過去の新車チェックのポイントはあくまでも発売当時のポイントなので、今現在の国産車デザイン通信簿のポイントとは一致しません。
1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。
インプレッサ(07.6.22記) |
実はスバルのこの欄の更新はR1発表時の05年1月以来である。その時は、スバルは「特別」な車を売るメーカーになりたがっているし、ならなければ行けないだろうと言う風にまとめている。それから2年半。「特別」になる事をスバルは失敗したと言えるだろう。当時スバルの主力車種レガシィは「特別」な車として成功していた。その指名買いされるような「特別感」を他の車種にも広げることが、スバルというさほど大きくないメーカーが生き残る方法だと思っていたのだが、軽の「特別」であるR1、R2の販売上の失敗、インプレッサの度重なるフロントデザイン変更の迷走と「特別感」を売りにする戦略は上手く行かず、結果スバルはプレオを併売したまま、R2ベースのただのハイトワゴン「ステラ」を販売すると言う苦肉の策を打つ事となった。 そんなやっつけ仕事のステラの存在を認めたく無く、このHPとしては珍しく存在そのものをスルーし、この欄の更新は2年半も空いてしまったというわけだ。2年半の間スバルは「特別」さをユーザーに上手く伝える事が出来なかった。その混迷の筆頭がインプレッサである。初代モデルはWRCでの大活躍に引っ張られ、高いモデルばかり売れると言う「特別」な車であったのだが、2代目はWRCでの成績低迷に合わせるかのように販売も低迷。ハイパフォーマンスモデルを「特別」と考えるユーザーが、スポーツカーユーザーが減少したのと同じように減少してしまい、インプレッサの「特別感」とはなんぞや?となったのが低迷の要因だと思う。 そんな事はスバルも気づいていて、マイナーチェンジや特別仕様車で、なんとか1.5Lのベース車の拡販を狙ったのだが、そこはさほど体力のあるメーカーでは無い悲しさ、宣伝費諸々掛けられるお金もたかが知れてるので、結局一般にはインプレッサと言うと未だに「300万円ぐらいする乗り心地の悪いラリーカーベースのセダン」と言う認識になってしまうのだろう。なので3代目インプレッサは、当面WRCのイメージが色濃く残るセダンモデル、STiモデルを封印し、5ドアモデルのみの販売となり、別の意味での「特別感」を生み出そうともがいているように見える。 果たしてインプレッサの新しい「特別」とは何なのだろう?少なくとも外観デザインは、R1、R2の大ゴケが相当こたえているようで、どこかで見たような当たり障りのないキレイなデザインで正直物足りない。横から見ればBMW風、後ろから見ればハリアー風。唯一フロントはスバルの新しい顔らしいが、この顔がなんとも特徴の無いつるっとした顔で、「特別感」はあまり感じられない。全体的に本当にキレイにまとまっているのだが、このデザインが一般ユーザーの心に刺さるだろうか?「インプレッサを買おう」と思ってくれるだろうか?筆者はR1をべた褒めした人間なので、一般ユーザーの感覚と一致しているとは思えないが、それでも不安になる程キレイ過ぎるデザインだと思う。 内装に関してはスバルなりにかなり頑張ったと思う。大きくはばたく羽のようなメッキ調パネルの使い方は、スバルらしさを外観よりは上手く表現できていると思うし、ベージュと言うよりオフホワイトの内装色の採用はかなり大胆な印象で、1.5Lグレードを全く安っぽく見せない、実にショールーム映えする内装だと思う。ただこの色は、=汚れが目立つ色でもあるわけで、特にリアはドア内張も含めて全てが白一色。マイチェン時にこの内装色が消滅するかどうかが、ユーザーからの苦情の数のバロメーターと言えそうだ。 結局インプレッサの新しい「特別感」はなんとも良く解らなかった。少なくとも旧モデルより1.5Lのベースモデルが売れそうだなと言う気はしたが、このままでは2.0ターボのハイパフォーマンスモデルを欲しがる少ない層からの反発もあるだろう。そう言う声にスバルが引っ張られすぎずに、キチンとバランスを取れるか?それが3代目インプレッサ成功へのカギだと思う。ただWRCに引っ張られすぎているイメージを懸念するのなら、いっその事三菱のように通常モデルは別の名前で出すと言う手も有ったのではないだろうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(嫌)。 |
