『長い冬休み』補完計画


2001.8.25 高橋 誠
現在の訳と訂正案対応する英語説明指摘者
口絵 [/信号所と天文台] [2] SIGNAL STATION AND OBSERVATORY 口絵の題が省略されています。 #19868 HEARTYさん
[/「冬休みって、おちやの時間にはくらくなるし、家の中でねるから、なにもおこらないのよ。」
ナンシイ・ブラケット]
[3] ‘Dark at tea-time and sleeping indoors: nothing ever happen in the winter holidays.’
NANCY BLACKETT
タイトルページの言葉。45頁にあり。 #19889 駆逐艦
9 ディクソンおばさんは、[まだわかいむすめだったとき、/]カラムきょうだいのおかあさん[の女中じよちゆうだった/が小さかったときに乳母だった]ことがあったので、 15 Mrs. Dixon had been their mother’s nurse when she was a little girl, #19553 ミルクの森さん
15 「いっちゃったよ。」と、ディックがいった。ボートは、ひくくなっているしま南端なんたんをまわって、つき出したいわかげに姿すがたをけしたところだった。[/それでも]ディックは[今まで/]ずっと[ボートを観察かんさつし/見つづけ]ていた。 19 ‘They’ve gone,’ said Dick, as the boat swung round the low southern end of the island and disappeared behind a shoulder of rock. For a long time he watched, #19553 ミルクの森さん
16 科学探検かがくたんけんだよ。」と、ディックがいった。「[/食事を作るために上陸したんだ。]しかし……あっ! いったい、何をしてるんだろう?」 20 ‘Scientific expedition,’ said Dick. ‘Landed to cook a meal. But...Hullo!... What are they doing now?’ #16697 ミルクの森さん
ひびきわたった。[/(改行)]
 ボートがまた旗をふり
over the water.
 There was more flag-waving
#19553 ミルクの森さん
17 最後さいご[/わずかな]パンの[いくきれか/かけら]け合い、 shared their last few crumbs #19553 ミルクの森さん
18 [道路端どうろはし/この道ぞい]農場のうじようにとまってるんだよ。 22 Staying at the farm along the road. #19553 ミルクの森さん
きのうのばん、ディックとドロシアが、ディクソンおばさんといっしょに[、/]汽車のたびをおえて[/、]えきからくるときとおった村道そんどうが、農場のうじようのすぐ前を走っていた。 The main road, along which they had come from the station the night before, after their railway journey with Mrs Dixon, ran close past the front of the house,  Dきょうだいはディクソンおばさんといっしょに湖に来たことが明示されているのですが,翻訳ではそれがわかりにくくなっています。136頁も参照ください。 #19963 LMSさん
20 「あんな子どもたち。」とドロシアがいった。[それは/何か]ほかのことを考え[ていたという意味いみだった/ようと思っていたのに] 23 ‘Bother them,’ said Dorothea. She had been meaning to think of somethig else. #19553 ミルクの森さん
22 すると、ディックが、またふいにいった。「野原のはらをのぼってくるぞ。[/」ディックは半分ささやくような声でいった。「]あの農家のうかのすぐ下にいる。 25 Then, suddenly, Dick spoke again. ‘Coming up the field,’ he half whispered. ‘Just below the house. #19553 ミルクの森さん
23 「ドット。」と、ディックがふいに大声を出した。「あの子たちは、やっぱりあの家にいるんだよ。ほら、[ここからのぞいて/家のこっち端を見て]ごらん。たてに二つまどがならんでるだろ。 ‘Dot,’ he cried suddenly. ‘They do come from that house. Look at this end, two windows one above another. 26頁にも「農家のこっち端の一階の窓(the downstairs window at this end of the house (p.28)」と同じ表現が出てきます。 #19553 ミルクの森さん
36 「もちろん、これでいいんだ。火星人のことばがわからないのはあたりまえじゃないか。」 34 ‘Of course, it’s all right,’ he said. ‘Morse. Morsian. Marsian. Naturally we don’t know their language.’ 【薀蓄】ジョンのモールス信号がわからなくてがっかりしたディックが、あれは火星語だからわからなくて当然だと、気を取り直す場面です。原文では面白い語呂合わせ(だじゃれ?)をしています。
Morse(モールス)→Morsian(モールス語)→Marsian(火星語)
#23026 LMSさん
39 たぶん[磁石じしやく/コンパス]だな。 37 Probably a compass.  『ヤマネコ号の冒険』320頁等と統一。 #22996 LMSさん
40 ディックがいった。[/(改行)]
 夜、火星かせい
38 said Dick.
