1-貰っても乗らない。2-格好悪いです。3-普通。4-知り合いが乗ってたら嬉しい。5-今すぐ欲しい。好-好きなデザイン 嫌-嫌いなデザイン(それぞれ同ポイント内での好き嫌い。3の(好)は当然4よりは劣る)。
新車チェック |
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ティアナ(2014年2月発表)(15.7.10記)-試乗済み- | |
※試乗時が雨天でしたので、音振関係に関する評価はさっぴいて考えてください。 かってはこのアッパーミドルクラスが、世のお父さん達の上がりの車で、カローラやサニーで始まったカーライフをマーク2やスカイライン/ローレルで終えると言うパターンが多かったわけです。未だに81マーク2あたりが多く走っているのも、そうやって上がりだったお父さん達が長生きしている証明ですから、健康で羨ましい限りです。ところが現在の日本ではセダンは絶滅危惧種。猫も杓子もハイト軽やミニバンばかりです。挙げ句は若い頃あれほどセダンに親しんだお父さん達も、いつ来るかわかりもしない孫のために、上がりの車にミニバンを買う失態です(笑)。 とはいえ、世界的にはこのクラスのセダンはまだまだ花形。日本市場専用では開発できないけど、グローバルセダンとして開発したモノを、おこぼれで日本に展開することは出来るわけで、3代目ティアナもそんな残念な成り立ちの車です。月間販売台数の予想も少なく、メーカーにもまるで売る気は有りませんから、そもそも展示車がほとんどありません。それでもわざわざ県庁所在地の本店ディーラーまで行ってみると、たった1台の展示車は試乗車も兼ねていましたので、勧められるままに乗せてもらうことにしました。 乗る前は海外市場のお仕着せで、およそ日本人の好みには合致しないだろうと思っていたのですが、いやこれがバカに出来ない仕上がりなんですよ。何よりまずアッパーミドルクラスに相応しい乗り心地。日産車と言えば、高級車といえどもフーガ、スカイラインを筆頭に、どちらかというと足回りからの情報が 真正直に伝わってくるのが特徴でした。初代ティアナもその例に漏れることなく、モダンリビングなデザインとは若干ちぐはぐな乗り味に感じたものです。 ところがこの3代目ティアナは高級車と言っても全く問題ない上品な乗り味に仕上がっています。しかもいきなりトヨタ車のような乗り味に趣旨変えし たわけでなく、あくまでも今までの日産車の延長線上で進化した柔らかな乗り味で、この乗り心地だけでもティアナという車に存在感が生まれていると思いま す。 サイズはFF高級車として、望むか望まないかは別として大きく威張りの聞くモノ。その上にこの高級感あふれる乗り心地。にも関わらずベースグレー ドの価格は250万円からというのにも驚きです。昨今はホンダを筆頭に最高級グレードとベースグレードに大きな差別化をはかる車が多いですが、ティアナはベースグレードでも、内外装仕様に格落ち感はほとんどありません。 ハンドルがウレタンになり、本革/パワーシートが選べないこと程度、オーディオは元々レス仕様ですので、ディーラーお仕着せではなく量販店で好みのモノを入れればOKです。少なくとも見た目の印象にはベースグレードでも最上級グレードでも差はありません。町内会のゴルフコンペにじいさん仲間と連れだっても、フランス車風の快適なシートもあり「良い車買ったなぁ。高いんだろ?」と言われるでしょう(笑)。 エンジンは今回から2.5L4気筒1本に絞られましたが、その静粛性は4気筒にしてはなかなかのモノで、回さず粛々と走っているだけでは4気筒と 気づかない人もいるかも知れません。それでいて4気筒ならではの出足の良さは有るので、ボディサイズはともかく街中で運転しやすい車になっています。 と、車の出来自体に関しては、海外市場のお仕着せが良い方向に向いていましたが、内装を中心にティアナとしては不満な点も当然有ります。まず外板色と内装色の組み合わせが限定されること。それ自体はどのメーカーでもよく有ることなのですが、不思議なのは、濃い色に合いそうなベージュ内装の組み合わせが、紺はともかく白と銀で有ると言うこと。