2001. 3.23 高橋誠
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変更 内容 |
英語表記 |
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新 |
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内容 |
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空の輝きがうすれる[頃/ころ]、 |
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| ボートの[へさき/船首]をちょっとつかんだが、ジョンとディックが網を[持/も]って小川を |
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| ボートを[向/む]こう岸につけようと、 |
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| 注意[深/ぶか]くボートを |
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| うすぐらい小川の[向/む]こう岸で、 |
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| ナンシイが[、/]敵を見[下/おろ]す場所めざして、 |
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| 午前中みつけておいた道をたどって[行/い]くことができた。 |
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ドロシアの[「/<]城[」/>]や、 |
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Dorothea’s ‘castle’ |
| ボール紙を切りぬいて、 |
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| 道が、そこをこえて、[向/む]こう側の |
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| ディックは、谷の反対側にある、 |
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| さらに悪質な危険物があることを思い[出/だ]した。 |
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| [だいじょうぶ/大丈夫]だ。あとはただ、 |
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| ふたりは湖の岸に[着/つ]き、 |
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| するとゆるやかに傾斜している[つつみ/土手]が、 |
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島に[向/む]かってこぎ出した |
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| きみは網を[持/も]ってここで |
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| さざ波の[立/た]つはがね色の湖水ごしに、うすぐらい[向/む]こう岸を |
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| この網を岩の上にかぶせて[、/]かくれがを |
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| おりたたみ式ボートの[くろ/黒]い影が |
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| 「ジョン[、/]」と、ディックがしずかにいった。 |
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| ジョンが、[とも/船尾]を先にして |
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| 両側の[ふな/船]ばたをつかんで |
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| 「[/それが]なぜうまいんだい?」 |
‘Why?’ |
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ちょうど[、/]その時、 |
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| ふたりは、みじかく[すば/は]やく[、/]オールをこいで、[影のこい||岸辺から四、五メートルほどの]ところを |
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| [突然/とつぜん]、ディックの心臓が |
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| 「ここまでは、うまく[行/い]ったよ。」 |
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一羽のダイシャクシギが[はるか||頭上]でなき声を |
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| 矢のように谷を[よこ/横]ぎるのを |
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| 「まだ[向/む]きを変えないでくれよ。」 |
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| 「鳥に見られずに島の[向/む]こう側につくように、 |
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| まん中の方へ出ていった[方/ほう]がいいんだよ。 |
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| 「[向/む]こう側にはアシがすこし |
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| 心にとめていてくれるなら、[だいじょうぶ/大丈夫]だ。 |
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| ノーフォーク[沼地方/湖沼地方]で観察したことがあるので[/、]オオバンなら、 |
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乗組員[全部/ぜんぶ]がディックをあてに |
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| できるだけ[、/]きみたちをさわがさない |
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| [あたら/新]しい危険が、前方に |
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| ディックは、しずかに[気楽に/のんびりと]おしゃべりを |
the quiet easy chattering of those ducks |
| おりたたみ式ボートは[向/む]きをかえてまっすぐ湖の中央に[向/む]いた。 |
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| ボートが[つつみ/土手]の影の中から |
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夜空を背景に[くろ/黒]く見えてきた。 |
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| [それは/だが、そっちの方は]ぜんぜんきこえず、[ただ/]ずっと上の方で |
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| ディックが、ジョンの[向/む]こう側に目をやると、 |
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| 「島にあがれば、はいてた[方/ほう]がいい。」 |
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両手で[ふな/船]ばたをつかんでいた |
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| 「おりろよ。[へさき/船首]からおりるんだ。 |
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| ぼくは、すぐには[、/]ひろげられないから。」 |
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| 網の束を[持/も]ちあげ、 |
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| 島には[彼/かれ]らふたりだけではなく、 |
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| 「ぼくも[行/い]こうか?」 |
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| 「ひとりだけの[方/ほう]がいい。」 |
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| ディックは[向/む]きをかえた |
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いや、[だいじょうぶ/大丈夫]。ここは、夜のこの時間になっても[/、]南部よりは |
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島の中ほどにある大きな[岩々/いくつかの岩]も見えた。 |
