過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。
フィット(07.11.13記)-試乗済み- |
一時はカローラを上回る売り上げを誇りホンダの懐を大いに潤したフィットも、遂にモデルチェンジを果たす事になりました。発売前から色々な雑誌にすっぱ抜かれ、そのデザインがキープコンセプトだと言う事は明らかになっていましたが、まだまだ旧型が手堅く売れてる事からもその判断はあながち間違いでは無いと思っていました。ただ、その反面ホンダが何度もキープコンセプトで失敗しているのも知っているので、果たして実車の印象はどうなんだろう?と楽しみにディーラーに向かいました。 基本的に車をショールーム内に置いていないディーラーって嫌いなんですが(特に今の時期、寒くなってきますし日が暮れるのも早いので)、筆者が向かったディーラーもショールームの中にはオデッセイと何故だかインテグラタイプRが置いてあり、肝心要のフィットは屋外の暗い中にポツンと置かれてました。これじゃあ内装の質感とかよく解らないんだよなぁとがっかりしてると「試乗してみませんか?」とのお誘いが。どうせ買わないので自分から乗せてくれとは言わないけれど、乗せてくれると向こうから言ってくれれば、遠慮なく乗せて貰うというのがこの試座記のスタンス。早速カギを預かり街に繰り出しました(そう、セールス乗らずに貸し出しだったんですよ。都内のディーラーならともかく、常連客でも無いのに珍しい・・・) 乗り始めの印象は、ハンドルバカ軽!。元々某ホンダ系教習所で免許を取った人間ですし(当時ホンダのパワステは軽い事で有名でした)、基本パワステは重いより軽いのを支持するタイプなんですけど、それにしてもこれって軽すぎませんかね?もっとも普通に走っている時はそれ程違和感を感じませんし、路面状況もちゃんと手の平に伝わってくるんですけど、交差点とかでの一切り目がもの凄く軽く感じるんですよ。それまで重いパワステに乗ってきた人とかは慣れるまで要注意な感じです。 ホンダ側からの発表時のコメントで「徹底的に旧型のネガ潰しをやった」と言うモノが有ったのですが、旧型の問題点はざっと挙げて、Aピラーが太すぎて視界の邪魔になる。発進時のギクシャク感。乗り心地の悪さ。の3点。Aピラーに関して言えば、夕方の見づらい状況の中でもそれ程邪魔には感じませんでした。発進時のギクシャク感は神経質にならなければ、ほぼ気にならないレベル。そーっと加速しようとして、さらに用心深く神経を尖らせていると、一瞬違和感感じますが、こんなの気にする人居ないでしょう。と言う事で、2点目まではしっかりとネガ潰しが出来ていました。 そして問題の、でも雑誌評価ではなかなか好感触の乗り心地ですが・・・うーん。マシにはなってますよ。良路ではしなやかと言っても良いんでしょうけど。でもやっぱりちょっと道が荒れるとガタゴトガタゴト。ディーラーまでC5で行ってると言うのも影響してるのかも知れませんが、個人的にはそれ程良い乗り心地とは思いませんでした。C5とフィットではクラスも価格も大きく違うのですから、同じように比べては行けないですし比べてるつもりはないんです。むしろ心の中の小型車の乗り心地ベンチマークは先代のルノールーテシア辺りを据えています。価格面は若干違いますが、クラスで言えばドンピシャな訳ですから、10年近く前に出た車に未だに圧倒的に負けているのはどうかと思います。 と、まあ自動車評論家の煽りすぎで、乗り心地に多大な期待をしていた筆者が悪いと言えば悪いのですが、総じて先代のネガ潰しはキチンと出来ていますし、価格を考えれば充分以上に良い車だと思います。そして、冒頭で問題にしたキープコンセプトなデザインについてどう思ったかと言いますと「全然別の車。つーか結構格好良い。先代がこのデザインだったらまじやばかった(←バカ感想)」 写真などを見ても解るように、顔と尻のランプ類の配置とウィンドーグラフィックで、先代と同じようなイメージを持たせようとしていますが、全体のフォルムは全然違う形をしています。簡単に言ってしまえばワンモーションフォルム。Aピラーがこれでもかと前に出されていて、ボンネットなんか旧型の半分ぐらいの印象です(笑)。特に斜め後ろから見た時のフロントまでの流れるような感じは、ホンダのデザインの中では抜群の出来映えかと。 