黒やワインレッドこそベージュ内装が映えると思うのですが。 乗り心地には充分高級感がありますが、内装質感自体はそれなりの仕上がりで、目の肥えた人が見ると物足りないレベルだと思います。250万円のベースグレードでしたらこれでも十分だと思いますが、320万円の最上級グレード(ナビつけて350万オーバー)ですと厳しいかも知れません。価格帯が全く違うので仕方有りませんが、ショールームでスカイラインと隣り合って並んでいると、スカイラインの本物感に対して、メッキもパネルもすべてイミテーショ ンに過ぎないと痛感させられます。 何よりティアナと言えば初代の「モダンリビング」の印象が強く、質感としては追いついてない部分はあったにしても、そのデザイン性は大きな魅力だったはずです。ところが前記したように3代目はティアナとして一から開発されたわけではなく、北米日産のアルティマとほぼ同じ車です。後付けで助手席オットマンだけは準備されていますが、内装デザインはどこかで見たことのあるありふれたものに過ぎません。 またお勧めできる点としてベースグレード250万円を持てはやしてきましたが、決定的な欠点として、このご時世にベースグレードでは自動ブレーキが設定出来ません。またティアナ全体としてもアイドリングストップやエコモードが無く、同クラスのカムリがハイブリッド、アテンザがディーゼルと、低燃費車なのに対して、旧来のアッパーミドルカーに過ぎないのも物足りない点です。 前記したとおりに4気筒エンジンの出来は悪くないのですが、今まではV6がメインでしたので、乗り換えを考えているユーザーにとっては格落ち感を感じさせるかも知れません。北米には3.5LV6の設定が有るのですが、縮小傾向の日本でのセダン需要では未導入も仕方ないことかもしれません。 と、グローバルモデルで有ることによる良い点悪い点を記してきましたが、少し違った視点でこのティアナをまとめます。バブル前後辺りから、日本人はそれまで憧れの対象であったアメ車を時代遅れのモノとして見るようになりました。新しい憧れの対象は欧州車。技術が上がり車の評価を性能やスペックで語るようになった時、アウトバーン速度無制限に応えられる性能の、欧州車に追いつけ追い越せが日本車の目標となりました。 その結果、日本の道路事情で考えると過剰な性能を持つ車が増え、日本国内で果たして本当に快適なのか?と思うような高速仕様ガチガチな乗り味の車ばかりになってしまいました。ところがそんな時代に意外なほど日本に適した日本車がありました。トヨタのカムリやアバロンです(厳密に言うとアメリカ生産 の輸入車なのですけど)。 アメリカ人がそこそこ快適に過ごせるガバガバなサイズ。速度制限も厳しくて100キロ前後が一番快適な乗り心地。そして下駄のように使える気安さ。性能スペックとは違う、感性に働きかける心地よさが、北米生産のカムリにはあったのです。 北米では今でもそんなガバガバな下駄車を作り続け、ベストセラーカーとして売りまくっているのですが、日本ではこのサイズは高級車のサイズ。となると下駄車の質感では、日本人に受け入れられません。モデルチェンジ毎に散々粘ったトヨタも遂にはカムリをハイブリット専用車とせざるを得ず、結果300万から400万円の高価格車になってしまいました。 そうしてガバガバで快適な下駄車は日本から無くなってしまっていたのですが、このティアナ。日産が目指した方向とは全く違うのでしょうけど、見事にガバガバで快適な日本車カテゴリーを復活させています(笑)。そう言う意味で最初から記しているように推奨グレードはベースクレード一択。250万円で快適な乗り心地、それでいてサイズなりの最低限の高級感も有り、実に旧来の価値観での良い車です。 安全装備は物足りないしエコ濃度も低め。でも車本来の出来としては快適至極。なんでこんな車出したんだ?ティアナ、日産終わった。そう思っていましたが、乗ってみると本当真っ当良い車です。日産自体売る気がないので、なかなか試乗するチャンスもないでしょうけど、本当一度乗ってみてください。日産の、日本車の実力底力を感じます。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) | |
