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第5章 だれかにつけられてる

 NIFTY-ServeのFSHIPでLMSさんが発表された『シロクマ号となぞの鳥』(1964.5.30第2刷)とアーサー・ランサム全集第12巻『シロクマ号となぞの鳥』(1999.6.7第19刷)を元に、次の比較一覧にまとめたものです。  英語版への参照にはPuffin BooksのGreat Northern?, impression of 1973を使いました。
 修正の表記については、真鵺道によりました。
2001. 3.14 高橋誠
変更 内容 英語表記
内容
80 81 ほとんどからになると、三人の[険/検]たんけんかは、 67
岩山いわやまと空のつくる長いせんに一[ヵ/か]しよさけ目があり、
シロクマごう海岸かいがん[/む]かってすすんでいた時、とおくから見えた家がどこにある[のか/かが]わかった。
81 82 道を歩く[方/ほう]がずっと[らく/らく]だよ。
「あそこになにがあるかをたしかめずに[/、]もどるわけにはいかないわ。」[と、/]ティティが、 68
[左右さゆうがヒースのえた斜面しゃめんになっている/左右をヒースにおおわれた斜面しゃめんにはさまれている] with heather slopes to right and left
[/む]こうがわ土地[とち/]が見[下/おろ]せた。
ひくい草ぶき屋根やねの家や小屋こや納屋なや物置ものお[/き][き/]などが
その[/む]こうに
それはわんを見[下/おろ]おかの、
家のゆか[おな/おな]じ高さにした
82 83 [ふ/]せ。」と、ロジャがいって地面じめん[ふ/]せた。
海に[下/くだ]斜面しやめんには
男や女が[三三、五五/数人すうにんずつ]あつまって、泥炭でいたん[き/]っていた。 little groups of men and women
ふたりの[あし/][もと/もと]にはらばって
[ふ/]せろよ、見つかっちゃうぞ。 69
ティティとドロシアも[ふ/]せたが、
83 84 犬がなにに[/む]かってほえてるのかを見に、
わか氏族しぞく[かしら/かしら]が、
とりこをとうにとじこめておく[/、]ただの悪漢あつかん
できるだけ[すば/は]やく、ここから立ちらなくちゃ。 as quick as we can
三人は、できるだけ[すば/は]やく 70 As quick as they could they
のぼってきた車道くるまみち[下/くだ]っていた。
わんに見えるシロクマごう[帆柱ほばしら/マスト]は、
すぐにおか[下/くだ]ってにげられるよ。
85 「でも、谷間たにまかみの方を[険/検]たんけんするんでしょ。」
84 「ちょっと[、/]とまって、耳をすましてごらんなさい。」
すこし時間[じかん/]をおいていから、
尾根おね[/む]こうの土人部落どじんぶらく
[険/検]たんけんはぜったいにやめられないわ。
この谷間たにま[険/検]たんけんは二とできないわ。
ディック[はかげも/の姿すがたはぜんぜん見え]なかった。 but no sign of Dick.
85 86 三人のはるか前方[/(ぜんぽう)]には、 71
[まわら/迂回うかいし]なくてはならないので[/、]大変たいへんてまがかかると[、/]三人は思った。 but wasting a lot of time when you had to walk round them instead of going straight ahead.
尾根おね[/む]こうがわ土人部落どじんぶらくのことを忘れさせた。
ディックのために[険/検]たんけんがだめになった
[険/検]たんけん種類しゆるいは一つではなく、
ディックにとっては鳥のこともほんとうに[大切たいせつ/たいせつ][険/検]たんけん一部いちぶであり、
ロジャにおとらない[険/検]たんけんか
「いちばんはじめに北極ほつきよくまで[行/い]ったのはだれなのよ?」
86 87 今はずっとうしろになっている谷底たにそこみずうみのほとり[のどこか/]には、[/どこかに]ディックがいることはわかっていた。 Down in the bottom, well behind them now, she knew that Dick was somewhere by the lochs.