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| [それらは、/][雌/牝]牛かセイウチがねているよう[に見えた/な形だ]。 |
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| ぜんぜんこなかったのと、[ちっと/すこし]もかわりなく |
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| ディックは、大きな網の束に[ひどく苦しめられ/うんうんいい]ながら、注意[深/ぶか]く地面をふんで |
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putting his feet down carefully, much bothered by his big bundle of netting. |
| 人里はなれた小さな湖のまん中にある[、/]こういう島には、 |
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| この岩の[向/む]こうに、 |
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| 二つの間にすき間が[くろ/黒]く[み/見]える。 |
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いたみは[全然/ぜんぜん]感じなかった。 |
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一度、かちっと[いう/]音がした。 |
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| 岩の[向/む]こうの岸辺で[/、]なにかが[うご/動]いた |
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| 水ぎわまでよたよたと[ある/歩]いていき、 |
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| あらあらしい[</「]ホー……ホー[>/」]という |
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| 300 |
301 |
鳥の一羽が[行/い]ってしまった |
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| ディックは網の束をほど[くと、それを/いたが、網が]つき出た岩にひっか[けて/かってしまい]、 |
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He unrolled the bundle and, after a desperate moment when the netting caught on a point of rock, |
| 岸辺にすわっている黒いものは[/、]じっと |
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たぶんたまごはまもなくかえるのだ[、/]という考えが、 |
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| そして、[黄褐色の/モリ]フクロウが、 |
a tawny owl |
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「[行/い]ってしまう。[行/い]ってしまう。」と、ディックはじぶんに[向/む]かって小声に |
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| かくれがが役に[た/立]つかどうかは、 |
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| ディックがすぐにのれるようにボートを[持/も]って、 |
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| 302 |
303 |
「あかるくなってから[、/]もう一度 |
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| ここにのこった[方/ほう]がいいんだ。」 |
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| 「そりゃ、[できない/むりだ]よ。」 |
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| カメラも[持/も]ってきてないしね。 |
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| はやく[行/い]こう。」 |
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| 「[だいじょうぶ/大丈夫]だと思う。 |
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| 岸に[向/む]かってくれよ。 |
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| できるだけはなれていた[方/ほう]がいいんだ。」 |
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| ジョンは、岸辺に[向/む]かい、ボートの[向/む]きをかえて、坂になっている[つつみ/土手]の影の中を |
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| さざ波の[立/た]つ湖上には、 |
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| 303 |
304 |
「ナンシイが[策/、いい計画]を[持/も]ってるよ。」 |
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| 「[つつみ/土手]が落ちこんでいる[/、]ここの[まむ/真向]かいだから。」 |
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| 「かくれがはひとり分のひろさしか |
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| 304 |
鳥が[そのこと/それ]を気にする |
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| ナンシイがうまい[策/計画]を[持って/もって]いると |
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ナンシイの計画は、時には[、/]たくさんの人間が |
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| [帆柱/マスト]の[横静索/シュラウズ]にあかりを |
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| と、小川の[向/む]こう岸で |
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| 「島の上じゃ、もっとしずかに[歩/ある]いたよ。」 |
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| 305 |
「あなた予備のめがねを[持/も]っていない?」 |
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| 「[持/も]ってなくちゃいけない |
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その時は[それっきり||もう]答えず、 |
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| 「わたし、[墻頭横材/クロストリーズ]まであがってたのよ。でも、あかりが[き/消]えてから、 |
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| 306 |
「[だいじょうぶ/大丈夫]とは思うんだけど。」 |
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| 「しかし、[と/飛]びたちもしなかったし、 |
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「網の大きさは[足/た]りたかね?」 |
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| 人手は十分あるし。 |
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| 307 |
あしたは、何時におきなくちゃいけないの? |
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[おとり/子ども]たちは、船室で、 |
the red herrings |
| ディックとロジャだけが一言も口をきかなかった。 |
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| ディックは写真をとる[上/うえ]のこまかい手順を[くまなく/くわしく]考えて |
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| じぶんだけの計画を[持/も]っていたからだった。 |
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| ねむっている見張りを[、/]じっと見ていた |
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| ちかちか光る[横静索/シュラウズ]のあかりをうけて、 |
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| テロダクティル号の[ねどこ/寝だな]にはいって、 |
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