キューブ/ジューク/マーチ/ノート/ラティオ |
マーチ-3(嫌) ラティオ-2(好) その他-3(好) |
ウィングロード/AD |
3 |
NV200バネット |
3 |
リーフ |
4 |
ラフェスタ/セレナ/エクストレイル/シルフィ |
セレナ/ラフェスタ/シルフィ-3 エクストレイル-2 |
ティアナ/ムラーノ/エルグランド |
ティアナ-3(好) ムラーノ-3 エルグランド-3(嫌) |
スカイライン/クーペ/クロスオーバー/フェアレディZ/フーガ |
スカイライン/クロスオーバー-3(好) その他-3 |
GT-R |
4 |
キャラバン/コーチ |
3 |
新車チェック |
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S660 (2015年4月発表)(16.11.6記)-試乗済み- | |
※最初にこんな注意書き鬱陶しいのですが(笑)、この稿で「スポーツカー」はクーペやスポーティーカーという意で使用しています。スポーツカーとはなんたるモノかという厳格な考えは脇に置いておいて下さい。 今では軽自動車&ミニバンというイメージのホンダですが、昔はホンダ=スポーツという印象が世間で一般的でした。FFではスポーツカーは成立しないという固定観念が根強かった時代に、黎明期のS500などを別とすると、NSXが登場するまで後輪駆動のスポーツカーを持たなかったにも関わらずです。 もちろんスタートがバイクメーカーで有るという点、鈴鹿サーキットを作り上げた先見の明、第二期F1での圧倒的な成績など、販売している車以外での印象も大きかったわけですが、ストロークの少ないビシバシくる乗り心地(笑)も含めて、ホンダの車は乗用車でもスポーティとの印象が一般的でした。 それが、傾きかけた経営をオデッセイとステップワゴンが一気に救い、第三期F1撤退で大きくミソをつけると、次第に日本のホンダからは「スポーツ」が感じられなくなります。最も世界的にはSUVの頭文字はスポーツのSですから、CR-Vを大ヒットさせてるホンダは今でもスポーツなメーカーなのかも知れませんが。 日本のメーカーでここまでことさら、スポーツか否かを求められるメーカーはホンダ以外に余りなく、ホンダ自身もそれを気にしているようで、F1にも四たび挑戦、ラインナップにもなんとかスポーツクーペを揃えようとしています。大はNSX、中はCR-Z、小は今回取り上げるS660です。 このホンダ=スポーツという呪縛。そう、もはや呪縛だと思うんですよね。ホンダ自身も上手くコントロール出来ないイメージ。ロードスターを作り続けているマツダの方が、よっぽどスポーツをコントロール出来ている気がします。これだけクーペ&スポーツカーが嫌われている日本で、スポーツのイメージを花開かせることが出来るのか?と。 インテグラ撤退後、クーペ市場に復帰するためにホンダが選んだ手段は、ハイブリッドのクーペCR-Zでした。時代はハイブリッドなら何でも売れると思われていて、実際ホンダのスポーツカーを待ちわびていた層からも喜ばれ、デビュー当時は好調な売れ行きでした。ただ多くのスポーツカーと同じく、デビュー当初だけ瞬間的に売れ、その後は次第に尻すぼむ状況を回避できず、すでに2017年初頭で販売終了が発表されています。 そして幻の2代目FRベースNSXを経て、出る出ると引っ張り続けてきたハイブリッドスーパーカー(笑)NSX。すでにその基本デザインは2013年に公開されてしまい、ようやく今年ほぼそのままの形でデビュー。2000万円を大きく越える価格で、庶民が目にすることはほぼ無いでしょうし、すでに3年経過しインパクトの薄れたデザインでは、ホンダのスポーツイメージを牽引してくれるとは思えません。 では、庶民が買えないスーパーカーや、ハイブリッドなんていう余計な重しを持たない、本当のスポーツカーとして期待されるS660はどうなのでしょう?