プレミオ/アリオン(07.6.12記) |
そもそもプレミオとアリオンは、コロナとカリーナのユーザーが高年齢化しているのを危惧し、若返りを図るために名前を変え出てきた訳ですが、今回モデルチェンジしたプレミオとアリオンを見ると、結局元のコロナ/カリーナユーザーを相手にする事にしたのかなと思わされます。 それが如実に感じられるのがプレミオのスタイリングです。先代モデルより、より立派に大きく見えるデザイン。バカデカいグリルと合わせて、どう考えても若返りを考えているデザインだとは思えません。見た目だけでなくサイズももはや80年代頃のクラウンと同じような大きさな訳で。若かりし頃トヨタ車最終到達点のクラウンに憧れていた団塊の世代に、今の大きく高くなりすぎたクラウンの代わりにどうぞと言う事なのでしょうか? カローラですら車名廃止を検討するトヨタですから、プレミオ/アリオンもこのままユーザーの高年齢化と共に消えていくブランドだったとしても不思議ではありません(だったらコロナ/カリーナで消えていった方が美しかったですが)。またこのプレミオ/アリオンというクラスが、何とも途半端なクラスで有るというのも、それに拍車をかける要因ではないでしょうか? 実際問題5ナンバーいっぱいサイズの扱いやすいセダンというモノは、カローラで事足りている訳です。もしこのクラス、このサイズにプレミオ/アリオンを残しておくとしたら、やはりプログレで失敗した5ナンバーサイズの小さな高級車路線しかあり得ません。FFベースの広大な室内空間に、趣味の良いインテリア、エクステリア。これこそがカローラとの棲み分けにも繋がる、プログレ/アリオンの正解だと思います(思い切ってアリオンは、コンパクトスポーティーセダンと言う古臭い手も有るかもしれませんが)。でもこれってよく考えると、日産のブルーバードシルフィなんですよね。 シルフィは昨今不振が伝えられる日産車の中では、堅実に台数を稼いでいる車ですから、トヨタがそれを快く思っているわけありません。当然新型プレミオ/アリオンでは、露骨なシルフィ潰しをやってくると思っていましたが、残念ながら出て来た車は今までのトヨタ的価値観の、お手頃お得車でしか有りませんでした。 シルフィはラウンドした後部座席、ハンドバッグを置ける大きなコンソール、巧みな間接照明など、そのインテリアデザインで世の奥様方を魅了する車です。それを本気でトヨタが潰しに来たらと期待していたのですが、結局いつもの四角いイス、いつもの退屈な色合い、唯一気合いを入れたと思われる木目調パネルは、表面に敢えてつけたと思われるスクラッチというかモールドが、何とも安っぽく子供の学習机のような出来映えになってしまっています。 確かにリクライニングしたり、フラットになり荷室につながる後席というのは独自性が有りますけれど、果たして年間どれぐらい使うのか?と。それよりはラウンドしてその厚みに説得力のあるシルフィの方が遙かに「良いもの感」が感じられるのではないでしょうか?思うに、こういうせせこましい「使える感」は、団塊の世代の息子たちなら喜ぶが、団塊の世代自体はそんなに歓迎しないのではと思います。 全体的に見てプレミオ/アリオンはガッカリな出来な車です。これならカローラの方がと言うのがこのHPの常套句でしたが、残念ながら現行カローラもあまり良くない車なわけで。先代プレミオ/アリオン乗り潰すか、いっその事人生最後に趣旨替えして日産車、ブルーバードシルフィ買ってみると言うのはどうでしょうか? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
デュアリス(07.5.27記) |