内装質感に関しては、前記したように夕方で外だったので何とも・・・例の有機的なスポークを持ったハンドルの回りにメーターやエアコン吹き出し口、スイッチ類などの円がいくつも配置されていて、さらにセンターコンソールがとろけるようにサイドまで伸びている感じはちょっと猥雑?でもいっその事さらにぬめって感じに仕上げたら、今までの「宇宙船的SF感」から「退廃的SF感」に変わって新しかったかも。 と言うわけで、乗り心地はもう一歩だけれども、それ以外はデザインも含めて思っていた以上に良い仕上がり。一発当てた後のホンダと言えば必ず失敗してきたものだけど、今度は上手くモデルチェンジ出来たんじゃ無いでしょうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |
カローラルミオン(07.10.30記) |
「いらない。」この車は日本に必要無い車です。発表時にも思いましたが、実写を見ての感想も同じ「いらない」。トヨタ的にはスパシオの後継ポジション、カローラの登録台数を大きく落とさない為にも必要な車種なんでしょうけど、ユーザーにとっては全く必要無い車です。つーか有るとセールスに騙されて田舎のお父さんとかが間違って買っちゃうので(キャバリエみたいにね)、即刻無くして欲しい車です。 成り立ちは、これまた北米サイオンブランド用に開発されたデカbB。顔だけちょいちょいっと替えて、スパシオに手詰まり感を感じていた国内に投入。だからスパシオではあれだけ頑張って5ナンバー幅にしていたのに一気に拡大3ナンバー。さらに不思議なのは、有りモノで適当に作ったにしては価格設定がバカ高い事。1.5Lの車の標準装備車が180万って???ちょっと最近のトヨタ車って価格設定がおかしくないですか?国内は多少不振とは言え、国外であれほど売りまくって、不振とは言え相変わらず国内ダントツナンバー1なのに、どうしてそれをユーザーに還元しないのでしょう? デザインも、内装の小さくて見にくい3段インパネ4連メーター以外に特別なところは無し。ホンダがS-MXで始めトヨタがbBで追従したモノの、日産キューブに全部持って行かれたハコガタデザインの範疇の車。だけどキューブの次の新しい提案はまるで無し。むしろ3歩ほど後退した感じで、田舎のお父さん騙すには丁度良いさじ加減、安心感?。結局トヨタとしては「有ればバカがうっかり買う」と思ってるんでドンドン新型車投入するけれど、どれも適当にちょいちょぃっと作った車ばかり。バブル期のマツダ5チャンネル体制のような失敗はトヨタだからしないとは思うけれど、適当に作った車にはユーザー絶対に感動はしないわけで。日本から車好きを減らすのを加速度的に進める手伝いしてどうしようって言うんでしょう? いや、別にスポーツカーを作れば車好きが増えるなんて事は言いませんよ。でもね同じハコガタの車を作っても、キューブには人をワクワクさせる何かが有るわけです。例え車としての出来はトヨタの方が良かったとしても、キューブを買った人は積極的にキューブを選んで、自分の車として愛着を持ってキューブに接してると思うんです。でもこのルミオン買う人って、どう考えても消去法で、セールスに上手く丸め込まれて買うような人なんですよ。で、買った後もルミオンには何の喜びも感じない。只の移動手段の一つ。5年乗ってセールスが買い換え進めてきたら、なんの躊躇もなく捨てられる車ですね。これでは日本に車好きは増えていきません。例えセールスに丸め込まれても、乗っているうちに愛着が湧く車。トヨタはナンバー1メーカーとして、そう言う車を作らなければいけないはずなんです。それには有りモノでちょいちょぃっじゃ絶対に駄目なんですよ。 とにかく「いらない。」マッハで絶版車熱望です。これ買うぐらいなら、本気で作ったムーヴとか買った方がまだ幸せですよ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)1 |
ヴァンガード(07.10.22記) |