コレモムズカシイクルマデスネ。
今の日本でスポーツカーを展開させる上で、なんらかの免罪符が持たされているのは、CR-Z、NSXでも記しましたが、S660の免罪符は当然のように軽自動車であると言うこと。軽自動車であるなら、維持費も安く、都市部以外では車庫証明もいらない為に、狭かろうがモノが乗らなかろうが、セカンドカーと割り切ってもらえれば、ピュアスポーツカーとして成立させられる。 その思惑は解ります。でも高いんですよね。いや200万円台なので、前記したように庶民でも買えないわけではありません。でも実際2人乗りで荷物はどこにも載らないので、やっぱりセカンドカーとして、遊び車として買わざるを得ない。今の日本、なんでも1台でまかなえるからミニバンやハイト軽が流行っている状況なのにです。 セカンドカーに200万円。。。。後記する色問題で上級グレード選択、なんだかんだで250万円。あれれ?2人乗りだけどトランクがついて荷物も載るマツダのロードスターが視界に入って来ちゃいます。ロードスターなら子供の居ない夫婦でしたら1台でもあまり問題は無さそうです。 では机上の空論を一旦離れ、実際に触れて乗った印象はどうでしょう?まず晴天時試乗車の屋根は当然のように取り払われています。これは、オープンエアーの快感を味わってもらいたいという事も当然あるでしょうが、それより乗り降りのしにくさを感じさせない営業マンサイドの配慮でも有りそうです。 身長180センチ弱の筆者なので、ルーフが装着されていれば、かなり窮屈な姿勢での乗り降りとなったでしょう。でもついてないので苦もなく乗り込みます。収まってしまえば筆者の身長程度なら特に問題はありません。ただ乗用車的ポジションを取ると、フロントウィンドーの上端が視界に入るので、シートポジションは寝かせ気味にする必要があります。筆者は腰痛持ちですが、この姿勢でも腰は痛くなりませんでしたので、イスの出来は悪くないと思います。 CVTモデルなので、なんの気遣いもなく発進します。エンジン音は素直に勇ましいです。これをうるさいと考える人も居るようですが、昔のビートのようないかにも軽自動車です(と言うか軽トラです)って音では無いと思います。試乗ですので峠に走りに行ったり出来るわけでなく、ちょっとスピードの出せる幹線道路と、舗装の荒れた市街地程度の感想ですが、乗り心地はホンダのスポーツカーとしては良いように感じました。 さすがに悪路ではガタゴトしますけどおおむね穏やか。ただこれがスポーツカーとして考えてる人の要求に応えられているかは微妙です。屋根が外されているという点を差し引いても、ボディ剛性感が緩くて、結果それで昔のフランス車のように、街中で乗り心地が良く感じてしまうのではないかと。 ルーフを外した状況での風の巻き込みはそこそこ。サイドウインドー上げても遮断出来るわけじゃないです。フルオープンではないですけど、リアウィンドーをあえて開閉出来るようにしている点からも、冬でも風を感じてくださいと言う車です。デザインで解るように後方視界は壊滅的。小さな車ですからドア開けてバックしてくださいって事ですかね。 デザインは、同じ?オープンのコペンのどうにもならない腰高おもちゃ感とは違い、凝縮感のあるスポーツカーらしいもの。スポーツカーのミニチュアっぽいとも言えるので、別の意味でのおもちゃ感はあるかも知れませんけど。フロントは今のホンダ顔でありながらビートの臭いも感じさせ嫌いじゃありません。 内装質感は、200万円もすると言うことが、人によって判断基準に影響しそうですけど、少なくとも試乗したアルファグレードでは安っぽくはなく悪くないなと思いました。総じて車としての出来に大きな不満を感じるようなところはありません。家の敷地に、懐具合に余裕が有れば、1台ずーっと持っていても良いかなと思わせる雰囲気は醸し出しています(笑)。 