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第1章 シロクマごう

 NIFTY-ServeのFSHIPでLMSさんが発表された『シロクマ号となぞの鳥』(1964.5.30第2刷)とアーサー・ランサム全集第12巻『シロクマ号となぞの鳥』(1999.6.7第19刷)を元に、次の比較一覧にまとめたものです。  英語版への参照にはPuffin BooksのGreat Northern?, impression of 1973を使いました。
 修正の表記については、真鵺道によりました。
2001. 2.16 高橋誠
変更 内容 英語表記
内容
9 9 ふと、海の方に[/む]けると 13
それは[とお/とお]くはなれて
[そこで、/]少年はすぐにまた白帆しらほ[/む]けて and presently he turned his back on it
ナンシイが[かじ/かじ]をとる
いわだらけの海岸かいがん[/む]かって
ミンチ海峡かいきようはよくれる海[だった/なのだ] The Minch can be a stormy sea,
小さなわん[/む]かっていた。
フジツボや海草かいそうをかき[/と]
[ち/][/ち]ぬしにかえす
と、フリント船長せんちようはいっ[てい/]た。 Captain Flint had said.
10 と、ロジャがうなづい[てい/]た。 Roger had agreed.
10 ナンシイは[かじ/かじ]
つな操作そうさ[て/手]つだえるように
ふね[/む]かっている
小湾しようわんへの[つう/しん]目標もくひようとなる。 14 that would show them the way to the cove
前部ぜんぶ[甲板昇降口かんぱんしようこうぐち/ハッチ] forehatch
風が[よわ/弱]くなりすぎた
[エンジンをかけろ/機関きかんをうごかせ] to start the engine
[むかし/かつて]は、みなとにはいる
出ていく大船おおぶね水先案内人みずさきあんないにん収容しゆうようしたりする[時に、このふねうごかした人/役目やくめの男]たちがつかっていた They had been used in old days by the men whose business it was to take the cutter to sea to meet the big ships coming in, put pilots aboard them and pick up other pilots from the big ships outward bound.
11 六人[が/は]大船室だいせんしつだながた寝床ねどこにね[/てい]た。
[いちばん小さいロジャは/ロジャは、いちばん小さいので] Roger, being the smallest
11 ミンチ海峡かいきよう[の両側りようがわにある/をはさむ]スコットランド[や/と]外ヘブリデス諸島しよとう海岸線かいがいせん[がかいてある/を示す] that showed the coasts on both sides of the Minch, the Scottish mainland and the Outer Hebrides
シロクマごう[ち/][/ち]ぬし 15
掃除そうじするつもりだといった[時/とき]
掃除そうじする[時/とき]
鉛筆えんぴつ[か/書]きこみ
個人用こじんよう航海日誌こうかいにつし[/のきょうの分]を書いていた。 and bringing up to date her private log of the voyage,
シロクマごう風上かざかみ[/む]かって
だなにはらばって書く[方/ほう]が、船室せんしつのテーブルに[/む]かって
12 12 ドロシアは[帆柱ほばしら/マスト]
[あたら/あたら]しい物語ものがたり
それとも[つるつる/きれい]にひげをそった clean-shaven
[「/『]鳥のポケットブック[」/』]
最初さいしよにきいた[時/とき] 16
[もぐり鳥/水にもぐるやつ]が見られるよ we’ll be seeing Divers
[もぐり/水にもぐる]
金ののべぼう[/も]って
もっとも、[いま/今]ごろだと
[じぶんで観察かんさつした鳥のリストに、ほかの鳥をたくさん/ほかの鳥をとてもたくさんこの目で見て、リストに]つけくわえることができたのだからと考えて by remembering how many others he had been able to add to the list of birds he had seen with his own eyes
13 13 方位[西/W]½[北/N]の四角山の 18 Sq Top bearing W ½ N
海図の下の説明:
マックのふねにあった小湾しようわん海図かいず[/(改行)]
わたしたちでいくつか名[前/まえ]を書きこんだ(あまりきれいに[か/書]けなくて失礼しつれい[/(改行)]
ナンシイ・ブラケット
14 14 海図かいず[/も]った。
二つに[/わ]かれている
南にはなだらかな土地[とち/]
小さなみずうみがたくさんあ[った/る]
かんたんで[分/わか]りやすい略図りやくず[方/ほう]興味きようみ[/も]っていた。
[</「]方位ほうい[西/W]1/2[北/N(2)]四角山しかくやま北端ほくたんふねを入り口北側きたがわ絶壁ぜつぺきにみちびく[>/」]
ジョンは海図かいずを手に[/も]ったまま
15 15 スーザン[すら/までも] 17
前部ぜんぶ[甲板かんぱん昇降口しようこうぐち/ハッチ]のふた the forehatch
オオハムは海岸かいがん[のそば/に近い山]みずうみでみつけられると[か/書]いてある here it said that Black-throated Divers were to be found on mountain lochs near the coast
なんの[いみ/意味いみ]もなかった。
じぶんの名[前/まえ]
16 16 ドロシアが[昇降口しょうこうぐち/階段かいだん]から大声でよんだ。 19 Dorothea called down the companion ladder.
