(13.8.11記)(13.8.13写真更新)
ここ何台かで乗りたい車リストも順調に消化してきて、予算内に収まる乗りたい車リストの残りは、2代目ルーテシア、初代アウディA4、初代プリウス、プログレ。この辺りが乗り心地ヲタクとして押さえておかなければいけない車です。ただルーテシア、A4は正直かなり年数が経ってきたので、トヨタ2台と比べるといささか不安でしょうか。
前回プントを購入する際にも、トヨタの2台は候補に挙がったのですが、プリウスはとにかく中古車屋の評判が悪く、何かと細々壊れる話をされました。対してプログレは、トヨタの作り慣れた直6FRの最終形。ネット上の評判でも、直噴エンジンではない前期型はとにかく壊れないとのこと。そんなわけで、プントの車検も迫ってきましたので、今回はプログレを中心に車探しを始めました。
いつもは、なかなかお目当ての車に巡り会えない。と言う状況が多いのですが、前期型のプログレは非常に多く流通しています。走行7.8万キロであれば一桁万円台から、走行少ないものでも年式が古ければ20〜30万円(年式古いと自動車税1割り増しに引っ掛かります)、50万円も出せばまず不満のない物が見つかりそうです。
何台か試乗させてもらい、プログレが十分に期待に応えられるだけの車だと解ってきたところで、東京トヨペット系の中古車店に出物を発見。距離4.4万キロ、車検2年付いて総額40万円。98年式なので自動車税1割り増しですが、トヨタの中古車屋なので保証が1年付いています。排気量が3.0Lなので2.5Lより税金1ランク高くなってしまいますが、前期型なので1.5t未満。重量税は若干お得です(笑)。
外装は銀色でつまらないですし、純正フルエアロも個人的には不要ですが、内装は黒革。ウォールナットパッケージ&ナビ無しで理想通り(ウォールナットパッケージは、紫外線でハンドルの木目表面が割れてくる個体が多いので、青空駐車の我が家では不向き。純正ナビもCDロムで、すでに更新停止になっているので、物入れにしてPND使用した方が収まりがよいからです)。イスはファブリックの方が座り心地が良かったんですけど、黒革内装の高級感がなかなか良くて(やっぱり黒は質感解りやすいです)、その雰囲気にもやられて即決してしまいました。
ディーラーが、ETCが付いているのに付いていないと勘違いして、ETC只でつけますと言っていた分が値引きになったり、なんか店の内規で登録整備の手順が面倒で、中古車なのに登録まで1ヶ月以上掛かったり、いろいろゴタゴタしましたが、終始セールス氏の対応が良くて「東京のディーラー」を感じました(笑)。
何より独立系中古車屋が、どこも車輌本体価格を激安に設定しておきながら、意味不明な諸費用、高額な工賃で、総額がバカ高くなる昨今。ディーラー系は昔ながらの価格体系で、結果信頼感と共に、大変お得に感じます。
では国産ですから久々に「ばか車」と言ってもよいプログレの印象をつづっていきます。
まず最大の興味の乗り心地。とにかくトヨタ車とは思えないぐらい足がしなやかに動くイメージです。マーク2やちょっと前のクラウンなら、良路では素晴らしくスムーズに走れるのに、荒れた道や目地段差で、ドンっと来た突き上げがゴムに遮断されつつボディに響く、あの嫌な感じが無いのです。トヨタが本気出せばここまで出来るのか!な驚きです。ただ5万キロぐらいから若干劣化したのか、それなりに突き上げを感じるようになりました。サスなのかタイヤの劣化なのかは解りませんが、車のオリジナルな状態を体験できて良かったと思います。