ただ相変わらず、ホンダ得意の最上級詐欺で(と言っても2グレードですが)、一部カラーはオプション塗装代を取るにも関わらず、ベースグレードのベータでは、白黒グレーの無彩色しか選べません。えーーーーーーー?どうしてこんなバカみたいな事やるんでしょう?ホンダは。 わざわざ200万円を越えるお金を払って遊びにしか使えない軽自動車を買ってくれるんですよ。なぜアルファと同じく黄色赤青選べないんです?遊び車のスポーツカーなんですから、むしろオプション料金払えばホンダの現行カラーすべて塗れるぐらいにするべきでしょう? さてでは話しを戻します。上記したように筆者は、S660に悪い印象は持ちませんでした。こんな車がセカンドカー、サードカーとしてある裕福な田舎暮らしに憧れたりもします。でも、ホンダ=スポーツイメージのコントロールという意味では、このS660も若干的はずれ、これじゃない感。 上記したようにS660だけでは通常の車に求められている役割はほとんど不可能です。このピュアスポーツぶって1台では何も出来ない原因の一つが、軽自動車であることだと思うんですよね。「いやいや軽自動車だからこそ、維持費が安く済んで2台持ちの可能性が生まれるんだろ?」そうかも知れません。 S660と中古のハイト軽2台持ちなら共に軽自動車ですので、一見なんとかOKに思えます。ただ維持費の中で保険代を考えると、実際に調べてはいませんが、2台持ちで1台スポーツカーですから、そこそこ掛かってしまうのではないでしょうか?当然都市部では2台分の駐車場代はバカになりません。 また専用設計なMR軽自動車であると言うことが、部品流用の妨げになり、軽自動車としてはかなり高価格な車となってしまっています。そう、つまり軽自動車で本格的スポーツカーを作ろうという、スタート地点がそもそも間違っているのです。 一見、維持費が安く限界が低くても楽しめそうな軽自動車のスポーツカーは、夢の車のように思えますが、今の日本の一般的なホンダファンが望むスポーツカーはそうじゃないと思います。さんざん上記しましたが、いくら出来が良くても相当な車好きじゃないと買いづらい。それがS660です。 ホンダにスポーツを求めるホンダファンが今でも買えるスポーツカー。それはCR-Zの時にも記しましたが、コンパクトサイズの安いFFスポーツカーです。軽自動車サイズでなければ、MRに拘らなければ、コンパクトでも+2の後席と荷室が作れ、最低限の利用に応えられます。 またFFでスポーツカーが成立しないなんて事は、今の世の中では誰も言いません。それはホンダ自身がCR-Xで証明したことです。そう、理想はCR-Xなのです。いやいやCR-Zは失敗したじゃないか?違います。CR-Z失敗の原因は、ハイブリッド専用車だったと言うこと。これにつきます。 CR-Zから重いハイブリッドシステムを除いて1L小排気量ターボを載せれば、ホンダのエンジン大好きなホンダファンにも応えられる、理想のFFスポーツカーCR-Xが復活できます。ムダなハイブリッド分価格もグンと安くなるので(ざっくりCR-Zデビュー時の価格250万-フィット1.3とハイブリットでの差額35万)、一気に現実的なスポーツカーが視野に入ってきます。 さらにCR-Zの減価償却が済んでいれば、ハイブリッド嫌いの国外にも輸出できれば、まだまだ価格は下げられそうです。1台では何も出来ないS660が200万、取りあえず最低限のことはまかなえるFFスポーツカーが200万円ちょい。どう考えてもこれが正解なんだと思います。 本格的スーパーカーで高額すぎて「ホンダ」とは感じられないNSX。ハイブリッドという重しがすべてを台無しにしたCR-Z。軽自動車で本格的スポーツをという期待が大きすぎたS660。ホンダらしい夢への疾走で、ホンダファンはそんなところにしびれるのかも知れませんが、そうじゃない(笑)。 S1000なんて声も聞こえますが、そんな玉砕確実な車投入ではなく、21世紀のCR-X復活こそが、ホンダ=スポーツ復活の決め手だと思います。そしてそれはさほど難しくなく投入できる車なのですから。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) | |