みずうみのもっと[/む]こうには、フリント船長せんちようと四人の掃除そうじがか[/り][り/]が、
斜面しやめんにじぶんたち三人の[険/検]たんけんかがいるだけで、 72
点々てんてん群生ぐんせいしているヒースや[コケ/こけ]ばかりだった。
さまざまな種類しゆるい[険/検]たんけんかについて、
[ひろ/ひろ]びろした青空の下で、
それからちょっとたっ[て/たとき]、ティティは、また、[おな/おな]かんじにおそわれた。
だれかが見られないよう[/に]近よってきて、
87 88 ロジャとドロシアに[た/立]ちどまられて、
ティティからもあのかんじは[/う]せていた。
ぼくの望遠鏡ぼうえんきよう、きみが[/も]ってるだろ。
牛のれのように草を[/た]べていた。
まだ予定よてい半分[はんぶん/]も歩いてないのよ。
百メートルたらず前方[/ぜんぽう] 73
とうの大きなジカが立ち[上/あ]がり、
89 下の方で草を[/た]べていたジカぜんぶが、[/た]べるのをやめて移動いどうしはじめた。
88 谷底たにぞこのシカたちも移動いどうをやめて、また草を[/た]べだした。
[行/い]こう。」と、ロジャがいっ[て、/た。][険/検]たんけんかたちは、 ‘Come on,’ said Roger, and the explorers set out again.
上の斜面しやめんすす[険/検]たんけんかがいる
「ぜったい近くへは[/人を]せつけないわね。」と、ドロシアがいった。「[あと/あと]をつけられることがいやなんだと思うわ。
89 90 ほんの一瞬いつしゆん[大空とのせつ/輪郭りんかく]せんのすぐ下[の/にある]いわのそばで、 skyline
しかし、そこに[/む]かって目をこらしても、
「わたしたちの方が[/、]だれかにつけられていると思うのよ。」 74
[本気/ほんとう]じゃないでしょ?」 ‘Not really?’
「ううん、[本気/ほんとう]よ。」 ‘Yes, really,’
それから、あたまをぐっと[/も]ち上げるんだ。
おあつらえ[/む]きに[/む]かい風だから。
一、二分間、三人の[険/検]たんけんかは、
「わたしたち、[/お]しろからにげだした
90 91 「わたし、さっきも[、/]そう思ったのよ。」
確信かくしん[/も]てなかったの。
「もし、ほんとうにつけられているなら[。/、]」と、ドロシアがいった。
三人の[険/検]たんけんかは、
「おいでよ。」[と、/]ロジャが、百メートル以内いないにだれかがひそんでいれば[/、]かならずきこえる
「もっと[/む]こうへいこうよ。」 75
[ハンマー/かなづち]で石をたたいた[方/ほう]がいいんだけど。 We ought to be tapping the stones with a hammer.
91 92 つけてるやつは、[ハンマー/かなづち]の音だと思うよ。
ロジャとドロシアが[ある/歩]きだした。
ロジャもドロシアも、[すす/すす]んで石を
じぶんでも確信かくしん[/も]てなかった。
やって[べつ/べつ]そんはないし、
谷のずいぶんおくまでのぼってしまっ[/てい]た。
ディックのみずうみはずっとうし[にな/だ]った。 Dick’s lochs were far behind them.
