ウィンダミアの駅の前にはインフォメーションがあるのでB&Bを探したりは便利です。ただし、ランサム関連を回ろうとするとウィンダミアでなく、コニストンへも近いアンブルサイドの方がいいかもしれません。
特に、Hillthwaite House Hotel だけはやめた方がいいです。一見見晴らしのいい丘の上のホテルですが、行き帰りの坂の登り降りが大変だし、日本人だったせいか、布団部屋みたいな部屋だったし、食堂でもすみにしか座らせてくれません。(;_;)
A to Z Visotors' Map of Lake District もここのインフォメーションで買いました。オールドマンに登る以外はだいたいこれで済みます。
ウィンダミア湖(というのは、mere が「湖」の意味なんで、Mt. Fujisan みたいないい方らしいですが)は、ウィンダミアの町からは見えません。ここから、南西に向かって降りていくとボウネスに港があります。(ボウネスがランサム・サガのリオに当たります。以下、ランサム・サガの地名を括弧内に示します。)沖に見える大きな島がベル島(ロング島)です。ウインダミア湖は南北に細長い湖で、ボウネスがほぼ中央でここから北の端のアンブルサイドまでにはほとんど島がなく、逆に南の方にはいくつかの島があります。
ボウネスの港に着いたら、手の平を水につけて「湖に挨拶」するのもよいでしょう。海が近いのでかもめのたぐいもたくさんいました。
港でヤマネコ島のトレーナ(おっと、スウェットシャツと言わないと「和製英語」と怒られる)を着てうろうろしていたら、観光船の船長さんに「ランサムのファンならランプホウムつまりヤマネコ島にうちの船で行きな」なんていわれます。
「ヤマネコ島はコニストン湖のピール島じゃないの」なんて、ちゃちゃをいれると、
「ランサムはニュービーブリッジに住んでいたんだ。ウィンダミアに決まっている」と、商売もあるのでしょうがすごい剣幕です。(^_^;)
ボウネスからは、北のアンブルサイドや南のレイクサイドとの連絡船やもっと小型の周遊観光船が運航しています。時間がないのでしたら、南側を回る連絡船がいいでしょう。シルバーホウム(ウの島)、ヤマネコ島に位置があっているブレイクホウム、「上陸地」があるランプホウム等の重要な島があります。
ボウネスの南の島を回るには、三つの方法があります。
一つは、レイクサイドまで行く連絡船、次はもっと小型の湖周航の観光船、そして、最後はモーターボートかヨットを借りることです。手こぎボートではかなりきついです。
時間がなくて、ラスランドとかニュービーブリッジに行くついでならば、連絡船もいいです。また、視点が高いので島が見付けやすいです。駆逐艦は、連絡船で楽に島が見つかったので油断していたら、ボートからは見逃しました。
もちろん、ヨットからの視線に近いという点ではボートを借りるのは捨てがたいですが。また、モーターボートといっても電動でスピードが出ないので、間違っても「愚連隊」のようなまねはできないし、陸者でも操縦は簡単です。もちろん、帆走できるならヨットを借りるのが一番というのはいうまでもありませんが。
ボウネス(リオ)を出るとベル島(ロング島)があり、これを過ぎて南に向かうと左手にランプホウムがあります。ちなみにウィンダミア湖の島で island が付くのはロング島だけで、残りはすべて holme と呼ばれています。北イングランドの方言で「中ノ島」というくらいの意味だそうです。
このランプホウムは、近くに住むジム・アンドリュース氏によると、ヤマネコ島のモデルだそうです。もっとも彼の説によると、彼の家の位置がハリハウになるそうですから、少し割引して考える必要がありそうです。(^_^;)
島がそんなに高くなくて「上陸地」から「キャンプ場」までほぼ平ら、という条件にはあっているようです。逆に灯台の木とか秘密の港がないのはしんどい。これらは「他の島から持ってきて繋ぎあわせた」とのことです。
さらに進むと、シルバーホウム(ウの島-1994年8月に撮影した右の写真)があります。木が欝蒼と茂ってしまっていますが、少し残った岩肌は挿絵のウの島を思い起こさせます。遊覧船でシルバーホウムというのがあります。残念ながら、Cormorant Island という船はないようです。(^_^;)
さらに南にはブレイクホウムがあり、これが位置的にヤマネコ島という説も有力です。
94年に行ったときには「縁だけ緑だった」というブリジットのモデルになった方の「証言」をもとに塗りなおされていました。ついでにこのとき「アマゾン号」と命名されてしまったので、AMAZONと大きく書かれてるのも正式になっています。
映画の撮影で「屋形船」として使われた、エスペランスが博物館の外に繋留されています。最近は緑のオウム等の屋形船として飾り付けが行われているそうです。映画のスティルが館内に展示してあります。ナンシイがモップでフリント船長を突き落とす所でした。このシーンは現在手に入るビデオにはないので、もっと古い映画のようです。
1895年の冬にはウィンダミアが凍結して、氷上ヨットができたという写真も展示されています。
ここのミュージアムショップにはジョナサンケープのランサム・サガがならんでいました。ここからHaverthwaiteまで観光鉄道が走っています。『ツバメの谷』の冒頭の汽車はこの路線がモデルだそうですが、残念ながら廃線に追い込まれていて、Haverthwaiteの鉄道博物館までの観光鉄道が残っているだけです。途中の駅はNewby Bridgeだけ。Newby Bridgeの近くのHilltopはランサムが住んでいたこともある場所だそうです。
やっとRuthlandに着いても教会は見当りません。丘を一つ越えた村外れの小高い丘の上にあるのです。(94年8月に写した右の写真)村人に聞くと親切に教えてくれて、帰りにあったら「ちゃんと行けたか」と、フォローしてくれました。墓地はそう広くなくて、ランサムと妻のエヴゲーニアの眠るお墓はすぐに見つかります。写真は教会の正門から撮っています。お墓はこの裏手になります。Ruthlandもそちら側で、徒歩の場合はpublic footpathで牧場を抜けて教会に入ります。
二人は、ランサム自身の希望により、この教会に葬られています。
ボウネス(リオ)から遊覧船で北に向かうとアンブルサイドがあります。
94年に「このへんに北極があった」というブリジットのモデルになった方のご託宣があったそうです。このため、TARSのメンバーが「水脈占い」で「見つけた」場所に「アーサー・ランサムの北極」というプレート(94年8月に写した左の写真)が埋めてあります。The Wateredge Hotelの隣の水辺の公園です。ただ、湖岸の丘の上くらいのイメージだったのですが、ほぼ湖と同じ高さです。
ここのインフォメーションにもランサム関連の参考書があり、「カンチェンジュンガに登りたい」、なんていう相談にも乗ってくれました。
コニストンへの交通の便もいいし、ランサムランド巡りの拠点にするにはいいところだと思います。特に、Busy B's(tel 31028)というタクシーは親切ですのでお勧め。