いつものごとく興味無い系の車種なので実車を見るのが今まで遅れてしまいました。つーかこの車売れてます?発表から2ヶ月程立ちましたが、町中で1回も見かけた事無いんですけど・・・ポジション的には、ハリアーの廉価版的立ち位置のまま放置されていたクルーガーの後継車。成り立ち的には、大きくなりすぎた北米版RAV4ロングの顔替えモデル。いやね、新車発表会でトヨタが得意気に言っていたんですよ。「上質感の有る内外装と、ゆとり有るエンジンによる高級SUV」って。でもねぇ、結局トヨタの言う上質感ってこんな程度なんですよね。 インパネ含めて中身はほぼRAV4そのまま、通常木目調パネルが貼ってあるようなところが違う程度。いい加減木目調パネルやアルミ風塗装に飽きて来たので、このカッパーブラウンに横スクラッチのパネルは新鮮で良いなとは思ったんだけど、このパーツですらRAV4の銀色横スクラッチの色替えしただけ。さらにこのパーツを使い過ぎなのもげんなり。 後はシート生地が違う程度なのに、どうしてこれで「高級SUV」って言えちゃうんでしょうね?いや、同じプラットフォームから全くコンセプトの違う車を作るのは良い事だと思うんですよ。ただ、どうせやるならしっかりと作り分けして欲しいんですよ。このRAV4ヴァンガードもしかり、オーリスとブレイドもしかり。かたやベーシックかたや高級なんですから、明確に作り分けしないと誰がどうみてもお客をバカにしているようにしか見えませんよ。 この2車種の作り分け、とても天下のトヨタの仕事とは思えません。いや80年代のトヨタとかだったら、こんなインチキ兄弟車でも別に良かったと思うんですよ。でも今や世界一の自動車会社なのにこんなチンケな仕事をしていたら駄目でしょう?日産のデュアリスとエクストレイルなんか、見事に作り分け出来てますよ。 そりゃRAV4とヴァンガード程度の作り分けで、デュアリス、エクストレイル程度の売り上げが有れば、経営的にはトヨタが正解になりますけど、こう言うお客に不誠実な車を売りつけてるから、日本のユーザーは車に興味を持たなくなるんじゃ無いでしょうか?長い目で見れば自分で自分のクビを絞めているって言う事に早めに気づくべきかと。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2 |
ランサーエボリューションX(07.10.9記) |
しばらく前にベース車のギャランフォルティスが発表されましたが、それをベースに開発された・・・と言うかランサーエボリューションの方が世界的に知名度が高いわけで、どちらかと言うとギャランがランエボのおまけで、ようやく本命が出たと言う感覚でしょうか? ギャラン自体もそうでしたが、それよりも前からランエボのスタイル自体は明らかにされていたので、ショールームでも残念ながら新鮮な感じはあまりしませんでした。と言うか、事前にネットや雑誌で明らかにされていたと言うこと以上に、ギャランとランエボのスタイルに差が無いというのも、ランエボに新鮮味を感じさせない原因なのではないでしょうか? ランエボと言うモデルは、代々ベース車のランサーがぱっとしない只の実用セダンなのに対して、やり過ぎとも思えるぐらいアグレッシブなデザインで、特別感を出し差別化を図ってきました。特にベース車がセディアとなって以降のモデルは、前後フェンダーも大幅に拡大され、全く別物の車に見えるほどでした。 ですが、今回はベース車のギャラン自体が有る程度、スポーティーな装いというのも有り、一見して両車にさほどイメージの差を感じません。これは果たしてランエボユーザーにどのような受け入れられ方をされるのでしょうか?ランエボならではの特別感をあの「良い大人が乗るには多少恥ずかしい」デザインに求めていた人には、今回のランエボのデザインは物足りないのでは無いでしょうか? さらに難しいのは、過去のランエボがWRCグループAでの活躍を元に「そのままでもすぐにラリーに出れる」と言うイメージを上手く生かしていたのに対して、新型ランエボは、現時点でWRCに復帰すると言うアナウンスもされていなければ、復帰するにしてもWRカー規定の下では、デザイン的に「そのままですぐにラリーに出れる」形にはならないと言う点です(それはランエボ9以前のモデルでもそうでしたが)。 つまり初期の頃のランエボのデザインには、バカでかいリアウィングにしても、同じくバカでかいフロントの開口部にしても、ラリーで勝つ為と言う必然性が有ったわけで、そこにランエボの悪く言えば下品で子供っぽいデザインの説得力が有ったわけです。でも数世代前のランエボから、実際にWRCで走るランエボと売られているランエボには大きく形の違いが生まれ、さらに言うとWRカー規定のランエボはお世辞にも格好良いという形をしていませんでした。 なので、現在のランエボのデザインには以前ほど必然性が有るわけでは無いのです。そこに来て、今回のギャランとランエボのイメージの差の少なさですから、三菱はランエボの方向性を大きく変えようと思っているのではないでしょうか?まあ何というか、簡単に言うと日産におけるGT-Rのような存在と言えば良いでしょうか? 