階段かいだんまで[ある/歩]いていた。 and reaching fot the ladder.
すぐに見分[/みわ]けがつくので
航海こうかいのはじめの[ころ/ころ]
その時ディックは[/、]テロダクティルとは
[た/立]ちどまって見送みおくった。
「また、鳥をさがしに[行/い]くな。」
鳥をさがしに[行/い]くんだ。
「なにをしてる[ひと/人]ですって?」
[せん/]はなれてても[で/出]かけるそうだよ。
大きな[快速艇かいそくてい/モーターヨット] the big motor yacht
17 17 じっと見まも[り、/ってから]ふねにもどると、[横静索よこせいさく(2)/シュラウズ(3)]をつたって[墻頭横材しょうとうよこざい(3)/クロストリーズ(4)]までのぼり、港外こうがいに出た[快速艇かいそくてい/モーターヨット] and, after they were back aboard their ship, he had climbed the rigging to the cross-trees and caught just a glimpse of her outside
[ふね/船体せんたい]はもう見えず
はるか北方[/ほっぽう]の海鳥のすみか[、/]をめざしていた。
[ち/][/ち]ぬしと話しあえたら 20
[エンジン/機関きかん]のすきなロジャ以外いがい
たとえ[、/]モーターでうごくとしても[/、]テロダクティルごう鳥類研究家ちようるいけんきゆうか[ち/][/ち]ぶね
いつも[す/]んでいられるほどの
あんなふね[/も]っていたら
二、三十メートル前をよこ[/ぎ]った]。
こっちはとまってる[もおな/とおな]じに
あんなやり方をしない[方/ほう]
18 18 甲板室かんぱんしつの中[から/で]操縦そうじゆうするように
だれが[かじ/かじ]をにぎっているのか
[快速艇かいそくてい/大きなモーターヨット]甲板かんぱんには on deck as the big motor yacht
あの[人/ひと]
フリント船長せんちよう[昇降口しょうこうぐち/階段かいだん]をのぞきこんで 21 Captain Flint, glancing into the companion
みなとの名[前/まえ]はいうことができない。
ガソリンを[い/入]れにみなとへはいれば
ドロシアが[にいさん/おとうと]のディックにいった。 said Dorothea to her brother
どこかほかへ[行/い]くんだよ。
[エンジン/機関きかん][かけよ/うごかそ]うよ。」
ロジャが船尾せんびまでやってきて[、/]いった。
ずっとはやいのが[/、]がまんできないのだ。
[エンジン/機関きかん]のことなんかつべこべいってないで
とっとと船首せんしゆ[行/い]ってなさいよ。
19 19 [見/み]てろよ。すぐにきみから[エンジン/機関きかん][かけろ/うごかせ]っていいだすから。」[と、/]いそいでまた
[いっしょう/一生いつしよう]けんめいだった。
ナンシイは[羅針儀らしんぎ/コンパス(羅針儀らしんぎ)]をのぞいたり
[やりだし(4)/ボースプリット(5)]と同じ方向を
「あれかも[知/し]れないな。」 22
左舷さげん[横静索よこせいさく/シュラウズ]をつたって、[墻頭横材しようとうよこざい/クロストリーズ]にのぼった。
20 20 「ウェスト・ハーフ・ノース[(5)/]です。」
[でかし/よくやっ]たわ、シロクマ号。」 ‘Good for the Sea Bear,’
[昇降口しょうこうぐち/階段かいだん]からぬっと出て showed in the companion way
21 21 もう前部ぜんぶ[甲板かんぱん昇降口しょうこうぐち/ハッチ]のふたをあけて had opend the forehatch and was already
スーザンの手が、[今度こんど/こんど]
また、[昇降口しょうこうぐち/階段かいだん]にあらわれた。 up again through the companion
ペギイも[あと/あと]につづいた。 23
[行/い]きなさいよ、ジョン。」
もう少し近づいてからの[方/ほう]
あなたも[行/い]きなさいよ。
ディックは、南の方を[/む]いて、海岸線かいがんせんからつき[出/だ]している
もう、[快速艇かいそくてい/あのふね]は見えなくなって He could not see the motor yacht any longer.
ジョンの後について[昇降口しょうこうぐちの/]階段かいだんをおりた。 He followed John down the companion.
甲板かんぱんは、[かじ/かじ]をにぎっている
コップと[お/]さらのふれ合う音が、足[下/もと]できこえた。
この[方/ほう]がずっとよかった。
22 22 「めずらしい[ひと/人][で/出]あうわよ。」 ‘Strangers,’
「やっぱり見られるのかも[知/し]れないわよ。」
みんなお茶などにひまをつぶさ[ないで/ず]
[羅針儀らしんぎ/コンパス]をのぞいたり 24
見えるのを[/、]今か今かとっていた。
[と、/]望遠鏡ぼうえんきよう[/も]って[墻頭横材しょうとうよこざい/クロストリーズ]にのぼっていた who had taken his telescope up to the cross-trees.