ラクダのこぶの[/む]こうにかくれて見えない
ティティは、[/む]きをかえてひきかえせばよかったと思った。
つけているかも[知/し]れない人間にんげんにたいして地質学者ちしつがくしやをよそおっている三人の[険/検]たんけんかは、
[ハンマー/かなづち]のかわりになるとてもよい石
谷底たにぞこのシカのれは、もう[、/]ほんとうに不安ふあんにかられて、
「チョコレートを[/た]べようじゃないか。」
93 だれかがいて[、/]動けば、
92 「ディックは[/、]チョコレートを[/た]べるのわすれてるんじゃ 76
「もうすぐ[、/]ひきかえして、
いわにこしかけてチョコレートを[/た]べながら、
もうあまり関心かんしん[/も]っていないこともわかった。
このふたりの[中/うち]、はじめに考えをかえたのは
ところがチョコレートを[/た]べおわった三人が、また谷間たにま上手かみて[/む]かってちょうど出発しゆつぱつした時、
ドロシアは、[立/た]ちどまった。
93 94 「わたしには[/、]におわないわ。」
風は真正面[/つ]しようめんからきおりてくるから、
「そんなことしない[方/ほう]がいいわ。」
「たしかめた[方/ほう]がいいわね。」
きゆう斜面しやめん[いっしょう/一生いつしよう]けんめいのぼっていった。 77
ぬまのようなところに[お/]ちたにちがいない。
「シカにあたってたかも[知/し]れないじゃないの。」[と、/]ロジャのそばまでのぼって、
94 95 「もうそろそろ時間[じかん/]よ。」
ほんとうに[/、]どこかに尾行者びこうしやがいるとしたら、
三人は[、/]もう、地質学者ちしつがくしやのふりをすることなどに気をつかわずに、斜面しやめんをななめに[下/くだ]りだした。
そして、ドロシアに[/む]かってにやっとわらった。
ロジャの地質学ちしつがく姿すがたの見えない尾行者びこうしや[/む]けではなく、
95 96 [つぎ/つぎ]瞬間しゆんかん尾根おね斜面しやめんの上の方で[/、]かん高いび子が[、/]きこえた。ロジャのかおから[、/]わらいがきえた。 78
「とにかく、[今度こんど/こんど]はまちがいないわ。」
「さっきと[おな/おな]場所ばしよじゃなかったわ。」
び子[/の音色ねいろ]もちがってたよ。」 ‘Different whistle, too’
空と[/尾根おね]接線せつせん[/む]こう、つまり、尾根おね[/む]こうがわでなったのかも They might have been over the skyline, on the other side of the ridge.
いわ[おお/]斜面しゃめんをかけくだっている。
96 97 [険/検]たんけんかたちはうれしくなった。 79
ひきの犬は、いかにもしぶしぶと[、たち/立ち]どまった。
ひきが立ち[上/あ]がって、おそろしいうなり声を
地質学ちしつがく[ハンマー/かなづち]がわりにひろった石に
立ち[上/あ]がった犬がうしろをふりむいた。
び子がもう一、こんどは二[つ/かい]なった。
いかにもしぶしぶと[/む]きをかえ、
97 98 上から見えないところでしずかに草を[/た]べていた、
[険/検]たんけんかたちのうしろの尾根おねで、
だれかが、三人[/にむかって]か、ほかのだれかに[/む]かって[/か、]わけのわからないことばを[、/]どなったのだ。
「わたしたちに[/む]かって、どなってるのよ。」 80
98 99 もう一どなってげんこつをふって[見/み]せ、移動いどうするシカのれに先まわりするように[/む]きをかえたが、
[険/検]たんけんかたちの方にかけくだってきた。
[険/検]たんけんかたちは[/む]きをかえて走りだした。
シロクマごう[、/]長くひっぱる霧笛むてきがきこえた。
「あそこへ行きつく[まえ/前]に、あのゲールじん
ディックが、もう、もどっててくれたら[、/]いいんだけど。
三人の[険/検]たんけんかは大いそぎでみずうみまで[たに/][下/くだ]り、まもなく、いわ[おお/]岸辺きしべ
99 100 でも、とにかく、うまく[あと/あと]をつけられたものね。
(2) いちばんはじめに北極ほつきよくまで[行/い]ったのはだれ[/なのよ]――[アーサー・ランサムの作品『/『長い]冬休み』の中で、 訳注
ディックが[いちばん/一ばん]北極ほつきよくについた

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