Lake District を「ディストリクト湖」と翻訳しちゃったお茶目なカレンダーがありましたが、もちろん、湖水地方のことです。ランサマイト以外の方にとっても、普通の観光地だったり、うさぎさんの故郷だったり、ワーズワースなんて偉い詩人さんの縁の地であったりする訳ですが、ここでは、もちろん、ランサマイトの為の「歩き方」であります。1992年5月と1994年8月に行ったときのデータが元なので少し古いかも知れません。
In the Footsteps of the Swallows and Amazons by Claire Kendall-Price Maps by Roger Wardale (ISBN 0 95211 86 02) ランサム縁の地を歩くコースを紹介しています。写真とイラストを組み合わせているのでモデルになった土地が分かりやすくなっています。
イングランドの北西部にあり、鉄道ではエジンバラから3時間、ロンドンから5時間くらいのOxenholmeという駅から支線に入ります。終点がWindermereであります。ここで、いきなり終点までいってしまうのではなく、手前のKendalから、始めましょう。
この「産業と生活の博物館」Museum of Lakeland Life and Industryの一室が「アーサー・ランサムの部屋」になっています。本棚(1992年8月に撮影した左の写真です)の最上段には、「シリア」のスリッパ(*1)があり、各国語版の「ランサム・サガ」(*2)が陳列されています。もちろん、岩波の「アーサー・ランサム全集」もあり、一番大きくひときわ立派に見えます。
J.R.R.トールキンの『ホビットの冒険』もあり、ランサムの伝記とトールキンの書簡集にでてくるランサムがトールキンに送った手紙のことがしのばれます。壁にはランサムの写真や湖水地方の地図がかざってあり、ランサムの机も再現されています。
扉の外にはTARS(The Arthur Ransome Society)の宣伝ビラもはってあります。この中には日本の写真もありましたが、今はどうなっているでしょうか。ちなみにTARSという、普通は使わないtheまで入れてしまう無理な頭文字の取り方は、「タールの匂いのする船乗り」という意味との掛け言葉を考えてのことだそうです。
ミュージアムショップにはランサムの著作やランサマイトのための湖水地方の地図がありました。サガの地名と「現実」の地名の対応してあります。その他、ランサムの関連書も置いてありました。Swallows and Amazons for ever というツバメとアマゾンの旗のデザインのバッジも売っていました。この辺もランサマイトには見逃せないところでしょう。
1992年に行ったときは、「営利目的に使わない」という誓約書を書いて、料金を払うと写真を写させてくれたのですが、1994年のときは駄目でした。その時の係の人が知らなかったせいならいいのですが。
註1 初期の『ツバメ号とアマゾン号』の献辞には「この本はスリッパと引替えに書かれた」なんて、アルツンヤン一家に対する謝辞があったのです。これはランサムが仲違いしたので、削ってしまいました。
註2 日本のアーサーランサム全集に対応する、『ツバメ号とアマゾン号』に始まる12巻のことをそう呼んでいます。
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