三菱にとっての旗艦となるような車にランエボを育て上げたい。その為にはもう少し大人でも恥ずかしくなく乗れる車にしたい。それが、今回のランエボとしては大人しめのデザインになった要因だと思います。 ただ、「小型セダンに化け物のようなエンジンを積んだ車→レースで活躍して名声を得る→名前だけで商売をするようになる→メーカーの旗艦となるような車にしたい」これは、まんま日産がGT-Rで歩み苦労してきた道です。現在のランエボは350万円前後の価格で踏ん張っていますが、次のGT-Rは700万円台後半の価格になるらしいです。果たして価格面もGT-Rのような酷いインフレを起こしてしまうのでしょうか? 世代が進めばどうしてもサイズが大きくなり、さらにランエボのような特殊な車では、最新技術の投入も有るでしょうから、価格、サイズのインフレを起こす可能性は大きくあります。今までのランエボはそれでも「WRCで勝つ為に」と言う命題が有ったので、現状のクラスに踏みとどまっていました。でも新型ランエボからはそこから飛び出そうとするような危険性を感じます。 ランエボが高性能を安全に手に入れられる車として進化するのは間違ってはいないと思います。ただそれは、一般人でも頑張れば、無理をすれば手に入る存在であってこそ意味があるのです。今回の若干大人になったランエボの方向性に、一抹の不安を感じずにはいられませんでした。 つーかー、室内の印象とかはギャランとほぼ同じ。と言うことは350万円の車としては正直かなり安っぽいですよ。ええ。この辺にお金をかけるようになると、ぽーんと500万円コースとかになっちゃうんでしょうかね?心配だ(苦笑)。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
マークXジオ(07.10.6記) |
マーク2として10代目にあたる事から車名を変えた「マークX」はトヨタの予想以上に売れる事となり、未だに日本中にはこの古い価値観を持つ車を好む層が根強く居る事が分かった訳ですが、そうなると気になるのは放ったらかしになっていたマーク2ワゴンの存在です。セダンがマークXと変わった後もマーク2ワゴンは「ブリット」と言う名のまま販売が続けられていました。その前のモデルではFFのカムリの兄弟車、さらにその前のモデルでは3世代前のモデルを売り続け。と、コンセプトや扱いがコロコロ変わるのがマーク2ワゴン。今回のモデルチェンジ?では遂にミニバンになって、オデッセイの対抗車として発売されました。 とは言うものの、メーカーとしてはこの車をミニバンとは定義しておらず、かと言ってワゴンなわけでも、セダンなわけでも無いようで、新ジャンルの車だと言い張っています。良く言えば良いとこ取り、悪く言えばどっちつかずなのが、こう言う新ジャンルと言うかクロスオーバーカーなのですが、そのどっちつかず感は、車の成り立ちにも現れています。 この車はマークXを騙っていますが、そのプラットフォームはブレイドやオーリスと共有の新世代FF小型車用プラットフォームです。まがりなりにも高級車のつもりのマークXが、いわばカローラクラスのプラットフォームで作られている訳です。つまりクラウンやレクサス辺りと同じFR高級車用プラットフォームを使うマークXセダンとはなんの縁も無い車な訳です。 だったらせめて、外装デザインや内装テイストを同じように仕上げて、兄弟車の雰囲気を出せば良いものの、そう言う点でもこのジオは全くセダンと似ている所が有りません。やろうと思えばランプ周りの処理等で似せる事は可能だったはずなのに、なぜやらなかったのでしょう?単純に考えれば、発売直前まで「マークX」のつもりでは無かったと言う事でしょうか? 現にこの車は2年前の東京モーターショーでほぼこの形のまま「FSC」として発表されていて、当初はマークXとは関係無く開発が進められていたのが想像出来ます。それが同コンセプトの低床ミニバンオデッセイのヒットや、意外なマークXのヒット等の条件が絡み合い、この形、この名前での発表となったのだと思われます。 個人的にはむしろ、同じプラットフォームを使うオーリスとブレイドはコンセプトがまるで違う車なのですから、外板デザインや内装テイストを大きく変えるべきで、「高級」と言うテイストは共有するセダンとジオではデザインを似た方向にまとめるべきだったと思います。同じお金を掛けるにしても、掛け方を変えればより良い方向に向いたのでは?と残念に思います。 車自体の出来に関しては、普通にトヨタ流。