反面高速での安定性はもう一つです。欧州車の巡航速度ぐらいになると落ち着きが無くなってききます。ただ100キロ巡航ではそれほど不満無いので、クルコンを設定してだらーっと走ってるのが、精神衛生上でも燃費でも良い感じです(笑)。あと運転していてハンドルに伝わってくる感じなどが良いとや思います。昔ジャガーを研究しつくして上品な車に仕上げたと言うレパードJフェリーに乗っていましたが、少なくとも足回りのしなやかな感じは、プログレの方がより上品。良い車(お金が掛かってる車)に乗ってる感が味わえます(反面ウィンカーのクリック感などはレパード圧勝、プログレは平均的トヨタ車のクリック感です)。
3.0Lエンジンはやはり力があります。アクセルのセッティングが最初にぐいっと出ちゃう嫌な感じですけど、さすがに2.0Lクラスとは違い、その後も落ち込みはなく力不足を感じさせずに伸びていきます。特に中間加速の力強さが心地良くてクセになります。今までエンジンは最低限の力が有れば良いと思っていましたが、コンパクトなサイズに力がある心地よさも解った気がします。有り余る力の(それほどではないですが(笑))、一部を使って贅沢に走るって言うのも悪くはないです。
燃費は市街地中心でもトルクがあるのでリッター8.5キロぐらい走ります。同じ排気量のレパードが6キロ後半だった事を考えると良い方だと思います。ただレギュラーにすると7.5キロぐらいに落ちるので、エンジンの事を考えても財布的にもハイオク入れるのが正解だと思います。
装備は本当にいたれりつくせり。交差点などで停車するとライトが消え、動き出すと再点灯とか(笑)。ワイパーも停車すると間隔が長くなり、発車すると最初2回早めに作動とか、ウォッシャーを使った後も一旦止まってしばらくして1回だけ動き、ウォッシャー液の垂れを払拭する心配り。
プログレ唯一と言って良い最大の不満はイス。典型的トヨタ駄目イス。見た目は黒革で豪華そうだし、ひび割れなどへの耐久性も高そうなんですけど、座るとぺたっとソコ付きする感じでほとんどクッション感じません。平面で体は全く支えません。ファブリックの方はもう少しマシな感じだったのと、ジジ臭い柄ながらも高級感を感じさせる布質なので、正解はファブリックだと思います。
室内は5ナンバーサイズFRとしては十分な広さ、フロアトンネルが有るので5人乗りは厳しいですが4人ならなかなか快適です。一時代を築いたトヨタ車としての定番、黒革、木目、水平基調のインパネデザインの落ち着いたコンビネーションは、あまり車に詳しくない人に必ず、「高そうで良い車ですね」な反応をしてもらえます。
外観デザインはボクシーで飽きが来ない長く乗れるデザインだと思います。上記したように純正フルエアロはバランスを崩していて好みではないですが、クラウンコンフォート系との差別化が欲しい人には必要かも。外観デザインで唯一気になるのは丸目ハイビームのバランス。クラウンと違う顔にしたかったのは理解できますし、丸目を採用したのも悪くはないと思うんですけど、配置も含めて煮詰め不足かなと。
またブログレは色によって車の印象が大きく変わるのも魅力です。筆者の銀色に黒革はドイツ車風、明るめの緑にベージュ内装だとイギリス風などの定番系も有れば、水色メタに老婦人オーナーなんかだととてもオシャレに見えますし、ワインレッドや、黒に近い緑の落ち着きも良い雰囲気です。クリーム色なんて斬新な色が1色混ぜてあるのも、メーカーとしての余裕が感じられて良いですよね。塗装の耐久性はばっちり、屋外駐車なれど艶が落ちるどころか、ウォータースポットすら出来ません。
総じて言えることはまさに「日本スペシャル」。日本国内で走っていてこれほど良い車は無いのでは?と思います。よくじぃさんがいつまでも大事に乗っているのを見かけますけど、正直国産でこの車から乗り換える車が無いのは肯けます。5ナンバーサイズ、作り込み、乗り心地、パワー。燃費以外の弱点が見あたりません。そんなじいさん達が大事に乗った車が、市場には10万円台でゴロゴロしてるので、是非ダマされたと思って乗って欲しいです。コストあんまり考えてないトヨタ車は本当あなどれませんよ。
使用期間中の平均燃費(市街地9:高速1)7.9km/l