 It was one thing
#19572 ミルクの森さん
41 やっかいな状態じようたいだった。[(改行)/]火星人かせいじんたちが Dorothea had expected. If only the Martians #19572 ミルクの森さん
42 ぼくは[磁石じしやく/コンパス]方位ほういをしらべたんだ。」
 「さっきまできみがもってたのが[磁石じしやく/コンパス]?」と、ディックがいった。
39 So I took a bearing by compass.’
 ‘Was that a compass you had in your hand just now?’ said Dick.
 『ヤマネコ号の冒険』320頁等と統一。 #22969 LMSさん
45 そして、基地きちにするイグルーを建設中けんせつちゆうなの。[これでわかるでしょ/あとで見せてあげる]。」 42 and we’ve been building an igloo of our own to use as a base. You’ll see it.’ #19572 ミルクの森さん
47 新聞紙しんぶんし?」スーザンとペギイは目をまるくしてドロシアを見た。[/「]新聞紙しんぶんし! たき火をするのに![/」] 43 ‘Newspaper?’ Susan and Peggy were staring at her. ‘Newspaper! For lighting a fire!’ #19572 ミルクの森さん
53 カシ、[ラワン/ナナカマド]、カバなど 48 oaks, rowans, and birch trees, #22956 赤い鰊さん
56 {たいへん、たいへん! みんな勉強べんきようがあるんだった。さ、あなふさぎをやっちゃいましょうよ。/おどろき、もものき、だれでも失敗から学ばなくちゃならないのよ。] 50 Jib-booms and bobstays! Everybody’s got to learn. Come on. Let’s get ahead with caulking.  「勉強がある」と言っておきながら、穴ふさぎをやろうといったり、その後も勉強している場面が全然出てきません。この「learn」は学校の勉強ではなく、「〈習慣・態度・心構えなどを〉(経験などで)身につける,(人から)(失敗などから)学び取る」(『ランダムハウス英語辞典』)という意味だと思われます。この箇所の直前では、イグルーでの失敗談がいくつか紹介されます。しかしその都度子どもたちはイグルーに改良を重ねたのでした。ナンシイは「だれでも失敗から学ばねばならない」と言いたいのです。(Everybodyは一般的な「だれでも」ということです。)ですからその前の「Jib-booms and bobstays!」もおなじみの「おどろき、もものき」くらいの方がいいと思います。 #22396 LMSさん
ほんのちょっとのあいだためらった。[(改行)/]「『はいれ』、と牢守ろうもりがいった。 51 out of the daylight into theat pitch black hole. ‘“In you go,” said the gaoler, #23026 LMSさん
57 ドロシアがいった。[/(改行)]
 ふたりが、
51 said Dorothea.
 It was moment
#19588 ミルクの森さん
58 ほんとうに、その暖炉だんろは、イグルーの中で断然だんぜんひかっていた。[/イグルーの]土台どだい[からつみ上げたむかし暖炉だんろはふつうの/になった昔の建物には、ごつごつした]石でつくってあり、火をたくところが大きくて、前があい[/た暖炉がつい]ていた。 The fireplace was, indeed, the chief beauty of the igloo. The old ruin on the foundations of which it had been built had had a big open fireplace, built of rough stones. #19588 ミルクの森さん
65 ドロシアは、歩[いているという/く]より、おど[っている/りだしたい]ような気分だった。 57 Dorothea felt more like dancing than walking. feel like …をしたい気がする[2] #19588 ミルクの森さん
75 ティティは、スケートをはいて立っていたが、なぜだか、ときどき、じっと立っているだけでも、あぶなっかしくてしかたがなくなるので、そのときだけ、うで[の長さくらいうごい/をうごかし]ていた。 64 Titty was standing on her skates but moving just an arm now and again when somegthing happened to make her feel that even standing still was a fairly dangerous adventure. #23026 LMSさん
78  「これは、ほんとうはハリ・ハウってこととおなじよ。」とナンシイがいった。「だってこの場合ばあい、あなたたちをむかえにハリ・ハウまでこなくちゃならないでしょ、わたしたち。」
 「でも、[わたしたちとは/]ちがう荷物にもつ[はこぶことがある/持っていくことになる]かもしれないでしょ。」と、スーザンがいった。
荷物にもつじゃない。[船荷ふなに/装備]よ。」と、ティティがいった。
67 ‘But it might mean bringing different luggage,’ said Susan.
‘Gear,’ said Titty.