自動車雑誌が絶賛するほど高品質だとは思いませんが、安っぽくも無く300万円台の車として合格点な出来。新しく横スクラッチなシボを採用したプラスチックパーツは目新しいですが、かといってトヨタのハイレベルな木目調パネルに勝てる程では無い感じ。むしろこの価格帯より下の車に積極的に採用して欲しいです(アリオンとかに似非木目パネル使うのであれば、こちらを使って欲しい)。 メーターパネル、エアコン操作部なんかは、子供だましながらもちょっと嬉しい仕様。ホンダのSF的インパネをトヨタ流に解釈した好例だと思います。ただ内側ドアハンドル部は、何故だかプレミオ/アリオン風のデザイン。この辺りもクラス感や棲み分けを全く考えていなく、トヨタどうしたの?って感じ。 まぁ総じて、最後までコンセプトと言うか、存在に迷いが感じられる車だと思いました。出来自体も形も面白いと思うけど、トヨタ自身がこの車を良く分かっていないんじゃ無いでしょうか?全く迷い無くあの形で出して来たオデッセイと、色々と迷った挙げ句マークXになっちゃったジオ。分かりやすいのはオデッセイですね。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
エクストレイル(07.9.5記) |
エクストレイル売れたらしいですね。筆者にはあまり興味の無いカテゴリーなので(その為か先代は試座レポートスルーしてるし)、どーでも良いやって感じたったんですが、日産のV字回復はこのエクストレイルから始まった訳で、そう言う意味では、現状また厳しくなって来た日産としては、「新型エクストレイルも失敗出来ない」そんなモデルチェンジな訳です。 んで、売れた車のフルモデルチェンジと言えば、そう、お決まりのキープコンセプトですね。発売当初は先代人気も手伝い、そこそこの出足を記録して開発陣ほっと一安心なんですが、1年過ぎ、2年過ぎ、最初のマイチェンの頃には、6年以上同じようなデザインと言う事にユーザーが飽きてしまい、全く売れなくなって開発陣真っ青と言うパターンが、過去に何度も繰り返されて来た訳です。 なのに日産はド正直にキープコンセプト、ビッグマイナーか?と言うようなデザインで新型エクストレイルを出してきました。比べてみれば確かに新型の方がちょっと高そうと言うか、良さそうに見えるデザインなんですが、まぁ車に興味の無い人には、つーか先代乗ってない人には町で見てもまず新型だとは気づかれないでしょう。 ただ今回のキープコンセプトには日産なりの算段が有るようで、それには同じプラットフォームを使い、同クラスになるデュアリスの存在が有る訳です。エクストレイルと言えば道具感が売りな車だった訳ですが、それとは違う都会的な価値観のデュアリスを出す事で、他社との競合に勝てると言う計画みたいです。 スバルのフォレスター、三菱のアウトランダー、どちらもエクストレイル程道具感が有る訳では無いですし、デュアリスほど都会的ではありません。このどっち付かずの他社の車を、明確に個性を分けた二つの車で駆逐しようと言うのが日産の考えな訳です。となると、エクストレイルに求められるのは先代以上のキチンとした道具感な訳で、そう言う意味では正常進化を形で分からせるキープコンセプトは必然だったと言う分けでしょう。 でもねぇ。理屈では分かるんですけど元々興味の無いこう言う車が、全く同じ形で出て来ては評価のしようが有りません。内装の質感は、先代の「日産の一番厳しい時期に出たんで勘弁して下さい」的チープさから、クラス標準なりの質感にはなっています。ただ相変わらず黒グレー内装が好きじゃないです(オプションでは革ベージュ内装有り)。 あと重箱の隅をつつくようですが、カタログが縦開きでもの凄く読み辛い。しかもご丁寧にオプションカタログまで。こう言う対して考えもしない、他と差別化したかだけのポッと出のアイデアを安直に採用しちゃいかんと思うんですよ。デザイナーのエゴでしかない。縦開きが許されるのはメモ帳のサイズまででしょ? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2 |
ギャランフォルティス(07.9.3記)-試乗済み- |