切るモノ切っちゃった上に、一昨年新型車もまとめて出して、その上その新型車の売れ行きがどれも芳しく無い。昨今の日産低迷の図式は簡単に言うとそんな感じだと思います。だったら売れる新型車が有れば良いと言う訳で、今年に入って初めての新型車投入がこのデュアリスになります。カテゴリー的にはハッチバックとSUVのクロスオーバーと言う感じ、イメージ的には小ムラーノと言うところでしょう。 外観の印象はサイドやリアを中心にムラーノのアグレッシブな、アンチハリアーとしてスマッシュヒットを飛ばしたデザインを旨く頂いています。ハリアーやムラーノはそのバカデカいサイズにも高級車としての意味合いが有った訳ですが、やはり常識的に考えれば日本国内で使うにはやや大きすぎます。そう言う意味では、このデュアリスのサイズはなかなか適切なサイズ。それで居て箱々したデザインでは無く、サイズ以上の高級感を感じさせる優れたデザインだと思います。 元々このサイズにはRAV4やCR-Vが居た訳ですが、販売の主力となる欧米に引っ張られてかなり大きな車になってしまいました。対して現在のライバルとなる車は、エアトレックもクロスロードも身内のエクストレイルも、どちらかと言うと道具感を前面に出したデザイン。そう言う意味でもこのサイズでこの抑揚の有る高級感を感じさせるデザインは正解だと思います。 ただ残念なのがイギリスからの輸入車なので、コスト軽減の為か外装色が5色しか選べないと言う点。しかもそのうち2色が銀系。何とも面白みに欠ける配色です。せっかくの良いデザインなのに、それに映える色が少ないのは勿体なく感じます。 外観デザインは高級感が有り好印象でしたが、内装デザインは価格帯なりの仕上がりと言う感じでしょうか?上記理由でコストの面を考えてあまり仕様は増やせなかったのでしょうが、やはり黒グレー一色の内装色は安っぽさを感じさせます。またプラスチックパネルにはキチンとラバーが貼ってあるのですが、このシボのデザインがあまり良く無く、ラバーを貼っていないプラッチックむき出しのシボのように感じさせてしまうのは残念な所です。 同じく安っぽさを感じさせてしまうのがエアコン吹き出し口です。こちらは外周のメッキ部分を中心にグルグル回って吹き出し口の方向を変える事が出来るのですが、その塗装によるメッキ表現に加えて、節度感無くグルグル回る感じが、なんともチャチさを感じさせます。本メッキにするのは無理にしても、もう少しクリック感が有ると良いと思います。 クラス最大級を唄うガラスルーフは、やはりと言うか基本的には前席には恩恵無し。ボディ剛性の問題も有るのでしょうが、前席の視界に入る部分からの開口に出来ないものでしょうか?運転席に座って驚かされるのは、サイドミラーの大きさ。確かに視界が広がるのは良い事ですが、このサイズだと狭い道で対向車とすれ違う時に神経を使いそうです。 当HPは基本的に「前方視界を著しく妨げる車」を推奨しません。だから基本的にはこのデュアリスも「無し」な訳ですが、それでもこの手の車の中では好印象な仕上がりだと思います。また、現状イスも足回りも欧州仕様そのままだと言う話ですから、マイチェンでカヤバ辺りの安いダンパーに交換される前の初期型、行っとくべきかもしれませんね(笑)。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |
クロスロード(07.3.11記) |
さてミニバン屋ホンダ、手を替え品を替えての今度の新型ミニバンの名前はクロスロード。そう、どこかで聞いた事の有る名前ですが、初代は昔0EM車としてローバーから供給されていたランドローバーディスカバリー。なんて言う多くの自動車サイトで展開されているだろう陳腐なうんちくリードでスタートです。 いわゆるスクープ雑誌にすっぱ抜かれている時から、このデザインはなかなか良いのでは?と思ってましたが、実物の印象も最初の好印象のまま。サイズ的にも思った程大きく無いし何よりやはり「ホンダは箱を作らせたら上手い」この一言につきます。簡単に言ってしまえばハマーのホンダ流解釈なんですけど、あちらがH3でもまだ結構大きいのに対して、こちらは日本で使うのにはばっちりなサイズ。特にハマーとの差別化の為に行ったのか、後席窓と荷室窓を一つの窓に見えるように処理したのがなかなか。キャビンが薄く見えるのに貢献しています。 ただ残念なのが色・・・なんだこのつまらない配色は。街中走ってるハマーの何が格好良いってやっぱり色が良いわけで。黄色や赤の原色も実に目立って格好良いし、素直に国防色ってのも渋くて良い感じ。なのにクロスロードはどいつもこいつもつまらない色で・・・HR-VやCR-Vには必ず挑戦的な鮮やかな色が有ったのに、今回はそれに懲りたのかなんとも縮こまった色ばかりで悲しくなります。さらに違うと思うのが、白がパールホワイトと言う点。