2001. 3.14 高橋誠
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変更 内容 |
英語表記 |
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内容 |
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ほとんどからになると、三人の探[険/検]家は、 |
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| 岩山と空のつくる長い線に一[ヵ/か]所さけ目があり、 |
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| シロクマ号が海岸に[向/む]かって進んでいた時、遠くから見えた家がどこにある[のか/かが]わかった。 |
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道を歩く[方/ほう]がずっと[楽/らく]だよ。 |
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| 「あそこになにがあるかをたしかめずに[/、]もどるわけにはいかないわ。」[と、/]ティティが、 |
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| [左右がヒースの生えた斜面になっている/左右をヒースにおおわれた斜面にはさまれている] |
with heather slopes to right and left |
| [向/む]こう側の土地が見[下/おろ]せた。 |
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| 低い草ぶき屋根の家や小屋や納屋や物置[き/]などが |
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| その[向/む]こうに |
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| それは湾を見[下/おろ]す丘の、 |
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| 家の床と[同/おな]じ高さにした |
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「[ふ/伏]せ。」と、ロジャがいって地面に[ふ/伏]せた。 |
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| 海に[下/くだ]る斜面には |
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| 男や女が[三三、五五/数人ずつ]集まって、泥炭を切っていた。 |
little groups of men and women |
| ふたりの足[下/もと]にはらばって |
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| [ふ/伏]せろよ、見つかっちゃうぞ。 |
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| ティティとドロシアも[ふ/伏]せたが、 |
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犬がなにに[向/む]かってほえてるのかを見に、 |
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| 若い氏族の[かしら/頭]が、 |
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| とりこを塔にとじこめておく[/、]ただの悪漢 |
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| できるだけ[すば/は]やく、ここから立ち去らなくちゃ。 |
as quick as we can |
| 三人は、できるだけ[すば/は]やく |
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As quick as they could they |
| のぼってきた車道を[下/くだ]っていた。 |
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| 湾に見えるシロクマ号の[帆柱/マスト]は、 |
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| すぐに丘を[下/くだ]ってにげられるよ。 |
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「でも、谷間の上の方を探[険/検]するんでしょ。」 |
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「ちょっと[、/]とまって、耳をすましてごらんなさい。」 |
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| すこし時間をおいていから、 |
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| 尾根の[向/む]こうの土人部落を |
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| 「探[険/検]はぜったいにやめられないわ。 |
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| この谷間の探[険/検]は二度とできないわ。 |
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| ディック[は影も/の姿はぜんぜん見え]なかった。 |
but no sign of Dick. |
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三人のはるか前方には、 |
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| [まわら/迂回し]なくてはならないので[/、]大変てまがかかると[、/]三人は思った。 |
but wasting a lot of time when you had to walk round them instead of going straight ahead. |
| 尾根の[向/む]こう側の土人部落のことを忘れさせた。 |
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| ディックのために探[険/検]がだめになった |
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| 探[険/検]の種類は一つではなく、 |
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| ディックにとっては鳥のこともほんとうに[大切/たいせつ]な探[険/検]の一部であり、 |
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| ロジャにおとらない探[険/検]家 |
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| 「いちばんはじめに北極まで[行/い]ったのはだれなのよ?」 |
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今はずっと後ろになっている谷底の湖のほとり[のどこか/]には、[/どこかに]ディックがいることはわかっていた。 |
Down in the bottom, well behind them now, she knew that Dick was somewhere by the lochs. |
| 湖のもっと[向/む]こうには、フリント船長と四人の掃除係[り/]が、 |
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| 斜面にじぶんたち三人の探[険/検]家がいるだけで、 |
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| 点々と群生しているヒースや[コケ/こけ]ばかりだった。 |
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| さまざまな種類の探[険/検]家について、 |
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| [広/ひろ]びろした青空の下で、 |
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| それからちょっとたっ[て/たとき]、ティティは、また、[同/おな]じ感じにおそわれた。 |
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| だれかが見られないよう[/に]近よってきて、 |
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ロジャとドロシアに[た/立]ちどまられて、 |
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| ティティからもあの感じは消え[失/う]せていた。 |
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| ぼくの望遠鏡、きみが[持/も]ってるだろ。 |
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| 牛の群れのように草を[食/た]べていた。 |
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| まだ予定の半分も歩いてないのよ。 |
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| 百メートルたらず前方の |
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| 一頭の大きな雄ジカが立ち[上/あ]がり、 |
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下の方で草を[食/た]べていた雌ジカぜんぶが、[食/た]べるのをやめて移動しはじめた。 |
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谷底のシカたちも移動をやめて、また草を[食/た]べだした。 |
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| 「[行/い]こう。」と、ロジャがいっ[て、/た。]探[険/検]家たちは、 |
‘Come on,’ said Roger, and the explorers set out again. |
| 上の斜面を進む探[険/検]家がいる |
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| 「ぜったい近くへは[/人を]寄せつけないわね。」と、ドロシアがいった。「[後/あと]をつけられることがいやなんだと思うわ。 |
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ほんの一瞬、[大空との接/輪郭]線のすぐ下[の/にある]岩のそばで、 |
skyline |
| しかし、そこに[向/む]かって目をこらしても、 |
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| 「わたしたちの方が[/、]だれかにつけられていると思うのよ。」 |
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| 「[本気/ほんとう]じゃないでしょ?」 |
‘Not really?’ |
| 「ううん、[本気/ほんとう]よ。」 |
‘Yes, really,’ |
| それから、頭をぐっと[持/も]ち上げるんだ。 |
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| おあつらえ[向/む]きに[向/む]かい風だから。 |
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| 一、二分間、三人の探[険/検]家は、 |