三菱のセダンとしてはランサーセディア=現行ランサー以来、7年ぶりの発表となったギャランフォルティス。その間にSUVのエアトレックは一度モデルチェンジしてアウトランダーに。北米では別の形のギャランが販売されたのに、日本のギャランはディアマンテと共に生産打ち切りと、日本国内のセダン需要冷え込みの影響をモロに受けた形だったのですが、実はこの車自体も単純な新型ギャランでは無いと言う微妙な存在。 と言うのも、全世界でこの車の名前がギャランなのは日本のみの予定。だったら世界ではなんと呼ばれているのかと言うと、新型ランサーな訳です。つまり世界中で認知されているランサーエボリューションのベースモデルとなる訳ですが。なら国内で販売される時期ランエボが、ギャランエボリーションと呼ばれるのかと言うと、そう言う訳では無く、ランサーエボリューションはランサーエボリューションのままだそうです。 ならギャランとランサーが兄弟車になったのだと考えれば、理解出来そうなのですが、こちらも実は世界中では先代扱いになるランサーが、日本国内では現行モデルとして併売されるので、簡単には行かないと。色々と問題を含んだ新型車がこのギャランフォルティスと言う事になります。 新型ランサーとして開発が進んでいたものが、日本国内でギャラン名義となったのは、単純にサイズから来る印象として、このサイズはランサーと言うよりギャランだろうと言う判断が働いたらしいです。また、ランサー=ラリー=ランエボと言う図式が有る日本では、通常のランサーはどうせ売れないと言う考えも有ったようです。そんな訳で大のミツビシャーとしては、久方ぶりに出る三菱セダンにじっくりと接しようと考え、あえて発表週末は避けて、試乗込みで先週末に触れてきました。 全体の印象としては、発表されている写真の通りの印象です。写真と実車が大きくイメージが変わると言う事は有りません。前から見ると紛う事なき三菱顔、ギャラン顔で、デリカに続き、マークが無くてもしっかりと車種がわかる車だと思います。横に回ると若干現行アコード、後ろに回ると骨格的にボルボS40辺りに似ているかも知れません。個人的な感想としては、悪くは無いんだけど・・・と言う印象です。 ギャランがこの形で出ると言う事は、かなり前から色々な雑誌で発表されていました。その頃からこのデザインに危惧していた印象が、実車を見てもあまり拭えなかったと言うのが「悪くは無いんだけど・・・」と言う感想に繋がった訳です。ではその危惧していた印象と言うのは何かと言うと「これ、三菱好きな人しか買わないんじゃ?」と言う事なのです。この逆スラントしたギャラン顔と言うのは、先代ギャランにも用いられたモチーフで、その当時のおいらはこのデザインを大絶賛したはずなのです。でも、結局先代ギャランは失敗と言うほどでは有りませんが、そこそこの台数しか売れませんでした。なのに、またこのモチーフの繰り返しです。 いや、確かに7年間も三菱のセダンが出ていないのですから、潜在的ミツビシャーの数も結構な数になっているでしょう。先代ギャランだけで無く、ランサー、ディアマンテ辺りからの乗り換えを考えれば、そこそこの台数ははけるかもしれません。でもそこで止まりそうな気がするんです。「三菱を好きな人が買ったらそれで終わり。」アウトランダーが発表された時と同じになりそうな気がします。発表時はそこそこ売れたアウトランダーも、三菱好きが買った後はぱったりです。そんな不安をこのデザインからは感じてしまうのです。またサイドパネルが分厚くウィンドーキャビンが小さめに見えるデザインは、現行アコードでホンダが失敗したモノと被るのも不安を大きくする点です。 では内装の感じはどんなものでしょう?ううぅぅ。これまた微妙です。まず頭に入れておいて貰いたいのは、この車かなり安い車だと言う事です。2リッターの標準的装備を備えたモデルが180万円程度からと、かなりお買い得な価格設定になっていると思います。それを考えると価格相応か、若干頑張っているかなとは思うんですけれど、やっぱり他社の2リッタークラスと比べると多少質感が落ちる気がします。プラスチックの品質云々はまあどうでも良い事かもしれませんが、それ以外にもドアを閉めた時の音、イスを前後に調節する時のガターンと言う感じ、シートリフターが安そうなプラッチック一枚だったり(使用感は軽くて良いのですが)、リアシートがトランク側からは倒せなかったり、その倒したリアシートの下部でカーペットの端がプラプラしてたり・・・ちょっと車いじくり回しただけで、色々と気になる点が出てしまう訳ですよ。 最上級グレードのスーパーエクシードは10月発売予定でまだ現車確認出来ません。それがどれくらい頑張っているのか解りませんが、ランサーでなくギャランと言う名前を使ってしまったと言う事は、アコードやアテンザと同じクラスの車となる訳で、両車と比べて購入検討されると見劣りする事は確かだと思います。 