この場合の白はどう考えてもソリッドの白であるべきだと思うんですが?ちなみに1.8Lはオーバーフェンダーやバンパー周りが黒い樹脂色になるので、どちらかと言うとこちらの方が駄目な色なりにメリハリ付いて良いかと。 んで分類上本当は、ミニバンなのかワゴンなのかSUVなのかよくわからず、結局クロスオーバー車と言う事なんでしょうけど、冒頭で述べたようにこの車は「ミニバンのホンダ」の新型車なので、当然3列目のシートが有ります。ストリームのシャーシを詰めて作っているので、その3列目の実用性に関しては、想像通りでしかないのですが、最近は自動車評論家も諦めたのか、これを非実用的と叩いている人は見かけませんね。おおむねメーカー側が昔から使って来た常套句「いざと言う時に5人より7人乗りの方が便利ですから」を素直に肯定している感じ。 インパネ内装質感は、ホンダの駄目な方の奴。例のごとく黒内装だとプラスチック感丸出しで悲しいです。つーか最近のホンダ内装は、大体この駄目な方のレベルに合わされているんですけど、トヨタに追いつくのは諦めたのでしょうか?個人的に箱のホンダ車には好感を持っているので売れて欲しいですが、返す返すも色がね・・・自分で買うなら一番下の鉄チンホイールの奴かなぁ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) |
デリカD:5(07.2.17記) |
例の騒動以降ありとあらゆるビッグネームが消滅した三菱において、本格四駆ミニバンと言う特異なポジションのおかげでなんとか生き残ったデリカ。正直生き残ったのか放置されていたのか微妙な感じだが、とりあえずミツビシャーとしては「ニューモデル」が出る。それだけで十分嬉しいわけです。 外観デザインはなかなかよく出来てると思います。この車のエンブレムを隠して人に見せた場合、これをセレナだとかアルファードだとか言う人はまず居ないでしょう。その人がデリカを知っていれば確実にデリカだと言い当てられる、ブランドイメージ(13年放ったらかしですが)をキチンと表現出来ているデザインだと思います。 ただねえ・・・東京モーターショーに出品されたコンセプトD:5はもっと格好良かったんですよねぇ。いや確かにあれをより現実的なラインでまとめるとこうなるってのは解るんですよ。解るんだけどあれが出た時に三菱の偉いさんが「もう、ほぼこのままで出ます」そう言ってたんですよ。そんな事言われたらやっぱり期待するでしょう?普通。実は三菱の「ほぼこのまま出ます」に騙されたのは今回が初めてなわけじゃないんですけどね。グランディスが出る時もスペースランナーの横で「ほぼこのままの形で出ます」、コルトも「CZ2そのままで出ます」。そんな中本当にほぼそのまま出たのは(と言うかコンセプトモデルより遥かに格好良くなっていた)、iのみと言うていたらく。 コルトもグランディスもそれなりにまとまった良いデザインでは有ると思いますが、やはりコンセプトモデルの斬新さにはかないません。コンセプトモデルを上回るデザインだったiが売れ、そうでなかったコルトとグランデイスは正直それほどでも無いと言う現状を考えると、新車効果の終わった後のデリカもちょっと心配になります。せめてフェンダーからAピラーまでのボンネットを意識させないラインや、リア下部の小股の切れ上がった、デパーチャーアングル上も有利になりそうな、本格四駆ミニバンらしいデザインは残しておいて欲しかったんだよ な・・・ 内装デザインはあばら骨に包まれているような骨格を感じるデザイン。これはコンセプトD:5の時から用いられていたモノで、これは日和らずに無事採用されて嬉しい感じ。インパネの質感はまだまだ。最近の三菱クォリティ。ただ四角くて道具感は出てるので、そんなにみすぼらしくは無いかも。 また今回からベース車がパジェロではなく、アウトランダーに変更されたわけで、これが先代デリカの非常識なまでの腰高プロポーションからの脱却にも貢献。つーかこのプラットフォームは、今後次期ランサー、ギャラン(噂)にも使われ、シトロエンやプジョーにも回されたわけですから、孝行息子では有るものの、実質一人っ子と言う頼りなさ(笑)。早くiのプラットフォームを色々に使えるようになって欲しいです。 つーわけで結局評価はいつものこんな所↓。はじけてないっすねぇ。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