[やりだし/ボースプリット]のまっすぐ前方ぜんぽう Plumb on the bowsprit end.
23 23 家なんて[全然ぜんぜん/ぜんぜん]見えないわよ。
別の[たに/]にあるんだもの
目の前にわんが現れた[/この]最後さいご[どたんへきて/瞬間しゅんかんに] at the very last minute,
風が[よわ/よわ]まってきた。
内陸ないりくの山々の[いただ/いただ]きは
[エンジン/機関きかん][かける/うごかす]べきなんだ。 we ought to start the engine,
[昇降口しょうこうぐちの/]階段かいだんをおりていった。 went down the companion ladder,
24 24 [突然とつぜん/とつぜん]がばたばたした。 25
ナンシイは[針/進]しんろえなくてはならなかった。 Nancy had to change course to fill them again.
船室せんしつのつり[羅針儀らしんぎ/コンパス]
階段かいだんをどかどか[上/あ]がってくると
右舷うげんのジブ[・/]シート
「[下手したてかじ!/さげかじ(8)!]」
ごくゆっくりと[/む]きを[か/]えた。そよ風が北西[/ほくせい]から
白い[海中のしま/海にうかぶ孤島ことう]のように見えた。 It was like an island in a white sea.
それに、ディックはもう一[/、]あのモーターヨットが
25 25 時間[じかん/]もずいぶんおそく
しおがよどむ時間[じかん/]だな。
ロジャ、[エンジンをかけろ/機関始動きかんしどう] We’ll start the engine, Roger.
「アイ・アイ・サー(かしこまりました)[/(9)]。」
「[エンジン/機関きかん]必要ひつようになるっていっただろ。」
船内せんない[エンジン/機関きかん]のまわりだす
26 26 ステースル([8/10]) 26
トプスル([9/11])
ブーム([10/12])
ガフ([11/13])
先端せんたんのあげづな[/も]ってくれ。
水深測鉛すいしんそくえん[/(14)]
ジョンがかわりに[かじ/かじ]をとれ。
シロクマごうは、[エンジン/機関きかん]の音をかえて
操舵室そうだしつ[と/][だな/だな]から 27
27 27 [/も]ってきたケーキもきょうの分は[/た]べてしまった。
風笛ふうてき[(12)/(15)]
注意ちゆうい[ぶか/ぶか]く、いわとヒースの中を、道をひろって[ある/歩]きだした。
シロクマごう[エンジン/機関きかん]
[/(2) W1/2N―ウェスト・ハーフ・ノースとよむ。コンパスの目盛めもりのよみかたの一つ。円周えんしゅう三百六十を三十二等分とうぶんしたものをワン・ポイント、それをさらに二等分とうぶんしたものをハーフ・ポイント、四等分とうぶんしたものをコーター・ポイントという。] 訳注
([2/3]) [横静索よこせいさく/シュラウズ][帆柱ほばしら/マスト][いただ/いただ]きから両船側りようせんそくった支索しさく
([3/4]) [墻頭横材しょうとうよこざい/クロストリーズ][帆柱ほばしら/マスト]頂部ちようぶに、[帆柱ほばしら/マスト]直角ちよくかくにつけてある木。[帆柱ほばしら/マスト]のてっぺんを支え
([4/5])[やりだし/ボースプリット]帆船はんせん[へさき/船首せんしゅ]からつきでている[帆柱ほばしら/マスト]のような円材えんざい
[(5) ウェスト・ハーフ・ノース―羅針儀らしんぎのよみかたの一つ。ハーフとは九十の十六分の一の角度かくど。/]
帆船はんせん風上かざかみ[/む]かい
(7) ジブ[・/]シート―船首せんしゆる三角帆さんかくほ[/(ジブ)]のすみについたつなで、[三角帆かくほ/ジブ]制御せいぎよする。
[/(8) さげかじ―かじの風下かざしもにまわすこと。船首せんしゅ風上かざかみにむく。]
[/(9) アイ・アイ・サー(かしこまりました)―海員かいいん航空機乗組員こうくうきのりくみいん上官じょうかんたいする返事へんじ。]
([8/10]) ステースル
28 ([9/11]) トプスル
([10/12]) ブーム
([11/13]) ガフ
[/(14) 水深測鉛すいしんそくえん―水のふかさをはかるために先端せんたんなまりをつけたひも。むかしはこのなまりそこまでおろしてはかったが、現在げんざいは、音の反響はんきょうではかるから、ふねはとめずにはかれる。三〇ページのカット参照さんしょう。]
([12/15]) 風笛ふうてき[/バグパイプ。]
[/八〇ページのカット参照さんしょう。]

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