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| 「わたしたち、[/お]城からにげだした |
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「わたし、さっきも[、/]そう思ったのよ。」 |
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| 確信が[持/も]てなかったの。 |
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| 「もし、ほんとうにつけられているなら[。/、]」と、ドロシアがいった。 |
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| 三人の探[険/検]家は、 |
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| 「おいでよ。」[と、/]ロジャが、百メートル以内にだれかがひそんでいれば[/、]かならずきこえる |
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| 「もっと[向/む]こうへいこうよ。」 |
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| [ハンマー/かなづち]で石をたたいた[方/ほう]がいいんだけど。 |
We ought to be tapping the stones with a hammer. |
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つけてるやつは、[ハンマー/かなづち]の音だと思うよ。 |
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| ロジャとドロシアが[ある/歩]きだした。 |
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| ロジャもドロシアも、[進/すす]んで石を |
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| じぶんでも確信は[持/も]てなかった。 |
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| やって[別/べつ]に損はないし、 |
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| 谷のずいぶん奥までのぼってしまっ[/てい]た。 |
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| ディックの湖はずっと後ろ[にな/だ]った。 |
Dick’s lochs were far behind them. |
| ラクダのこぶの[向/む]こうにかくれて見えない |
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| ティティは、[向/む]きをかえてひきかえせばよかったと思った。 |
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| つけているかも[知/し]れない人間にたいして地質学者をよそおっている三人の探[険/検]家は、 |
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| [ハンマー/かなづち]のかわりになるとてもよい石 |
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| 谷底のシカの群れは、もう[、/]ほんとうに不安にかられて、 |
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| 「チョコレートを[食/た]べようじゃないか。」 |
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だれかがいて[、/]動けば、 |
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「ディックは[/、]チョコレートを[食/た]べるの忘れてるんじゃ |
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| 「もうすぐ[、/]ひきかえして、 |
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| 岩にこしかけてチョコレートを[食/た]べながら、 |
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| もうあまり関心を[持/も]っていないこともわかった。 |
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| このふたりの[中/うち]、はじめに考えをかえたのは |
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| ところがチョコレートを[食/た]べおわった三人が、また谷間の上手に[向/む]かってちょうど出発した時、 |
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| ドロシアは、[立/た]ちどまった。 |
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「わたしには[/、]におわないわ。」 |
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| 風は真正面から吹きおりてくるから、 |
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| 「そんなことしない[方/ほう]がいいわ。」 |
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| 「たしかめた[方/ほう]がいいわね。」 |
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| 急な斜面を[いっしょう/一生]けんめいのぼっていった。 |
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| 沼のようなところに[お/落]ちたにちがいない。 |
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| 「シカにあたってたかも[知/し]れないじゃないの。」[と、/]ロジャのそばまでのぼって、 |
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「もうそろそろ時間よ。」 |
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| ほんとうに[/、]どこかに尾行者がいるとしたら、 |
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| 三人は[、/]もう、地質学者のふりをすることなどに気をつかわずに、斜面をななめに[下/くだ]りだした。 |
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| そして、ドロシアに[向/む]かってにやっとわらった。 |
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| ロジャの地質学が姿の見えない尾行者[向/む]けではなく、 |
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[次/つぎ]の瞬間、尾根の斜面の上の方で[/、]かん高い呼び子が[、/]きこえた。ロジャの顔から[、/]笑いがきえた。 |
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| 「とにかく、[今度/こんど]はまちがいないわ。」 |
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| 「さっきと[同/おな]じ場所じゃなかったわ。」 |
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| 「呼び子[/の音色]もちがってたよ。」 |
‘Different whistle, too’ |
| 空と[/尾根]の接線の[向/む]こう、つまり、尾根の[向/む]こう側でなったのかも |
They might have been over the skyline, on the other side of the ridge. |
| 岩の多い斜面をかけくだっている。 |
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探[険/検]家たちはうれしくなった。 |
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| 二匹の犬は、いかにもしぶしぶと[、たち/立ち]どまった。 |
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| 一匹が立ち[上/あ]がって、おそろしいうなり声を |
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| 地質学の[ハンマー/かなづち]がわりにひろった石に |
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| 立ち[上/あ]がった犬が後ろをふりむいた。 |
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| 呼び子がもう一度、こんどは二[つ/回]なった。 |
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| いかにもしぶしぶと[向/む]きをかえ、 |
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上から見えないところでしずかに草を[食/た]べていた、 |
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| 探[険/検]家たちの後ろの尾根で、 |
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| だれかが、三人[/にむかって]か、ほかのだれかに[向/む]かって[/か、]わけのわからないことばを[、/]どなったのだ。 |
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| 「わたしたちに[向/む]かって、どなってるのよ。」 |
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もう一度どなってげんこつをふって[見/み]せ、移動するシカの群れに先まわりするように[向/む]きをかえたが、 |
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| 探[険/検]家たちの方にかけくだってきた。 |
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| 探[険/検]家たちは[向/む]きをかえて走りだした。 |
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| シロクマ号の[、/]長くひっぱる霧笛がきこえた。 |
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| 「あそこへ行きつく[まえ/前]に、あのゲール人に |
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| ディックが、もう、もどっててくれたら[、/]いいんだけど。 |
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| 三人の探[険/検]家は大いそぎで湖まで谷を[下/くだ]り、まもなく、岩の多い岸辺で |
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でも、とにかく、うまく[後/あと]をつけられたものね。 |
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| (2) いちばんはじめに北極まで[行/い]ったのはだれ[/なのよ]――[アーサー・ランサムの作品『/『長い]冬休み』の中で、 |
訳注 |
| ディックが[いちばん/一番]に北極についた |