(10.9.1記)
さてメガーヌ購入後、1年半ほど経ちました(HP更新時期と購入時期は一致してません)。そうなってくるとわき上がってくるのが、そろそろ次の車は何にしようか?と言う車好きなら当然の欲望。車検でお金が色々掛かるのなら、車検を若干残した状態で売却するのも悪くないタイミングです。
そもそもメガーヌは、筆者の通常の購入価格帯より高い車でした。それと言うのも、同居している両親がじじぃばばぁになってきたので、小さな車の方が乗りやすいのでは?と考え、両親も安心して乗れるような高年式の車を探したからでした。ところが、実際にメガーヌが納車されてみても、慣れ親しんだデカいC5の方にしか乗りませんでした。これでは何の為にメガーヌを購入したのか解りません(笑)。
そんなわけで、メガーヌの後継車は全く両親の意見は取り入れず、かつ、せっかくメガーヌは高年式だったのだから、メガーヌの売却金額だけで乗り出せる車にしよう。そう言う縛りで車選びが始まりました。今回の候補車は、2代目ルーテシア、2代目プント、先代ポロ、4代目ゴルフ(この辺りは毎度同じようなラインナップなのですが)、初代サーブ9-3、初代プリウス、プログレ。この辺りです。
大体乗りだし総額が50万円以内に収まるモノって感じです。今回ルーテシアと9-3はなかなか良い出物が無くて脱落。ポロ、ゴルフのVW勢は良さそうなモノが有って見に行くと、たいがい内装にがっかりさせられて触手が動きません。VW勢は質感が高いというのが世間の認識ですが、見に行った車、どの車もみんなセンターコンソールのスイッチ周りの劣化が酷くてがっかりさせられました。
プラッチックパーツの表面につや消しのラバーと言うか塗装がコーティングされていて、それが新車時には、プラッチックむき出しの伊、仏車より高品質に見えるわけですが、これが昨今のデコレートされた女性の爪に大変弱いようで、どの車も無惨にもはげていてなんともみすぼらしく見えてしまいます(この傾向はたまたま見たBMWの3や5シリーズにもありました)。これならむしろ硬質プラッチックむき出しの、伊、仏車の方が耐久性が高く好感が持てると言うものです。
そんなわけで、結局最後まで候補に残ったのは、国産のプリウス、プログレ、そして初のイタ車となるプントです。初代プリウスはハイブリッド云々よりも、初代のみ乗り味などにフランス車の雰囲気が有ると言う話に期待し、プログレはトヨタが長年作り続けた直6FR、そしてクラウン並みの作り込みというのを、今体感しておくのも有りかなと。そしてプントは単純に鉄仮面フェイスを初めとするデザインに昔から好感をもっていたので。
プリウスはこのご時世ですから、初代とはいえゴロゴロしているわけですが、お店の話を聞くとどうも評判がよろしくない。初代前期型はハイブリッドバッテリーの永久保証があるんですが、それ以外も色々なところがチョコチョコ壊れるとの話。反対にさすが作り慣れた仕様のプログレには皆さん太鼓判。実際に乗った印象も、静かだしなめらかだし、じじぃが大事に乗ってるので程度の良いモノが多かったです。1年おっさん車に揺られるのも良いなと思わされました。
でも結局選んだのはプント。プントもプログレも多分今が底値な感じです。しかもどちらもこの後人気が再燃するって事も無さそう。だったら信頼性の高そうなのは後回しという事で、プント導入となりました。仕様は1.2Lスバル製CVTのベースグレード。色は最近でこそ軽自動車に多く見かけるけど、新車で出た時から気に入っていた明るいグリーンメタに、紺色内装の組み合わせ。国産なら黒グレーかせいぜいベージュでまとめる所を紺なのがなんともおしゃれな感じ。
では乗り始めてしばらく経った現在の感想を上げていきます。まず買う前から気になっていたのが、ブレーキペダルが右に寄っていてアクセルペダルと非常に近い上に、両ペダルに段差が全く無い点。これはネット上でも多くの人がプントの弱点に上げていますが、確かにアクセルから急にブレーキを踏もうとすると、アクセルの端に足が引っかかりそうで実に怖いです。ブレーキを踏んでいるのに同時にアクセルも踏んでいるので、思ったように減速できない可能性が有ります。
ネット上ではペダルにカバーをつけて高さに変化を持たせたとか、ペダルの角度を力業で変形させたとか色々対処法が有りましたが、筆者は単純に左足ブレーキで対応することにしました。個人的には左足ブレーキも、右足のアクセルを抜く前に左足でブレーキを踏み始めることがあるのであまり好きではないのですが、踏み間違えてパニックになるより安全だろうと渋々やりはじめたところ、これがプントには適していました。
と言うのもプントのブレーキは、効き始めにあまり強い制動が掛からないタイプなので、不慣れな左足でガサツに踏んでも、急ブレーキにならずに運転が下手に感じません。ここのところ、406、メガーヌと神経質なペダルタッチの車が続いてたので、このちょっと緩い感じは左足ブレーキには最適でした。
乗り心地の印象は基本ゴトゴト。路面の段差などは素直に伝わって来る感じですが、イスのクッションがなかなか肉厚であんこが詰まっていて、運転していて不快な感じはしません。このゴトゴト感はサスの影響も有るでしょうけど、一番の要因は純正でついてくるピレリタイヤが固すぎるからだと思います。フランス車のミシュランもそうですが、このピレリもとにかく耐久性に重きを置いて、それ以外には目をつむっているようで、ゴトゴトした感じもそうなら、ロードノイズの拾いっぷりも半端じゃなく、終始ゴーって言う音が伝わってきます。
ただ前記したように、この固いタイヤによるゴトゴト感もゴー音も決して不快になって乗りたくなくなるようなタイプのモノではありません。またこの印象は高速に乗ると大きく変わります。一般道に比べて路面が滑らかな高速では、足回りがしなやかに動きフラットな乗り心地になります。さらにびっくりしたのがその直進性。メガーヌのように路面に吸い付く感じは有りませんが、とてもコンパクトサイズの車とは思えない安定感で、全くふらふらすることなく進んでいきます。
パワステはシティモードというモノが有り、このスイッチを入れると指1本でもするする回るほど軽くて笑っちゃうのですが、あまり軽いのに慣れすぎて、他車に乗り換えたときにひ弱になっているのも困るので使っていません。と言うかシティモードでなくても十分に軽い方のパワステだと思いますし。
車の作り自体はちょっと昔の欧州車という感じです。プントはC5と同じ年の製造なのですが、どちらかというと一世代前のXantiaに非常に似ています。AMラジオの入り方が悪かったり、色々な所から異音がするけど、それも一つ一つに対処法が有って、ある程度消せる点(ネット上に対処法が有って助かりました)。エンジン始動直後に動き出してパワステきるとエンストしそうになったり、エアコンは基本効くけど、この猛暑では内気循環必須だったり、温度の微調整は苦手だったり。ATのシフトも多少引っかかりが有ってスムーズに動かすにはコツが必要だったり。
あーそうそう、有る程度人間側が合わせないといけなかったよねーな感じです(笑)。スバル製のCVTはクリーブもついてますし、CVTの弱点、回転数の上昇とスピードの上昇感がずれてると言うのもそれほど感じません。ただ、CVTを無理矢理6速にしたシーケンシャルモードは、シフトの重さもあって全く使う気にはなりませんでした。もう少しスコスコ決まって欲しい感じなんですよね。
総じて欧州小型車として期待している感じはクリヤーしてくれてます。乗ってて全く嫌じゃない。安っぽいところとちゃんとしてるところの判断が間違ってない。良い点、悪い点色々あるけど、総じてつじつまが合ってるのが素晴らしいです。ロードノイズがうるさいのに対して、ウーハー付きの7スピーカーが標準で誤魔化してあったりとかね(笑)。
使用期間中の平均燃費(市街地9:高速1)11km/l