試乗しての印象は、試乗コースが短い事も有りそれほど大した事は記せませんが、一番気になったのは「タイヤノイズがかなり室内に侵入してくる」と言う事ですね。上記した質感の低さと繋がるかもしれませんが、価格を低くする為に遮音材をケチってるのでしょうか?あるいはタイヤ自体が安めのタイヤなのでしょうか?エンジン音等は静かなのに勿体ない感じです。乗り心地は固めですが、18インチを履きこなしている事を考えるとしなやかと言うべきでしょうか?イスの出来はあまり良く無く、特にランバーサポートが出っ張り過ぎなのが気になりました。 結論としては、価格を考えれば見た目自体は全く安っぽさは感じさせないのでそこそこ良く出来ている車。ただ最後までランサーをギャランに仕立て上げた影響がそこかしこに見え隠れ。各社の2リッタークラスはもう少しちゃんとしています。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
ノア/ヴォクシー(07.8.17記) |
いやね、モデルチェンジしたのは知っていたんですよ。でもほら、おいら子供居ないんでどーしてもミニバンのモデルチェンジってテンション上がらないんですよね。見に行っても全身から買わないオーラ出てるだろうし、逆にそのオーラ感じ取れないバカセールスは「お子様何人ですか?」とか聞いてくるだろうし。だから基本スルーするつもりだったんですよ。このサイトで新車スルーは、あまりにも堕落した新車だったスバルのステラ以来かな?とか思ってたんですけど・・・お盆暇だったのでアムラックス行っちゃったら、置いてあったので一応更新する事にしました。 5ナンバーサイズ、真四角の箱をなんとかデザインしようとしても、結局いじれるのは顔とお尻しかない訳で。ホンダはステップワゴンをそれが嫌で無理した結果、初代で当てた道具感を全く失い失速してしまう事になり。日産はその道具感を受け継いだモノの、トヨタ対日産となったら健闘はするけど負けると言うのが伝統なので、結局5ナンバーフルサイズミニバンはノア/ヴォクシーの天下と言う状況みたいです。 で、いじれる顔とお尻でどう特徴を出したかと言うと、結構エグメにしてきました。ヴォクシーは元々エグメでしたけど、今回はノアもなかなか存在感が有ると言うか、圧迫感が強い感じ。総じて田舎の元ヤンキーが夢中になりそうな臭い所ついていると思います。トヨタのこう言うさじ加減は、スズキと共に本当に上手いと思いますね。洗練されすぎた解りにくいデザインにはせず、日本全国、いやどちらかと言うと地方のユーザーの心をぐっと掴む、絶妙なあざといデザインだと思います。 座ってみた感想はいつも通り。子供の奴隷として、いろんな所を運転手として連れ回されるのにも関わらず、相変わらず運転席周りの窮屈感が改善されていない感じ。筆者はどちらかと言うとやせ形ですが、身長は180弱あるので、こう言う5ナンバーミニバンの運転席の足回りが狭くてかないません。右側はドアが迫って来て、左側はよせば良いのにセンターコンソールがデカすぎて本当にくつろげません。どうして子供の奴隷として頑張っているお父さんに、こんなに優しく無い運転席を各社提供するのでしょう? センターコンソールなんか無理矢理作らなくても良いと思うし、そもそも運転席がドア側に寄り過ぎなんですよね。どうせ奥さんは後ろで子供の面倒見てるんですから、助手席なんて一部軽自動車のように、サイズ小さめにすれば良いんですよ。言うなれば長距離トラックの運転席の思想を取り入れて欲しい感じです。 質感はまぁ何と言うかやっぱりそれなりな感じ。上級グレードでは金属調パネル等をおごって誤摩化してますが、それ以外は変なシボのプラッチックがドア周り一番こすれるあたりに来てたりして、経年劣化が激しそうな感じです。結局安いトヨタはやっぱり安い仕上がりなんですけど、自動車評論家達が、その辺りを書かないんですよねぇ?トヨタ車は全部質感が高いと脊髄反応で書くの止めて欲しい所です。 つー感じで、結局駄目出しして終わりですよ(笑)。でも駄目出しする所が有るだけistよりましですけどね。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
ist(07.8.15記) |