CX-7(07.1.16記) |
事実上マツダのフラッグシップモデルになるのが、このクロスオーバーSUVのCX-7。つくづく時代が変わった気がします・・・北米では既に販売されて居てなかなかの成績を残しているようですが、果たしてこの車がマツダのフラッグシップとして日本で認められるのでしょうか? 販売店でその姿を見た印象は「素直に格好良い」と言う、いつもの、このページとしては若干問題のある感想(笑)。中に乗ってみた感想も「ちゃんと高級に見える」と言う感じです。インパネ品質に関しては、マイチェンしたベリーサ辺りからマツダは何かを掴んだ感じで、特にピアノブラックのパネルの使い方が上手いと思います。木目調やアルミ調パネルは、多くの日本人がトヨタ品質のモノを見せつけられているので目が肥えていますが、この素材に関してはまだまだ未開拓なので、マツダのかけられるコストの範囲内でも充分勝負出来ている感じがします。 さて、最初にあげた「素直に格好良い」との感想ですが、なんつーかトヨタがこれ出してたら問題無いわけですよ。ハリアーとして。でも今マツダが、ハリアー、ムラーノの後に出して来るには、インパクトが足りないんじゃ無いのか?と思うわけです。確かに、大きく寝たフロントウィンドーや、張り出したフェンダーはRX-8辺りとも共通するマツダ車のイメージを上手く取り入れています。でもやはりデザインが綺麗すぎる感じがするんです。 マツダの販売店の体力を考えたら、ハリアーと同じような売り方をするのは無理なわけです。だったらやはり「指名買い」されるような、特色の有るデザインで有るべきだと思うんです。そう言う意味ではムラーノのデザインはよく出来ていると思います。決してハリアー程は売れないけれど、確実にハリアー以外を欲しがる人の心には刺さるデザインになってますから。対してCX-7のデザインは、誰にも嫌われず、そこそこの台数が走っても飽きられないデザインだと思うんです。これじゃ駄目なんですよね・・・ 今の時代、フラッグシップがセダンで有ると言う常識は通用しなくなりました。ミニバンやクロスオーバーがフラッグシップのメーカーが有っても良いとは思います。ですがフラッグシップモデルは、やはりその会社を1台で表現できる車で有るべきだと思うわけです。それを考えると企画的にも後追いのこの車が、こんな程度のデザインで「マツダのスポーツ心」を表現したと言われても、なかなか認められるモノでは無いなと言うのが素直な感想です。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |
ブレイド(07.1.8記) |
2月ほど前の兄弟車オーリスの試座記はそこそこ良い事書いてあったと思います。ですがブレイド全く駄目ですね。いりません。大体「ショートプレミアム」と言っておきながら大衆車のオーリスとほとんど同じ車ってのが理解不能です。90年代前半までのトヨタなら良くやっていた手口ですが、まさか世界一のメーカーになろうと言う現在にこんな小手先だけの車を出してくるとは?と言う感じです。 いや、ショートプレミアムというコンセプト自体は有りだと思うんですよ。また完全新規開発しろなんて事も言いません。ただ、大衆車オーリスとプラットフォームだけならまだしも、ボディ骨格、ドア4枚天井、内装デザインまで共通と言うのはいくら何でも無茶でしょう。エンジン排気量が違う、リアサスペンションが違うなど、目に見えないところでの差別化はキチンとされているようですが(そう言う意味では現在のトヨタらしいとも言えますが)、一体どれほどの人が試乗をして、その差を体感できると言えるのでしょう? ただ、あの手この手で5ドアハッチバックを諦めないトヨタは素晴らしいと思います。筆者はOpaが出た時にもその姿勢を評価しました。Opaは現在の日本でゴルフに唯一対抗できる車(当時)だと記したかと思います。今回トヨタはOpaに無くてゴルフには有る一番の差であった「プレミアム」をブレイドに持ち込んだ訳です。確かにその考えは充分に的を射ています。ですが、兄弟車としてどうして大衆車のオーリス。返す返すも残念な話です。 トヨタにすれば、ゴルフだってベーシックグレードは大衆車で、最上級グレードとは価格的にも大きな開きが有ると言いたいのかも知れません。