ジェイド(2015年2月発表)(16.10.9記) | |
世間の評判、ネットの評判はどちらかというとかなり悪く、結果として売れ残った車が試乗車、代車を一瞬経験して、ホンダの中古車屋に山ほど流れ込んでいます。それもこれもホンダの商品戦略というか、売り方のまずさが原因だと考えられますが、個人的には結構好きな車です(笑)。 酷評されている理由が主にその立ち位置と価格から。当初ストリームの後継車と思われていた車が、発表されてみるとハイブリッド専用車で(後に1.5Lターボが250万円台で追加)価格帯が270〜300万円クラス。ストリームが200万から260万円でしたので、最近めっきり減ったこの手の背低ミニバンを待ち望んでいた、旧ストリームユーザーが愕然。 立ち位置を整理して考えると、現行5代目オデッセイが3.4代目の背低ミニバンコンセプトをやめ、エリシオンと統合され上級移行したので、ジェイドは大小の背低ミニバンコンセプト支持ユーザーの受け皿として、旧オデッセイとストリームを統合した車と見るべきです。 ホンダとしては旧オデッセイユーザーには価格帯の抵抗は無いだろう。またストリームユーザーもモデルチェンジまで9年も掛かっているので、そのまま背低ミニバンコンセプトを支持してくれるのなら、年齢層も上がり所得も上がっていると考えたのでしょうけど、元々ミニバンなんて乗り物は、生活にゆとりのある人が選ぶ車ではなく、何でも1台でまかなえてお得だから選ぶわけです(さらに背低ミニバンは+スポーティーさも求める貪欲さ(笑))そんなユーザーにこの価格上昇が受け入れられるわけがありません。 またマズいのは、ほぼ同時期にホンダの正当派ミニバンとも言えるステップワゴンがリリースされたという点。ミニバンとしての仕上がりは抜群に良いステップワゴンが、最低価格はさらに安いうえに同価格帯(230〜320万円)でショールームに並んでいるわけです。おまけにフィットのワゴン版とも言えるシャトルも同時期にリリース。後述しますがジェイドはワゴンでもあると思うので、この点でもかぶりまくり。わずか3ヶ月の間に似たような車が3車種もまとめて出ればそりゃディーラーも売りあぐねます(さらに今年フリードもデビューです)。 実はジェイド自体はハイブリッド仕様ではないモノの、中国では2013年から販売されていたので、開発を上手く進めていればストリームユーザーを9年も待たせることなく、また似たような車が集中して出るようなこともなかったわけです。またハイブリッドならなんでも売れると考えていたのも浅はかです。実際ハイブリッドとつけば、その差額を維持費で取り返すのは難しくても売れていた時代もありました。 でも元々トヨタに比べてホンダのハイブリッドにはその旨味が少なく、ハイブリッド分重く高くなるのなら、ホンダ本来のエンジン技術を生かしたレス仕様の方がお得だと言うことがバレつつ有ります。それにも関わらずまず高い方のハイブリッド仕様から出しコケて、あとから慌てて廉価なガソリン仕様を出しても、当初の失敗車という印象はなかなかぬぐい去れません(=グレイス)。本当にホンダの販売計画の稚拙さが伺えると思います。 そんなわけでジェイドの酷評された理由は車本来の出来に有るわけではありません。上記したように元々は中国市場用でデビューしたのですが、そのプラットフォームの一部は日本未導入の9代目シビックセダンのモノが使われていて、この車がなかなか旧来の意味でのスタイリッシュなセダンでした。