うーーーん。そもそも初代モデルからして何であれほど売れてるのか理解出来ない車でした。ヴィッツの外し技として、ああ言う似非SUVルックなのは理解出来ましたし、上手い所ついてるなとは思いました。だけどもトヨタ的にはヴィッツの高級版=小さな高級車的存在として出してるみたいで、世間的にもそれが受け入れられている感じでした。 つーかあれ高級でしたかね?どう見ても安っぽいプラスチックの集合体にしか見えませんでしたよね?小さな高級車だったら、見た目よっぽどベリーサの方が高級に見えましたけど??そんな訳で初代ist。個人的には全く解らない車でした。そして出て来た2代目ist・・・。倍解りません(苦笑)。 んで、これみんな欲しいですか?アメリカサイオンブランドに引っ張られて、かなりのサイズアップで、もはやカテゴリー的にもよく解らなくなって来た感じです。トヨタのハッチバックって棲み分け出来てるんですかねぇ?同じくサイオンブランドに引っ張られたbBとも似て来てますし。さすがにこの何だかよく解らない車を、今度も買おうと思っている人は少ないんじゃないでしょうか? 結局この車も、他の国産新車達と同じく「欧米で売るのが基本なので日本はおまけ」な車に見えてしまいます。一応顔は日本専用にして、他社に比べれば気を使っていますが、サイズや全体のフォルムは基本欧米向けな訳です。最近の国産新型車は、グローバルカーは欧米に引っ張られ過ぎで日本向けとは言い難く、対して国内専用車は先代のビッグマイナーのようなフルチェンジでお茶を濁しています。これでは渾身の力を込めて開発された軽自動車にユーザーが走る気持ちも解る気がします。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)2 |
デミオ(07.7.19記) |
過去2代はハイトワゴン的イメージを持ったハッチバックとして、それなりの台数を残してきたデミオが、大きくイメージを変えてスタイリッシュハッチバックとしてモデルチェンジしました。 外装デザインはパッと見、ヴィッツ的でも有りプジョー的でも有り、どこかで見たようなデザインですが、素直にキレイで格好良いと思わせる出来だと思います。バブル期の車種拡大で大失敗した頃、逆にマツダのデザインは頂点を極めましたが、そのDNAは確実に受け継がれていてホンダ辺りのデザインとはレベルが違うのを感じさせます。 ただいつもの流れなら「こう言うキレイすぎるデザインはインパクトに欠けるので、中堅メーカーのマツダが出すべきでは無い」とか書いていくのですが、現在のマツダの好景気の理由を考えるとそう言う論調に持っていけないのも事実。日本国内の印象ではマツダ車がそんなに売れているとは思えず、アクセラもアテンザもそんなに頻繁に見かける車種では有りません。 でもこと世界に目を移すと、マツダ車多いに売れているわけですね。アクセラ、アテンザで日本国内を見限ったサイズ拡大、デザインに打って出たのが成功している訳です。だったら当然デミオも世界を見据えたサイズ、デザインになるわけで。サイズ的には拡大傾向に有るこのクラスの中であえてダウンサイジング、デザインは欧州で映えるような美しいデザインとしたわけです。 サイズを小さくしてハイトワゴンをやめたのは、多分この後にデミオベースの少し大きめな車が出るのだと思います(ベリーサ後継?)。元々3ナンバーボディのアクセラとは間が空き過ぎな印象が有りましたから、的確な判断だと言えるでしょう。デザインに関しては顔の印象が少し弱いと言う気はします。欧州のライバル達はみなバカデカイマークと押し出しで迫ってきますが、マツダマークのサイズも含めてちょっと奥ゆかしい印象を、欧州人がオリエンタルなイメージで捉えたりするのでしょうか? 内装質感はそこそこ。マツダにしては頑張ってるけれど平均点レベル。ただ先代デミオにあった、室内の暖かみは全く感じられなくなって残念。キャンバストップも含めて先代デミオの良さは「暖かみ」に有ったと思うので、黒内装、白内装、どちらもクールなイメージなのは疑問です。ただこれもベリーサ後継車との棲み分けかも知れないので、しばらく様子見という感じです。 総じてかなり「格好良い」車なので気に入った人はどうぞ。ボディカラーもキレイで沢山ありますし。上記したようにマツダとしては世界で売れれば良い訳ですから、日本国内は大ヒットまではしなくても良いと考えていそうです。同じキレイ系デザインでも、必死なインプレッサと余裕の有るデミオ。会社の置かれている立場で見え方も変わって見えるものです。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |