデザインのグランディスでこけて以来、三菱社内では「三菱車は直線基調」で意思統一が図られたらしく、今後はこう言うダイナミックな方向性のデザインは出てこなそう。新型パジェロや、ランサーのコンセプトカーを見るとなんだか「ガンダム」に拘りすぎて、ちょいと縮こまって来た印象。さらにプロトタイプは直線基調で有りながらあれだけぶっ飛んでいた時期デリカも、これまたかなり落ち着いちゃったらしい、上げ上げの時はイケイケじゃないと駄目なんじゃないですかね?三菱さん? 内装は安っぽいですよ。でもね、車に乗った途端に三菱臭がぷーんと漂ってきたんですよ。パジェロからはあんまりしなかったんだけど、トライトンからははっきりと。タイ製なのに本家パジェロよりかぐわしい三菱臭。接着剤の臭いなのか、プラッチックの臭いなのか、とにかくミツビシャーとしてはそれだけで嬉しくなっちゃいました。 インパネの質感なんかも冷静に見れば低いんたけど、元々トラックだし、タイ製だしって言うので期待してないので、トタン屋根みたいなシボ?にも全く抵抗感無く受け入れられる感じ。むしろ同時展示のパジェロの質感の方が問題有りって感じでした。減点対象としてはシートのガラでしょうか?人それぞれ好みは有るでしょうけど、あれはちょっと・・・後席はこんなデザインにも関わらず、充分に座れます。ヒザ抱えて乗るイメージだったんですけど(笑)。 まぁ限定販売なので、三菱もそんなにやる気は無いんでしょうけど、もうワングレード安いのが有ると良い感じ。オーバーフェンダー無し(無しでも充分格好良いんだな、これが)、よく解らないインフォメーションディスプレイ無しで250万円ぐらいの。トラックなので毎年車検来るようになるのが欠点と言えば欠点だけど、なかなか良い車だと思います。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)4 |
ekワゴン(06.9.20記) |
リコール隠し問題(車業界が多かれ少なかれやっている事は、スバルやトヨタが証明)で大打撃を受けた三菱が、苦肉の策としてひねり出しそれなりのヒットを飛ばす事に成功したのが先代のekワゴンでした。当時流行っていた全高1550ミリ内に抑えて立体駐車場に入れるミニバンと言うコンセプトと、クリーンなデザインで色々な派生車種を生み出しながら、最後までそこそこの台数を稼ぐ事が出来ました。 成功作のモデルチェンジとなると・・・そう、キープコンセプトですね。とほほ。クラス初の電動スライドドアと言う飛び道具を採用した以外は、見事に先代のイメージを受け継いでいます。先代のデザインの角を丸め親しみやすくしたらしいですが正直どーでも良いデザインです。先代は独自の樽型ボディで、三菱らしい巧みなフェンダーワークを見せていましたが、エッジを全てまろやかにした新型ではフェンダー周りの処理もあまり目立たず個性が薄まった感じ。 インパネの質感は、見たのがベージュ内装と言う事も有り、及第点な印象。中央パネル部分の塗装の質感が結構高くて良いんじゃないでしょうか?肝心の電動スライドドアは、便利ですし、子供のドアパンチ被害を減らす意味でも良いと思います。ただインナーレールですのでその分室内に影響は出ています。180サイズの大人が後席に座ると、若干頭の横が窮屈に感じます。 まあキープコンセプトのモデルチェンジですから、それほど書くことも有りません。上記したように確実に個性は薄まってしまい、初代の方が新鮮に感じられるデザインだと思いますね。あと、三菱に声を大にして言いたいのは、CMの人選にセンスが無さ過ぎる。どこかのマーケティング会社の言いなり何でしょうけど、今この時期に江角マキコは無いでしょう?期待のiのCMソングがユーミンと言うのにもがっくり来ましたが、これから上っていかなければ行けないメーカーが、どちらかと言うと一時代を築いて下りつつ有るタレントを起用するのはどうかと思います。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(嫌) |
ストリーム(06.8.8記) |
コデッセイ。初代はミニバンで7人乗れるのにスポーティーと言う、まことに矛盾したどうでも良い車で有りながら、トヨタからウィッシュが出るまでは大ヒット。今回はウィッシュから再度覇権(そんな覇権が有るかは知らないが)を奪還する為に一見して解るように、低床ミニバンコンセプトで当たったオデッセイのデザインを頂いています。 ただ、いまいちホンダが解っていないのが3代目オデッセイが当たったのはあの独特の「悪さ」感な訳で・・・いわばちょい悪オヤジブーム(笑)まっただ中に、そのものズバリのちょい悪なデザインが投入されてオヤジの心をくすぐったのがヒットの要因なのに、そのデザインコンセプトを頂いた筈のシビックもこのストリームも「悪さ」加減が足りないと思うんですよ。シビック辺りはそれでも全体的な薄っぺたさ感とかなかなか表現出来てたんですけど、ストリームはいかんせんミニバン、いかんせん5ナンバーのしがらみが有るからか、切れ味足りない凡庸なデザインになってしまってます。まぁ骨格、デザインあらかた決まっていた所に「オデッセイ大ヒット」の報が入り、急遽顔だけオデッセイにしたんじゃないでしょうか? ドアを開けて中に入ってみて・・・内装パッとしないなぁ。