#19588 ミルクの森さん
82 おかあさんの誕生日=[5/3]月7日 70 Mother’s birthday=March 7th #5946 ペミカン1号さん
86 [どうやら/きょうは]イグルーらし[い/くなるだろう]な。 74 It’ll be something like an igloo today. #23037 LMSさん
88 なまこいた数個すうこの大きな石でおさえただけの屋根やねをのせた、ごろた石の小屋こやは、まわりの世界せかいをすっかりかえた雪の魔術まじゆつのおかげで、きえせていた。そのかわりに、どんなエスキモーでもよろこんでみそうな大きな白雪しらゆきつか[/、つまりほんもののイグルーが]あった。 75 The rough stone hut with the roof of old corrugated iron held down by a few big stones, had vanished under the magic of snow that had changed all the rest of the world. Instaead, there was a great white mound of snow, a real igloo in which any Eskimo would be very pleased to live. #19588 ミルクの森さん
93 スーザンとペギイは、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、それにかんづめの牛肉ぎゆうにく[『/]ツバメごうとアマゾンごう[』で/の子どもたちには]はペミカン)[/一缶]ぜんぶをなべにいれて、今までぐつぐつにていたのだった。 79 Susan and Peggy had been making a hot-pot, with potatoes, onions, and carrots, and a whole tin of bully beef (known by the Swallows and Amazons as pemmican). Swallows and Amazonsはイタリックではありません。 #19588 ミルクの森さん
95 ところで、ナンシイ、あのポーク・パイのこと、[ディクソンさんに|、|わたしが]おれいをい[っていたって、かならず/うのを]わすれ[ずにおつたえ/ていたらかならず注意]してね。 81 By the way, Nancy, do remind me to thank Mrs Dixon for that pork pie. #17951 LMSさん
96 このおなべ、[/しよう][みずうみ/こ]へもっていくんじゃないでしょうね……?」
 「[/しよう][みずうみ/こ]に?」と、スーザンがいった。
You’re not taking it out on the tarn...?’
 ‘On the tarn?’ said Susan.
 「小湖」は既に39頁で使われています。 #23037 LMSさん
101 水しぶきがみえた。[/(改行)]
 湾の南側には、
85 floating ice.
 John went scouting
#19603 ミルクの森さん
104 「じゃあ、きみたちがスーザンのつぎにおのりよ。ボートにのりこんだら、すぐにこしをおろすんだぜ。[/場所の移動はあとでできる。とにかくすぐにこしをおろすんだ。]船首せんしゆからのりこむと、ボートはとてもひっくりかえりやすいんだ。」 88 ‘Well, you come along after Susan. And as soon as you’re in the boat, sit down. You can shift afterwards. But sit down right away. It’s horribly easy to tip over, coming aboard by the bows. #19603 ミルクの森さん
ドロシアは、桟橋さんばしはしにこしかけて、ボートの中にすべりおり、すぐにひざをついて左右のふなばたをつかんだので、じぶんが思っていたよりうまくのれた。[/手には何ももっていなかったのもさいわいした。]ディックは望遠鏡ぼうえんきようをしまい、ドロシアのつぎにおりた。 Dorothea managed better than she had expected, sitting on the edge of the jetty, sliding down into the baot and kneeling instantly while grabbing the gunwale on each side. Luckily she had nothing to carry. Dick, who had put his telescope back in his pocket, scrambled after her, #19603 ミルクの森さん
114 あなたがたはこのところずっと、あのイグルーの中で、あの子といっしょに[たき/おしあいへしあい]してたんだから、 96 when you’ve been stewing with her in that igloo of yours all these days #19603 ミルクの森さん
116 ツバメごうとアマゾンごうの子どもたちがリオとしかよばない、小さな[村/町]まで 97 and round to the little town that the Swallows and Amazons never called by any other name than that of Rio #19603 ミルクの森さん
136 「はいはい。」と、ディクソンおばさんがやっと口をひらいた。「それならあずかってますよ。 お気のどくにカラムのおくさんが、[/わたしたちが]あの汽車をつかまえようってさなかに、わたしてくれましたよ。ブラケットのおくさんは町で汽車をつかまえるって、どういうことかごそんじでしょう。ここみたいに、えきへいって、三十年も赤帽あかぼうとドアがかりをやってるボブおじさんとちょっと話をするのとはちがいます。 110 ‘Aye,’ said Mrs Dixon, at last, ‘I have them. Mrs Callum, poor lamb, she gave them to me just as we were catching that train, and you know what it is, Mrs Blackett, catching trains in towns, not like going up to the station here  現行訳ではちょっとわかりにくいのではないでしょうか。汽車に乗ったのはカラム夫人だと読めないでしょうか。18頁も参照ください。 #19932 LMSさん
137 「どうしましょうかって,ブラケットのおくさん? [ははあ,なにかお考えになってることがあるんですね/いまさら何を考えることがあるんです]?[/(考えることなんでないじゃありませんか)]」 111 ‘What’s to be done about it, Mrs. Blackett? Why, what do you think, now?’ #12930 LMSさん
138 もうほかのことを考えていた。[(改行)/]「こんなふうにも考えられるわね。 thinking of something else. ‘There’s this about it,’ #19603 ミルクの森さん
141 探検たんけんそのものも、おたふくかぜがおさまって、ナンシイも参加さんかできるようになるで延期えんき会議かいぎできまるまでは、[中心ちゆうしん/意味]うしったように思われた。 114 The expedition itself seemed to have lost its point, until they agreed in council that it was to be put off until she was done with the mumps and able to come too. #19603 ミルクの森さん
145 のぼっていた。[/(改行)]
 おびのような
117 the side of the fell
 A strip of ice seemed
#19603 ミルクの森さん
150 「イ、ソ[。もうわかった/、まではもうわかってる]。」と、ジョンがいった。「ゲ[、だよ/] 119 ‘Q-U-I. We’ve got those already,’ said John. ‘C-K. End of word.  ナンシイが「イ、ソ」(原文ではQ,U,I)まで信号した時点で、ジョンが「待て」と止め、ドロシアが書き取る用意をしたわけです。だから最初の数文字は既にわかっているわけで、ジョンはそのことをいっているのです。 #23037 LMSさん
151 「ス、ル、コ、ト、ハ、タ、ク、サ、ン、ア、ル。(中略)ヤ、マ、ネ、コ、ジ、マ、ヲ、シ、ユ、ピ、ツ、ツ、ベ、ル、ゲ、ン、ニ、セ、ヨ。[だいたいその時期じきではあるんだ。/]ぜんぶ書きとれたかい?(後略)」 120 M-A-K-E. End of word. W-I-L-D-C-A-T. End of word. S-P-I-T-Z-B-E-R-G-E-N. End of word, and about time, too. Have you got it all? Spitzbergenが長い単語なんで、「一語終わり、もうその頃合だな。」となるのでしょうが、「一語終わり」を省略しているので省略した方がよいと思われます。『シロクマ号となぞの鳥』247頁ではこれを訳しているのであわせた方がいいかもしれません。 #15635 LMSさん
152 ナンシイはひとりにしておくほうがいいのよ。気にしないでいいのよ、スーザン。でも、[ペギイ/ナンシイ]に二とこんなことをさせないでね。 122 Much better leave her alone. Never mind, Susan. But don’t let her do it again. #19603 ミルクの森さん
156 そして、[それ/ソリ]からザイルをとった。 126 He pulled the Alpine rope off the sledge. #19603 ミルクの森さん
161 一つ大切たいせつなことは、からだの重心じゆうしんいわだなのふちより中側なかがわにおくことなんだ。それから、いうまでもないけど、[きみたち/]下を見ちゃだめだよ。ぼくは見ない。 129 The only thing that matters is to keep your Centre of Gravity on the right side of the edge. And, of course, you mustn’t look down. I won’t. 一般論としてのyouだと思います。 #19625 ミルクの森さん
169 あと十[八/五]センチ、あと十[二/]センチ、ヒツジのからだの下に… 135 Another six inches to go, another four.  1 inch=2.54 cmなので、二桁で書くなら正確な方がいいでしょう。 #23043 LMSさん
182 サイラスは[、シロクマがどこにいたかだけを説明せつめいした/]ペギイに、二、三質問しつもんした。[/そこでペギイはシロクマをどこで見つけたかを説明せつめいした。]「それで、いったいどうやって、これをそこからおろしたんだね?」 144 He asked a few questions from Peggy, who explained just where the Polar bear had been found. ‘And how in ever did you get her down out of that?’ #19625 ミルクの森さん
183 あんなとこに[/ぬれたズボンをはいたままで]つったって、あんたがた病気びようきのヒツジの看病かんびようするのを見てたら、あの子は北極ほつきよくにいやっていうほどやられちまう。 145 He’ll have had more’n enough of Arctic if he stands about there in wet breeches watching you doctor a sick sheep. #19625 ミルクの森さん
さてさて、ペギイさん、あんたがた[もううごか/まだ帰ら]なくってもいいよ。あのヒツジをディクソンのところへ[/よく]つれもどしてくれた[だけで、きょうの仕事しごとはもう十分じゆうぶん/ねえ] Nay, now Miss Peggy, you’ve no call to be sirring yet. You’ve done a good job today bringing that sheep home for Dixon, #19625 ミルクの森さん
187 「そりですって。」と、ディックが大声をあげた。「おじさんはそりをつくってたの?」
「わたし、かんおけかと思ったわ。」と、ドロシアがいった。
「ねてなきゃいけない時間だったね。」と、ディクソンおばさんがいった。「あんたたちが歩きまわってる音がきこえたんだよ。でもまあ、そりはすっかりできあがって、あとはてつのレールを二本くっつけりゃいいだけさ。そいつはかじやの仕事しごとだからっていってね、ディクソンは、あんたたちがごはんをたべちまったら、かじやまでいくつもりだよ。」
「でも、どこにあるの、[かじや/そり]は?」ディックがいった。
[ここからじき/すぐ近く]だよ。」と、ディクソンおばさんがいった。
そりは、まき小屋こやにあった。できたてのがんじょうなそりだった。 べックフットの大型おおがたそりほど腰高こしだかでなく、長くもなかったが、どんなにはげしく使つかっても大丈夫だいじようぶな、りっぱなしっかりしたそりであることはだれが見てもわかった。
148-149 ‘Sledge,’ cried Dick. ‘Was he making a sledge?’
‘I thought it was a coffin,’ said Dorothea.
‘You should have been asleep,’ said Mrs Dixon. ‘I heard you gadding round. Well, it’s all done now, and wanting nobbut a couple of iron rails, and that’s blacksmith’s work, he says, and he’ll be going in to the smithy when you’ve done breakfast.’
‘But where is it?’ said Dick.
‘Not so far,’ said Mrs Dixon.
They found it in the woodshed, a new, strongly built wooden sledge, not so high off the ground as the big sledge from Beckfoot, not so long either, but, as anybody could see a good strong sledge, fit for a lot of hard work.
 四つのitが同じものを指すと考えるのは自然でしょう。
 また、ずっとそりが話題になっており、ディックがかじやの所在を尋ねるよりは、そりがどこにあるのか尋ねていると考えた方が自然です。
#20068 LMSさん
188 そこで、まもなく、ディクソンおじさんとディックは、牛乳運搬ぎゆうにゆううんぱん荷馬車にばしやに、あたらしいそりと、[/ディクソンおじさんが]すべり金にちょうどよさそう[な/だという]長さのてつのレールをのせて、いっしょに出かけていった。 149 And presently Mr Dixon and Dick drove off togetehr in the milk cart, with the new sledge and some lengths of iron railing that Mr Dixon thought would happen be just the thing. #19625 ミルクの森さん
189 しかし、みずうみはやがてすっかりこおるね。そうなったら商売繁盛しようばいはんじようだろうなあ[?/] 150 But t’ lake’ll be froze all over yet, and that’ll be good for trade. #19625 ミルクの森さん
196 古い[/青色の]屋形船やかたぶね 155 An old blue houseboat #19625 ミルクの森さん
「しかし、なんだい、あれ?」と、ディックがいった。[/(改行)]
「だれかがあそこに住んでるの?」[/と、ドロシアがいった。]
‘But what is it?’ said Dick.
‘Does anybody live there?’ said Dorothea.
#19625 ミルクの森さん
208-209 「わたしは[そうなる/笑う]のをってたんだよ。」と、お医者いしやさんがいった。「だれもあごはいたまないんだね? そりゃけっこう。あんなふうにわらえるんなら、どこもわるいところはないな。 164 ‘That’s what I wanted,’ said the doctor. ‘Nobody holding aching jaws? That’s right. If you can laugh like that there’s nothing amiss. #19658 ミルクの森さん
210 医者いしやさんが小さなつつみをペギイにわたすと、ペギイは[/ちょっと見てから]それをふってみた。 165 He handed the little parcel to Peggy, who looked at it and shook it, #19658 ミルクの森さん
ねつえるものかときいたらね。」と、お医者いしやさんがいった。「とかさないかぎり[危険きけんはない/だいじょうぶだ]といってたよ。そんなわけだから、中になにがはいっていても、おたふくかぜがうつることはないと保証ほしようするよ。[とにかく/まあ]伝染でんせん危険きけんがあると考えたわけじゃない。 ‘I asked her if it would stand heat,’ said the doctor, ‘and she said that so long as I didn’t melt it, it would take no harm. So there it is, and whatever is inside it, I can guarantee it free from mumps. Not that I think there was any danger anyway.  加熱して消毒したと思われます。 #19658 ミルクの森さん
211 あけようとしながらいった。[/(改行)]
 ふたはきつくしめてあったので
struggling with the lid.
 It fitted tightly and
#19658 ミルクの森さん
212 ほら、ナンセンのフラムごうは何年間もこおりの中にいたじゃないの。ナンセンの探検たんけん[が、今までずっとナンシイのあたまの中にあった/隊はフラム号で暮してた]のよ。そして、ここにはいつでもじぶんたちをむかえてくれるフラムごうがあるじゃないの。 166 Why, Nansen’s Fram had been in the ice for years. His expedition had lived in her. And here was a Fram ready and waiting for them.  herがフラム号を指すのではないでしょうか。 #19658 ミルクの森さん
213 ぺギイがいった。[(改行)/]「フラムごう said Peggy. ‘We’re just going to #19658 ミルクの森さん
213 [わかったわ/そうねえ]。フリント船長せんちようがほんとうに船室せんしつ換気かんきをのぞむのなら[いいわ/]。」とスーザンがいった。 167 Well, if you’re sure he’d like to have the cabin aired,’ said Susan. #19658 ミルクの森さん
217 こういうものは、もちろん[/長いすのすみにおかれた]クッションをのぞいて、ぜんぶ、じゃまにならないようにまどまどあいだかべにかけてあった。 170 All these things, except, of course, the cushions, which were in the corners of the settees, were hung on the walls, out of the way, between the windows; #19658 ミルクの森さん
218 ペギイは、今が午前ごぜんのなかばなのに、時計とけいはりが3時半でとまっているのを見て、まっすぐ時計とけいまで歩いていき、[/ふたをあけると、]そばにさげてあったねじきでねじをまいた。それからジョンに正確せいかくな時間をたずねて、はりをそれに合わせると、ぴしゃっとガラスのふたをしめた。 Peggy, seeing the hands of the clock standing still at half past three, though it was in the middle of the morning, marched straight up to it, opened it, and wound it up with the key that was hanging beside it. She asked John what the right time was, and when he told her, set the clock and closed its glass door with a sharp click. #19688 ミルクの森さん
ドロシアは物語ものがたりをさがしたのだが、[『砂漠さばくのなぞ』/『砂洲の謎』]以外いがいには一さつもなく、その一さつもはじめのところにある[地図ちず/海図]をちらっと見ると、ドロシアごのみの本ではなさそうだった。 170-171 Dorothea had been looking for stories, but there were none except The Riddle of the Sands, and that, when she glanced at the charts in the beginning of it, did not seem her sort of book.  The Riddle of the Sands by Erskine Childers 1903は、『砂洲の謎』アースキン・チルダース著、斎藤和明訳 筑摩書房《世界ロマン文庫》1978年6月発行 ISBN: 4-480-20815-1として出版されました。WWW上でも読めます。 #20640 COOTさん
222 船首せんしゆべやには石油せきゆがたくさんあったし、点火用てんかよう変性へんせい[酒精しゆせい/アルコール]も大びんが一つあった。[/ジョンとスーザンは、こうしたものを扱う際のペギイのやや乱暴なやり方は信用しないながらも、石油ストーブにとってもきちんと使った方がいいだろうという気持ちになった。]まもなく、スーザンすら、屋形船やかたぶねがじつは他人たにんのものだということをほとんどわすれてしまった。 173 There was plenty of oil in the fo’c’sle, and a big bottle of methylated spirits; and though John and Susan did not trust Peggy’s rather rough and ready way with such things they came to think that it would be rather good for the Primuses to be properly used. Before very long even Susan had all but forgotten that the houseboat really belong to somebody else.  『六人の探偵たち』164頁も参照ください。 #19760 ミルクの森さん
224 とうだての乗合のりあい馬車ばしや[角笛つのぶえ/ラッパ]きならしてみずうみをわたったよ。 176 coaches with four horses and horns blowing crossing the lake 『ツバメの谷』145頁では、「おとなの背丈せたけほどもある長い馬車ばしやラッパ」a very long coach horn, nearly as long as a manです。 #16977 ミルクの森さん
225 戸外こがいでは、七人とも、そりをひっぱって[/スケートで]氷上ひようじようすすむ長いたび訓練くんれん着々ちやくちやくかさねていた。 176 Out of doors they were steadily training themselves of long journeys over the ice on skates, towing sledges. #19760 ミルクの森さん
それから、ドロシアが、どうしても主人公しゆじんこうを海につれていかなければならなくなると、大さわぎがまたはじまるのだった。[/ほんとうに朗読する方が楽だった。] 177 and then, when she simply had to take her hero to sea, uproar would break out again. It really was easier to read aloud. #19760 ミルクの森さん
226-227 サイラスがいった。「そうとも。おそらく、あそこはここよりゃさむいだろうね。しかし、[あのわかしゆうたちも/]毛皮けがわ[りゃ/てるので]さむかない。」
 「毛皮けがわ?」と、ディクソンおじさんがいった。
 「クマの毛皮けがわのようなものだね。」と、サイラスがいった。「それにくるまれば、まあ安心あんしんして外に出られる。」
Silas said, ‘Aye. It’s colder up there than here, likely, but with the furs them folk wear they don’t feel it.’
 ‘Furs?’ said Mr. Dixon.
 ‘Bearskins and such,’ said Silas. ‘Fair wadded out with ’em.’
 現在形だし、北極の話をしているので、北極の住民が寒く感じないといっているではないでしょうか。 #19760 ミルクの森さん
230 北を見ないではいられなかった。[(改行)/]七人の探検隊員全部たんけんたいいんぜんぶ 179 beyond the islands. All seven explorers, #19760 ミルクの森さん
231 「ツバメ、アマゾン、ディーきょうだいの意味いみよ。」と、ペギイがかたごしに[ふりかえって/のぞきこみながら]説明せつめいした。 181 ‘Swallows, Amazons, and D.’s,’ Peggy explaiend, looking over his shoulder. #19760 ミルクの森さん
233 ジョンが、ロジャのスケートのねじをきちんとしめて[/、ひもの位置をなおして]やっていると、ティティがあえぐようなよわいさけび声をあげた。 182 John was screwing it up properly, and getting the strap in the right place, when there was a faint, breathless cry from Titty, #19760 ミルクの森さん
ディックとドロシアは、じぶんたち[だけで/自身では]帆走したことがなかった。 Dick and Dorothea had never sailed themselves.  Dきょうだいは帆走未体験のはずですしby themselvesではないので。 #19760 ミルクの森さん
235 そして、ジョンは、ツバメごうのような、[船首せんしゆ船尾せんびにつける/縦]ならあつかえたが、四角しかくうごきはまったくそれ[ら/]とはちがうことを知っていた。 184 and though John could handle a little fore-and-aft sail, like Swallow’s, he knew square sails worked altogether differently. fore-and-aft sail:【海事】縦帆[1]
square sail:【海】横帆[2]
#23043 LMSさん
243 なにも話さなかった。[/(改行)
 「どうしてぼくたちも、そりを帆走させちゃいけないんだい?」と、ディックはドロシアにいった。
「ぼくたちが
189 talk of nothing else.
 ‘Why should’t we sail, too?’ he asked her. ‘Think if there was right wind when we go to the North Pole
#19760 ミルクの森さん
245 農家のうかにはいっていった。[(改行)/]大きな客間きやくま 191 and went into the farm. There, in the big parlout, #23067 LMSさん
277  「また、あれが出てきた。」と、ディックがいった。「ちょっと、あれを見てごらんよ。」
 [/「〈彼女〉よ。」と、ドロシアがいった。「みんな、絶対に〈あれ〉なんていわないわよ。」
215  'There it is again,' said Dick. 'Just look at it.'
 'Her,' said Dorothea. 'They'd never call her “it”.'
【紹介】「ねえ、ナンシイ。進水前の船って彼女というの? それとも、ただ、それっていうの?」(『スカラブ号の夏休み』14-15頁) #23067 LMSさん
284 「でも、あなた、石油せきゆ[/ストーブ]はどうするつもり?」 219 'But how are you going to manage about the Primus?' #23067 LMSさん
285 ふね指揮者しきしやであるという気もちになる方法ほうほうをみつけなくてはならなかった。[そこで、/他のだれもと同じくらいフラム号の内部はよく知っていたが、もう一度船内をくまなく見てまわった。]船首せんしゆべやをのぞきこんで、 but in command of the ship. She knew the inside of the Fram as well as anybody, but she went all over it once again. She looked into the fo'c'sle, #23067 LMSさん
300 それで、だれもきみたちをい出しにこなかったというんだね? どんなことにぶつかるか、こりゃわからんな。[ふむ、/]この土地のものはだれでも知ってるんだ[/が]な[/あ]。 229 And do you mean to say nobody’s come to turn you off? I don’t know what things are coming to. Why, everybody in the district knows... このWhyは意外・驚きを表します。 #15909 LMSさん
310 フリント船長せんちようのトランクのむすんであったべックフットのパンをひろげた。[/バターもジャムもなかったが、それはなんでもなかった。]フリント船長せんちようは、ときどき、いやおうなく、じぶんの船室せんしつのものすごい乱雑らんざつぶりに気づいたが、 237 and the loaf that had come from Beckfoot tied to the handle of Captain Flint's suitcase. There was no butter or jam, but that did not seem to matter. Every now and then Captain Flint could not help noticing the dreadful mess in his cabin, #23073 LMSさん
320 [/それでも、]あのふたりが思いなおしてとまるのをやめ[なかっ/]たとしても、ぼくはちっともおどろかないよ。」と、ジョンがいった。 244 ‘All the same,’ said John. ‘I wouldn’t be a bit surprised if they hadn’t thought better of it.’ 『英語基本動詞辞典』(小西友七編 研究社)のsurpriseの項によると、このような場合、if節にnotが入ってもなくても意味は同じとあります。 #15872 真田寛さん
[ぼくたちみたいに考えなおしなんかしないよ,あのふたり/思いとどまってるか、船にとどまってるか、だね]。」と、ロジャがいった。 ‘They couldn’t think better of it than we do,’ said Roger. think better of itをジョンは熟語の意味で使ったのですが,ロジャはそれをわざと文字通りにとって,まぜっかえしてるんじゃないでしょうか? #16063 真田寛さん
330 フリント船長が出かけたとたん、スーザンが総指揮をとり、冬のさ中ではあったが、フラム号を正式に大掃除した。 251 Susan took complete command the moment he had gone, and the Fram was given a regular spring cleaning, middle of winter though it was. 【薀蓄】英語では「大掃除」のことをspring cleaningといい、春先にやるようです。 #23073 LMSさん
333 はじめのうち、フリント船長せんちよう帰宅きたくは、[屋形船湾やかたぶねわん/屋形船やかたぶね]がフラムごうでなくなることを意味いみするのではないか、 253 the houseboat #15668 LMSさん
340 とてもよごれていた。[(改行)/]しかし、質問しつもんは、 258 who was both very hot and very dirty; but the only question that was asked him #23073 LMSさん
341 「ばんばんざーい[/三千唱]!」と、ジョンがさけぶと、 259 'Three thousand cheers!' shouted John, #23073 LMSさん
371 クリスマスのプラム・プディング(フリント船長せんちよう船首せんしゆべやで火にかけ、もうもうと湯気ゆげのたつのを・・・ 280 Christmas plum-pudding(that Captain Flint set on fire in the fo’c’sle and brought in triumphantly flaming on its plate) フリント船長が船首べやで火をつけ、燃えているのを・・・ #4699 Titmouseさん
372 「そして、北極ほつきよく[へはいつつくの/についたら]?」と、ロジャがいった。 281 'And when we get to the Pole?' said Roger.  And (what shall we do) when we get to the Pole?という文が省略されたものだと思います。 #23073 LMSさん
377 「なんのさわぎだね?」と、[ディクソン/ジャクソン]おばさんがいった。 285 Mrs. Jackson ジャクソンおばさん #15668 LMSさん
379 三人が[屋形船湾やかたぶねわん/ハリ・ハウ湾]を出て、 286 Holly Howe Bay
384 ルイスウェイトさん 289 Lewthwaite 『スカラブ号の夏休み』219, 338, 370, 371, 374, 379, 393, 439頁ではルースウェイトとなっているので統一した方がよいと思われます。 #16903 HEARTYさん
395 つなをぐいっとひっぱった。[/(改行)]
 つなは二つよくひかれて、
298 Dorothea jerked at the line.
 Two jerks came back in answer
#23085 LMSさん
396 そして、さけび声がきこえた。[/(改行)]
 ディックが、ふぶきと
She heard the shout.
 Dick struggled back into sight.
#23085 LMSさん
397 ずぶずぶ雪にはまりこんだ。[/(改行)]
 突然とつぜん、雪がはげしく
299 as if there was nothing firm for foot to stand on.
 The grey shape of the building disappeared, just for a moment,
#23085 LMSさん
407 コルクをはめたおぼえはない。」[(改行)/]コルクは、 307 I’m sure I never shoved the cork in like that.’ The cork was nearly level #23085 LMSさん
411 「ナンシイに知らせにいって、つれてくるべきじゃない? [/このことを聞いたら、こられなかったことを、とっても残念に思うわよ。] 310 'Oughtn't we to go and tell Nancy and get her to come? She'll be awfully sick at not coming when she hears about it.' #23085 LMSさん
416 [見えたってしかたがないさ/どうしようもないよ]。」と、ジョンがいった。「ぼくたちは、みずうみおくをぐるりとまわってから、むこうぎしをべックフットまでくだるんだ[から/]。」 314 'Nothing for it,' said John. 'We'll go right round the head of the lake, and then down the other side to Beckfoot. There is nothing for it:ほかにしようがない。[2]
 救助隊は湖の北端近くまで来たのですが、Dきょうだいは発見できません。だからといって、救助隊長のジョンとしては、捜索を打ち切るわけにはいきません。このまま前進を続けて、湖の向こう岸を探すしかない、それよりほかにどうしようもない、という意味ではないでしょうか。
#23085 LMSさん
418 うれしそうにさけんだ。[/(改行)]
 「ばんざーい!
315 from whole rescue party.
 ‘Hurrah! Hurrah! They’re here!’
#23085 LMSさん

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