ですが、それはゴルフが長年掛けて築いたモノなのです。昨日今日出た新車にそんなイメージを持たせるなんて無理があります。また「プレミアム」を唄うのだったら、いっその事レクサスブランドで出すべきだったのではないでしょうか?それぐらいやって初めて「ショートプレミアム」が理解されるのでは無いでしょうか? 上記したように、エンジンとリアサス以外の見える部分のオーリスとブレイドの差は、全て小手先の差でしか有りません。インパネにスエード調表皮を貼り付けたり、天井にイルミネーションをつけたり。リアサスまで替える気があるのなら、どうしてそれを目に見える形で表さないのか?心底「ショートプレミアム」を作ろう、育てようと思っているのなら、デザインは全く別のモノにするべきですし、間違っても安いバージョンの車から発表するべきでは無いでしょう? 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(嫌) |
ミラ(07.1.6記) |
ベース車のムーヴに続き(本来逆だったのだけれど)、ダイハツのもう一つの主力モデルミラがモデルチェンジを果たしました。ムーヴの項にも書きましたが、ダイハツはトヨタ系だからかとにかくモデルチェンジがきっちりとしている印象。今回もしっかりと4年でのモデルチェンジで、昨今の国産車としてはどちらかと言うと早いペース。それもこれも軽自動車ブームでしっかりと売れているからこそ。 各自動車評論家の話によると、とにかく車としての仕上がりが良いとの事。軽自動車として良いのでは無く、自動車としてしっかりと出来ているとの話し。ただうちはセールスから誘われない限りは試乗しない「試座通信簿」なので、その良さは体感出来て無いのですが。ざっといじり回して思った事は2点。後席ガバガバ。質感そこそこ。 後席の広さはムーヴのプラットフォームを利用してるのだから当然ですが、バカみたいに広いです。ただやはり「広いだけ」なのが課題かと。イスが平板なのも有ってとにかく落ち着きません。後席でもシートベルトをするのは当然なのですが、シートベルトをしたとしても、何かが有ったら体がどっかに飛ばされそうなぐらい不安な広さです。軽自動車としては幅方向も広いのですが、横を向くと薄っぺらい板一枚で外と言うのも、不安感を増長する要因かも。居心地の良さというモノは、単純に広さだけで生まれるものではないと言う事にそろそろ気づくべきかも。 その広い後席ですが、イスが固定されてしまうグレードが結構あります。となると最大寸法が決まっている軽自動車ですから当然、後席が広い=荷室が狭いと言う事になってしまうわけです。この荷室の狭さは今時の軽としては致命的に狭く感じます。後席の広さでハッタリかまして売ろうという算段なのでしょうが、あまりにも荷室を犠牲にしすぎなんじゃないでしょうか? 質感に関しては、新型軽自動車が出た時の各自動車評論家の常套句「普通自動車と比べても質感が高い」と言うのが連呼されてましたが、正直それ程でもない感じ。つーかいい加減、判断基準を「チリ」のみに置くのはやめたらどうだろうか?トヨタとVWの洗脳が大きいのだろうけど、別にチリが大きくても質感の高いモノはいくらでもあるし、いくらチリが狭くてもセンス無いモノは質感高く見えない筈である。 ミラは上級グレードと通常グレードでご丁寧にインパネを作り分けているが、その上級グレードに用いられているピアノ調パネルの出来が実に残念な出来。これだけ見ても、簡単に「質感が高い」とは言えないと思うのだけど、世の自動車評論家はどこを見てるのだと思う。一言で言うと塗装塗りっぱなしの荒さ。特に上部コーナーとかを見るとよく解るのだけど、ピアノ調仕上げのキモの艶やかな感じはまるで無く、柚子肌のカープラモ作り始めて半年程度の拙い出来。こんな程度の仕上げにしか出来ないのなら、背伸びしてこんなパーツを採用しなければ良いわけで。最低マツダのベリーサ程度のピアノ調パネルを持って来いと。 今回からミラにも登場したカスタム系は、それなりの迫力、別クルマ感は出ていると思う。特にグリルの質感はなかなか。ただソニカと同じく、やはり鼻先が詰まった感じが惜しい。通常のミラにはこの詰まった感じは無いんだけど。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3 |