特に特徴的ではないモノのホンダらしい若干バタ臭さを残したキレイな車で、初代フェリオのようなたたずまいです。 このプラットフォームを利用しつつBピラー以降は独自のデザインを採用しているわけですが、まず特徴的なのが昨今の車には珍しくウェストラインが低い点。最近ではなかなか窓枠に肘を置いて運転出来るような車は有りませんが、ジェイドは一旦運転席側でウェストラインが下がり、その後上昇しながらグラマラスなショルダーライン経て、絞り込まれたリアに繋がります。 変にガンダムで無い、ホンダには珍しく美しく伸びやかなデザインは素直に格好良く、車がデザインだけで売れる時代なら大ヒットしてもおかしくないおっさんホイホイな仕上がりです。ただ素直に格好良いというのは=特徴に欠けるとも言えて、下品な程大きな顔でアピールする車が多い昨今では埋没してしまうのかもしれません。 内装も上級グレードに採用された北欧家具風の白い木目調パネルの質感がなかなか高く、メッキの華燭の使い方も気が効いています。ホンダお得意のSF風内装でないデザインは、フィットクラスとは違う(当たり前ですが)高級感を感じさせ、ストリームからの価格上昇分を無理矢理納得させます(笑)。ただこれはいつものようにホンダお得意の最上級詐欺なのが残念で、その他のグレードにはこの仕様は選べず、チープなツヤ消しの木目調パネルが眼前に広がります。またハイブリッド仕様は低めのウェストラインとは反対に高めなセンターコンソールが鎮座召します。と言うのも中にリチウムイオン電池が収納されているためで、大きなセンターコンソールに小物入れは殆どありません。 2列目シートは2座席と割り切りキャプテンシート風にすることでここでも高級感を演出。斜め後方に下がることで、リアホイールアーチを避け長大な足元空間を生み出すアイデアは良く、そうすると前席の間ショルダー部から前方がよく見えて確かに新鮮です。だけどこれも1台で全部まかなうミニバン原理主義派からは不評なようで、凝らなくて良いから普通に3席座れるようにして欲しいの声が・・・(泣)。 正直3列目シートは成人男性が乗るには厳しいですし、3列目シートを展開すると荷室が殆ど無くなるのも、この手のミニバンの欠点です。でも最初に記したように、このジェイド、実はワゴンなのでは無いでしょうか?3列目は昔のアメ車ワゴンのようにいざと言う時に人が乗れるエマージェンシーシートと考えればよいわけです。 日本とアメリカではその便利さでほとんどミニバンに駆逐されてしまったワゴン。同じミニバンのステップワゴン(あらミニバンの方にワゴンってついてますね(笑))と販売時期がかぶるのであれば、いっそのこと3列シートも有るワゴンとして売った方が、差別化が出来て良かったのではないでしょうか?ワゴンであればミニバン原理主義から解放され、高価格や贅沢感の演出も肯定されます。今の国産車には希有なスタイリッシュワゴン。それがジェイドです。アコードワゴンの後継車はここにあったわけです。 新車では高くて手が出なくても、状態の良い中古車がわんさかある現在は、この手のワゴンを探していた人にとってチャンスかも知れません。 最大瞬間評価(目一杯ひいき目で見て)3(好) | |
アクティ/バモス/ホビオ |
バモス-4 アクティ/ホビオ-3 |
N-BOX/N-ONE/N-WGN/N-BOX SLASH |
N-BOX SLASH-5 N-ONE-3 N-BOX/N-WGN-3(嫌) |
S660 |
3(好) |
フィット/フリード/スパイク/CR-Z/シャトル/ヴェゼル/グレイス |
フィット/CR-Z/ヴェゼル/グレイス-3(好) シャトル-3 フリード-2 フリードスパイク-2(嫌) |
ジェイド |
3(好) |
ステップワゴン/オデッセイ |
3 |
アコード/CR-V |
3 |
レジェンド |
3 |