前から言っているように、筆者はホンダの最近の内装を大変評価していて、特に宇宙船のようなインパネデザインにはぞっこんメロメロだったのですが、ストリームのそれはなんか外装デザインと同じで歯切れが悪い感じ。3列目シートもホンダや評論家は「先代より広くなった」と言ってますが、座った感じは明らかに今回の方が狭い。ディーラーのセールスもその事については素直に認めて「低床コンセプトですので仕方無いと思います」との事。 結局モデルチェンジして何がどうなったかと言うと、天井が下がってますますエアウェイブと棲み分けが難しくなったという感じ。7人乗るならストリームだけど、7人乗らなきゃ行けない可能性と値段を比べたら、エアウェイブで良いんじゃ無いかと思う。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
SX4(06.7.29記) |
出ました。スズキお得意の「外国で売るんだから日本ではどうでも良いんだよ、買いたかったら買ってね」車。スズキは昔からこういう会社の都合、外でのお付き合いの都合で出来てしまった車を、国内で無理矢理売ろうとする悪い癖が有る。いや、無理矢理売ろうとはしていないか?単純に新車開発ペースが大手より劣るのを誤魔化す為に、大して売る気も無いのに、取りあえず市場に投入してみると言う感じだろうか?古くは初代カルタス、最近でもシボレークルーズ等々、およそ日本の事情やマーケットに合わない車を平気な顔して投入してくる。 今回も、フィアットとのお付き合いで小型SUVが必要となった→幸いスイフトと言う非常に出来の良いプラットフォームが有る→それベースで作ればそんなにお金も掛からない→ある程度はフィアットが買い上げてくれる契約になってる→欧州ではこの手の車が流行ってるので自社ブランドでも売れるだろう→じゃあついでだから日本でも売るか。本当にとほほです。だが今回はスズキもちょぃと頭を使ってきた。WRCの下のカテゴリーでスイフトが好成績を残す事が出来た。これは結構宣伝にも使えそうだ。だったらWRCにステップアップして、そのベースマシンをSX4にすれば日本でもそこそこ売れるのでは?あはは。 と言うわけで、SX4の本物はまだまだと言う感じです。つーか単純に考えてスイフトとの差別化が、今現在出来てるとはとても思えません。早くWRC用のエボを凄いデザインで出すべきかと。中に座った感じも似たようなモノ。外観デザインもよく見ると違うんだけど、なんとなく同じに見える。むしろスイフトの方が格好良い(苦笑)。スズキ程度の販売店の力で、ヴィッツとイストみたいに売り分けるのは到底無理だと思いますが・・・ 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2(嫌) |
ソニカ(06.7.13記) |
日本国内売れているのは軽自動車ばっかり。となるとメーカーにも余裕が出てくるのか、通常なら売りに出されそうも無いモノまで企画が通り、世に姿を現すようになってきます。まさに軽自動車バブル。このソニカも普通なら発売されたかどうか、微妙なタイプの車だと思いますが、おいら的にはなかなか好感触。 簡単に言うと軽のスペシャリティーカーと捉えています。普通車で言うと昔のカリーナEDみたいな感じ?実用云々より雰囲気を楽しむ車。パッと見格好良ければそれで良い感じ。いやいや見事に表現出来ていますよ。写真を見ての印象ではウィンドーグラフィックの影響か「先代ストリームみたい」との声が多かったようですが、これはもうずばり初代トゥデイの焼き直しではないかと。さすがに現代の車で、初代トゥデイ程の車高は実現できなかったようですが、ボンネットからフロントガラスを経てルーフまで一直線にのびるラインをスパッと切り落とすテールと、なかなか見事にそしゃく出来てるのではないかと。もう少し鼻先が尖っていた方が格好良く思えますが、そこは軽の枠の問題があるので仕方ないところでしょうか? 内装も逆ぞり感の有る助手席前方のデザインにちょっと贅沢な感じを覚えますし、最近のスペシャリティ軽必須の赤内装も雰囲気が有ります。ただどちらかと言うと男性ユーザー向けの車な割に、ATの中央コンソールが飛び出ていて、クラス最大の室内幅が生かせてない感じ。だらっと乗る分には良いですが、正しい姿勢をとると確実に左ヒザがこのコンソールにぶつかって狭く感じてしまいます。 外装色は8色も有るのですが、実はどれもこれもハイト系ダイハツ車で見かけたような色ばかり。カタログでは青、白、銀しか使われてないので、どれぐらい似合うか解りません。個人的には黒と銀が有るならガンメタいらんだろ?って思うんですけど・・・ まぁとにかく70年代のような軽自動車バブルを感じさせる車な事は確かです。ちょっと法律上の優遇処置が変わったらこんなバブルはすぐにはじけるでしょうが、サイズがサイズなだけに嫌味に感じないのが良い感じかと。そんなに売れないでしょうけど、中古になったらちょっと欲しい感じシリーズ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |